ふとした瞬間に耳鳴りがしたかと思うと、頭もふらついてぼーっとしてしまう。疲れているのかな?と放っておきがちですが、耳鳴りには色々な原因が考えられます。
低音でゴーンと鳴るとき、キーンと高い音が鳴るときと様々ですが、症状によって原因も異なるのです。
耳鳴りが長く続くならば病気が潜んでいることも。しっかりと原因を知り対策しましょう!
目次
低音で感じる耳鳴りの原因
耳鳴りが生じる原因は大きく分けて3つ考えられます。
一つ目は病気が隠れている場合。このとき耳鳴りが長期間続くなどの異常があることが多いです。二つ目が精神的なもの。ストレスも耳鳴りを発生させる要因といわれています。
最後が生活習慣です。特に低音の耳鳴りを生じさせやすいものを紹介します。
低音の耳鳴りで考えられる病気
耳管狭窄症
耳と喉を繋ぐもので、外圧の耳の中の圧力を一定に保つ働きのある管を耳管と言います。
これが狭まる病気がその名の通り耳管狭窄症であり、普段の生活や外圧が変化しやすい環境(エレベーターの中など)にて圧力の変化に対応できず、耳の中で鼓膜が押し付けられ低音の耳鳴りが生じます。
突発性難聴
突発性難聴になってしまう原因は未だしっかりと解明はされていませんが、突然耳が聞こえづらくなったり、耳鳴りが定期的にもしくは一日中鳴り続けるような病態です。
このときの耳鳴り音も中音もしくは低音で、ゴーンと頭の中を巡るように感じることも。
メニエール病
特にめまいを症状に訴える方が多いメニエール病ですが、難聴や耳の閉塞感、低音の耳鳴りが生じることもしばしば。
メニエール病は内耳のリンパ液の循環がうまくいかず、耳の中で膨張してしまうことで音を伝える部分や平衡感覚を保つ部分を障害してしまい耳鳴りやめまい、吐き気といった症状を起こします。
ストレスによるもの
原因が特定されにくい耳鳴りですが、その原因がストレスと判断されることもしばしば。
それほどストレスとは私たちにとって様々な影響を与えます。
女性の方はストレスによりホルモンバランスが乱れやすく、体に水分が貯留する傾向になります。そうすると内耳にもリンパ液がたまり蝸牛を障害することで低音の耳鳴りが続くことがあります。
生活習慣
日常的に肩こりや首のこりを感じやすいかたは、それが耳鳴りを発生させる要因になることを知っておきましょう。
肩こりなどの体の「凝り」は体の水分、特に血液の循環がうまくいっていないことによって生じます。
血液循環を悪くする生活習慣によって、耳の血液循環に支障をきたすことで耳鳴りを生じさせます。
高音の耳鳴りと低音の耳鳴りとの違い
耳鳴りの音は大きく2つに分けられていて、「高音性」と「低音性」です。
一般的には急性的な耳鳴りが高音になりやすく、慢性化することで低音化するとも言われています。
また、高音の耳鳴りには耳を塞ぐとより耳鳴りの音量が増すという特徴もあります。高音の耳鳴りのときに考えられる原因は以下の通りです。
老人性難聴
耳鳴りは聞こえづらくなった音域の音が主に耳鳴りの音となって響くと言われています。
年齢を重ねると、高音域から聞こえなくなるため高齢者の方の耳鳴りは高音であることが多いです。
老人性難聴の初期段階では耳鳴りの症状のみを訴え、難聴であることに気付かない場合も。
騒音性難聴
コンサート会場や工事現場など、日常では考えられないほどの大きい音に長時間さらされた時に生じやすいのが、高音での耳鳴りです。
紛れも無い感覚器障害であり、突然の難聴につながります。
また、意外とやりがちなのがイヤホンでの音楽の聴き過ぎです。
イヤホンで大音量の音楽を聴いたあとなど、しばらくキーンと耳鳴りが続くことがありますが、これも難聴の予兆である可能性もあるので、気をつけましょう。
耳鳴り解消方法!生活改善から治療薬まで
わずかであっても耳障りな耳鳴り。生活に支障を来す場合も多々ありますよね。
重大な病気による耳鳴りはその治療が最優先ですが、普段気になる耳鳴りの解消方法を紹介します。原因不明の耳鳴りの対処方法お教えします!
食事療法
耳鳴りの原因は様々ですが、体が弱っているときに症状が酷く出るのは確かです。
普段からしっかりと体の免疫機能を保つような食事を心がけることでずいぶん症状は緩和されます。以下に記す食材を意識した食生活をしましょう。
血流を促す食べもの
- リンパの流れをうながすニンニク、タマネギ、大根
- 抗酸化作用が強く体を温めることで血流を促す生姜
- 血液をサラサラにするDHAを豊富に含むマグロなどの魚類
抗酸化作用のある食べもの
- 抗酸化作用やアンチエイジング作用のある黒豆、黒ごま
- ビタミンCが豊富なベリー類
ホルモンの調子を整える食べもの
- 女性ホルモンに似た作用を示すイソフラボンが豊富な大豆食品
禁煙療法
耳鳴りの原因のひとつに血流が悪くなることがありますが、これを助長するのが言うまでもなくタバコです。
百害あって一利なし。喫煙していて耳鳴りが酷いという場合は、積極的に禁煙をするようにしましょう。
耳まわし運動
耳はツボが集結している部分ですが、耳を引っ張りながら回す運動はあらゆるツボを刺激することになり、結果耳周りの血流が促されます。
顔もスッキリする効果もありますので、耳鳴りが気になった際は耳まわし運動をしてみてください。
ただし、やり過ぎや耳の引っ張り過ぎには注意。定期的に耳のツボを刺激してくれるようなプロのマッサージ師さんにお任せするのもオススメです。
温感療法
いわゆる耳を温めてあげることで耳の周囲や内部の血液循環を改善してあげる改善法です。
方法は簡単で、レンジで温めた蒸しタオルやカイロなどを耳にじっと当ててあげましょう。もちろん火傷をしない程度の温度にすること。
目を温める専用のカイロが売っていたりしますが、耳を温めることでも体全体がポカポカしてくるので寒い冬の日などにも向いています。ある程度の即効性が期待できる方法です。
サプリメント療法
耳鳴りに特化したサプリメントも最近では売られているようです。要は血流改善につながる成分を含むサプリメントですが、体に全く害はないため健康管理の一環として摂取することをオススメします。
耳鳴りのためのサプリで全身の疲れが治る、肩こりや腰痛の症状が改善されるなども考えられます。
一度薬店で相談してみてはいかがでしょうか。
薬物治療
原因が特定されない場合、血流を促す薬が処方されます。主にビタミンB12、Eなどの血液循環を改善する薬や、内耳の血管を広げるストミンAなどがあります。
メニエール病による耳鳴りには、めまいの治療も兼ねておこなわれます。メリスロンやセファドールは内耳の血液量を増やし、水分代謝をよくする利尿剤なども処方されます。
ストレスが原因である耳鳴りには、抗うつ剤や向精神薬などが処方されることも。
参考:朝のめまいと吐き気、ぐるぐるめまいの嫌な不快感…原因はなに?
まとめ
耳鳴りが気になるときは体からの一つのサイン。
疲れていたり免疫力が弱っている可能性があります。生活習慣をしっかりと見直して水分・血液循環を改善してあげましょう。また長引く耳鳴りをただの耳鳴りと放っておくと、難聴を招き兼ねません。
突発的に難聴になってしまうことは防ぎようがありませんが、騒音が常に聞こえる環境にいたり音楽を大音量で聴いていたりなど、考えられる原因がある場合はそれを避けるようにしましょう。
耳に対して優しい生活を心がけることも、耳鳴り対策のひとつですね。
参考:貧血で耳鳴りが起こるのはどうして?原因は酸素不足にあるんです!