みなさんは定期的に健康診断に行かれてますか?
健康診断に行くと必ずと言っていいほど尿検査がありますよね。尿検査では体に負担をかけることなく病気の兆候を知ることができます。
尿検査時には尿蛋白(にょうたんぱく)や尿糖、尿潜血、尿ビリルビンなど様々な項目で検査をしています。肝心の検査結果ですが、マイナスやプラスだけでなく、プラスマイナスと表示されることがあるとご存知でしたか?
いったいどういう意味があるのでしょうか?今回は尿蛋白やプラスマイナスの意味についてや尿蛋白の改善方法などを説明していきますね。
目次
尿蛋白がプラスマイナスと表示されたら健康状態は良くない可能性が!
冒頭でもふれましたが、尿検査で尿蛋白がプラスマイナスと表示されることがあります。
初めて見た方は、マイナスが陰性で、プラスが陽性だから、プラスマイナスは・・・?と迷ってしまうと思います。
尿蛋白やプラスマイナスの表示とはいったいどういうものなのでしょうか?
尿蛋白とは?
尿蛋白というのは、その名の通り、尿に含まれるタンパク質のことです。
腎臓は血液をろ過して、必要のない老廃物を尿として排出しています。このとき、タンパク質は体に必要な物質のため尿ではなく血液に戻されなければなりません。
しかし、腎臓がうまく機能しないと、タンパク質まで尿として排出されてしまうのです。
尿蛋白がプラスマイナスの意味は?
一般的に尿検査は、採取した尿を試験紙に垂らし、試験紙の色の変化で陰性か陽性を判断します。
試験紙の色が変わらなければ陰性(-)、わずかに色が変わればプラスマイナス(±)、はっきり色が変われば陽性(1+)で、色の変化の強さで強陽性(2+)、(3+)と判定します。
つまり、プラスマイナスとは陽性が疑われる状態と言えます。
再検査は必要
尿蛋白の検査結果でプラスマイナスがでたらどうしたらいいのでしょうか?
陽性の疑いがある程度なら、再検査の必要はないと、自己判断をしてしまうのは危険です。もしかしたら腎臓病などの病気が潜んでいる可能性があります。なので、再検査は必ず行ってください。
ただ、再検査を行う際に注意したいことがあります。激しい運動や入浴後、発熱時、月経前後は尿蛋白が出やすくなります。
その為、再検査のタイミングは激しい運動や入浴後、発熱時や月経前後の時期をさけるのがよいでしょう。
尿蛋白の原因
しかし、どうして尿からタンパク質が出てしまうのでしょうか?
尿からタンパク質がでる原因は大きく一過性のものと病的なものに分けられます。
それぞれについてみていきましょう!
一過性のもの(「生理的蛋白尿」や「機能的蛋白尿」と呼ばれます)
- 激しい運動をしたり発熱した後
- 起立性蛋白尿(立っていることで腎静脈が圧迫されておこるもの)
- 妊娠や月経
- タンパク質の一時的な過剰摂取
上記のようなタイミングで尿検査をすると一時的に尿蛋白がでてしまうことがあります。
病的なもの
病的なものは尿ができる過程において
- 腎臓より前の部分に問題がある場合
- 腎臓に問題がある場合
- 腎臓より後の部分に問題
がある場合の3つのパターンにわかれます。
- 腎前性蛋白尿→腎臓より前の部分に問題があり尿蛋白がでるもの
腎臓自体に特に問題はなく、腎臓以外の臓器に障害がある場合や、腎臓以外の病気で大量の蛋白が血液中に生じ、それが尿のほうに流れ出てきたものなどがあります。
- 腎性蛋白尿→腎臓に障害があり尿蛋白がでるもの
この場合はさらに、糸球体というところで障害がおきている場合と尿細管というところで障害がおきている場合があります。
- 糸球体性蛋白尿
糸球体に異常が生じ、本来通ることができない大きなタンパク質が糸球体を通過してしまうのが原因でおこる蛋白尿
- 尿細管性蛋白尿
尿細管で再吸収されるはずの小さなタンパク質を再吸収することができなくなるのが原因でおこる蛋白尿
- 腎後性蛋白尿
前立腺や膀胱など腎臓よりも後にくる臓器が原因で出る蛋白尿です。血液、粘膜などが尿に混入してタンパク質が尿に現れます。
尿蛋白がでる原因もさまざまなんです。病気が原因なものと一過性のものがあり、病気が原因だとしても、腎臓の病気だけが原因とは限らないんですね。
参考:カフェインが利尿作用を起こす理由!カフェインのメリットとデメリット
尿蛋白がプラスマイナスと表示された時に考えられる病気
尿蛋白がプラスマイナスと表示されたらまずは医師の指示のもと、再検査をおすすめします。
先ほどご紹介した通り、尿蛋白がでる原因はすべてが病気によるものではなく、一過性のものもあります。しかし、以下の病気である可能性もあります。
腎臓の病気になっている場合
- 急性腎炎
- 慢性腎炎
- 慢性糸球体
- 腎炎
- 腎盂腎炎
- 腎硬化症
- 腎不全
- 腎臓がんなど
膀胱や尿路の病気になっている場合
- 尿管結石
- 尿管がん
- 膀胱炎
- 膀胱結石
- 膀胱がん
- 前立腺炎
- 前立腺がん
- 尿道炎など
腎機能が低下しているケース
- 肥満症
- 高血圧
- 糖尿病
- 膠原病など
尿蛋白がでるだけでこんなにたくさんの病気の可能性があるんですね。
怖い病名も並んでいて、再検査にいくのも億劫になってしまいそうですが、もし、プラスマイナスと表示されてしまっても、早めに受診されてくださいね。
参考:絶対にダメ!糖尿病患者が食べてはいけないもの・食べて良いもの
尿蛋白を改善する対処法
それでは、どのように尿蛋白を改善したらよいのでしょうか?
ポイントは食事、運動、ストレスです!
食事
尿蛋白を改善する対処法ですが、まずは食事面から何がよくて、何がよくないのかまとめてみました。
まず腎臓によい栄養素ですが、ずばりオルニチンです!
オルニチンは肝臓によいイメージがありますが、実は腎臓にいいいんですよ。オルニチンを含む食べ物には以下のものがあります。
- しめじ
- えのき
- えりんぎ
- まいたけ
- シジミ
- チーズ
- ヒラメ
- キハダマグロなど
きのこ類に多く含まれているんですね!
タンパク質
また、摂りすぎに気を付けたいのはタンパク質、塩分です。
たんぱく質は代謝するときに老廃物がでます。そのため、タンパク質を取りすぎると血液中の老廃物が増えてしまい腎臓に負担がかかります。
肉、魚、卵、乳製品、大豆製品はタンパク質が多いから取りすぎに注意してくださいね。
しかし、あまりに、たんぱく質を制限するとエネルギー不足になるため、炭水化物や脂質でエネルギーをとるといいですよ。
塩分
塩分もとりすぎると、ナトリウムをろ過する腎臓には大きな負担がかかります。
厚生労働省ではナトリウム(食塩相当量)を18歳以上の男性で一日8g未満、女性で7g未満を目標値としています。
味噌汁一杯で塩分約1.5gほどありますので、油断してしまうと簡単に超えてしまいますので注意が必要ですね。
適度な運動
適度な運動をすると血液の循環がよくなります。血液の循環がよくなると腎臓の機能が向上します。
しかし、激しすぎる運動をし大量に汗をかいても水分補給をしないと、尿が濃くなってしまい尿蛋白の原因になってしまいます。
適度な運動をきちんと水分補給をしながら行ってくださいね。
ストレス
ストレスや過労で腎機能が低下してしまい、尿蛋白が出てきやすくなることがあるようです。
質の良い睡眠をとったり、ゆっくりとお風呂に入ったり、ストレスをためすぎない生活をこころがけるといいかもしれませんね。
参考:血液検査をした時のcrp値は何を指す?異常値はどのくらい?
まとめ
尿蛋白は腎臓がうまく機能しなくなることによってでてしまいます。
尿検査の結果、陰性と陽性以外にプラスマイナスと表示されることがあり、陽性が疑われるという意味です。
プラスマイナスと表示されても重大な病気の可能性もありますので、必ず再検査を受けに行きましょう。
尿蛋白を改善するためには食事面の改善、適度な運動をすること、ストレスを感じにくい生活をすることが大切です。
参考:血液検査のwbcの正常値の範囲は?白血球が体に大事な理由まとめ