皆さんの中にも、コーヒーや紅茶をよく飲まれる方は多いのではないでしょうか?そのような飲み物に必ず入っているのがカフェインです。
カフェインといったら、「飲んだら眠れなくなる」「トイレが近くなる」という印象が強いですよね?
今回はそんなカフェインの利尿作用や、適度な摂取量、カフェインを摂取するときのメリット、デメリットを解説していきますね。
目次
カフェインが原因で利尿作用を起こす理由
冒頭でもふれましたが、カフェインを摂取するとトイレが近くなりますよね?これはカフェインの利尿作用によるものです。
では、どうしてカフェインを摂取すると利尿作用が起こるのでしょうか?以下にまとめてみました。
- カフェインを摂取すると、自律神経の交感神経が優位になります。
- 交感神経が優位になると、血圧や心拍数は上がり、末梢血管は収縮し、逆に腎臓の血管は拡張します。
- ②の結果、腎臓の血液量が増加します。
- 腎臓の血液量が増えた結果、尿の量が増えるのです。
つまり、カフェインを摂取した結果、交感神経の働きが優位になり、腎臓の血液量がふえることが利尿作用がおこる理由なんですね。
参考:貧血の人に悪い食べ物は?カフェインが多いコーヒーも良くない?
利尿作用は体に良い?考えられるメリット・デメリット
カフェインが利尿作用を起こす原因は先ほどわかりましたね。
しかし、そもそも利尿作用が起こることは私たちの体にとっていいことなのでしょうか?
考えられるメリットとデメリットをまとめてみました。
メリット
老廃物の排出を促進
体に不要な老廃物(尿素、ナトリウム、アンモニア、尿酸など)は尿と一緒に体外に排出されます。体の老廃物のうちの20%は尿からでていると言われています。
尿がたくさんでることで、老廃物の排出を促進してくれます。つまりデトックス効果が得られるわけですね。
老廃物がきちんと排出されることで、美肌効果、ダイエット効果など女性に嬉しい効果も得ることができます。
むくみの解消
余分な水分が尿として排出されると当然、むくみの解消にもつながります。
むくみの解消により、疲れやだるさを感じにくくなります。
デメリット
カルシウム不足に陥る
カフェインを摂取すると、カルシウムが吸収されにくくなります。
それにも関わらず、尿と一緒にカルシウムも排出されるのでカルシウムが不足してしまいます。
便秘になりやすい
体の水分が尿としてたくさん排出してしまう為、便に含まれる水分が少なくなり、便が硬くなるため便秘になりやすくなってしまいます。
カフェインには利尿作用があるので、カフェインの入っている飲み物をどんどん飲んでると、水分が尿へどんどん出てしまい、尿ばかり増えて、大腸にある便の元から水分が吸収されて、お通じが硬くなってしまいます。
出典:じゅん子おしりクリニック
利尿作用にはメリットもデメリットもあるんですね。
一見、尿から老廃物がでることによりデトックス効果があるようなのですが、便の水分が少なくなり便秘になる可能性があります。便がスムーズにでなければ、せっかくのデトックス効果も台無しです。
尿の出しすぎもよくないですし、出しても水分補給が大切なようです。だからといってカフェインを含むもので水分補給をしたら、また尿が出てしまうので注意が必要ですね!
参考:カフェインアレルギーとは?コーヒーでアレルギー症状が出る可能性も!
カフェインの1日の適度な摂取量
カフェインといえば、海外ではエナジードリンクの多量摂取がもとでカフェイン中毒による死亡事故もありました。
カフェインの多量摂取は命にかかわることもあるということです。それではどのくらいまでなら問題なく飲めるのでしょうか?
カフェインの1日あたりの摂取許容量は、実は日本には明確な上限量はありません。
ただ、海外では国によって異なりますが上限量が定められています。ここからはカナダの基準値をもとに説明していきます。
カナダ保健省が2006年に示した、1日当たりの上限量は以下のようになっています。
- 健康な成人 / 400mg
- 妊娠中・授乳中の女性 / 300mg
- 子供(4~6歳) / 45mg
- 子供(7~9歳) / 62.5mg
- 子供(10~12歳) / 85mg
この数値だけではわかりにくいので、具体的に飲み物にどれくらいカフェインが含まれているかもまとめてみました。
飲み物の種類と100mlあたりのカフェイン含有量と200mlあたりのカフェイン量を以下の表にまとめました。200mlは一般的なマグカップやグラスで飲む場合を想定してのものになります。
種類 | 100mlあたりの含有量 | 200mlあたりの含有量 |
---|---|---|
エスプレッソコーヒー | 300ml | 600ml |
玉露 | 120ml | 240ml |
ドリップコーヒー | 90ml | 180ml |
インスタントコーヒー | 40ml | 80ml |
ココア | 30ml | 60ml |
抹茶 | 30ml | 60ml |
紅茶 | 20ml | 40ml |
緑茶 | 20ml | 40ml |
ほうじ茶 | 20ml | 40ml |
ウーロン茶 | 20ml | 40ml |
番茶 | 20ml | 40ml |
玄米茶 | 15ml | 30ml |
ダイエットコーラ | 15ml | 30ml |
コーラ | 12ml | 24ml |
麦茶 | 0ml | 0ml |
栄養ドリンク | 50ml | 100ml |
こうしてみると、コーヒーひとつとってみても抽出のしかたで随分とカフェイン量がかわってくるんですね。
インスタントコーヒーの場合で、マグカップ一杯で80mgということはカフェイン摂取量の上限量が400mgの健康な成人では5杯までなら飲んでも大丈夫そうです。
しかし、ドリップコーヒーとなると2杯までとなってしまいます。2杯までという量にぎくッ!とした方もいるのではないでしょうか?
妊娠中、授乳中の方の、カフェイン摂取量の上限量は300mgです。インスタントコーヒーの場合で3杯までですね。
極力カフェインを取りたくないという方にはたんぽぽコーヒーがおすすめです。たんぽぽが原材料でカフェインは入っていませんがコーヒーの味がする飲み物です。しかも、このたんぽぽコーヒーは母乳の出もよくなりますので、特に授乳中の方には向いていますよ。
また、4歳から6歳の子供では1日のカフェイン摂取量の上限量が45mgとなっていますよね。ココアでさえもマグカップ1杯飲むのは、よくないようです。
ウーロン茶にもマグカップ1杯で40mgもカフェインが含まれているので、小さなお子さんからしたらぎりぎりの量ですね。お食事のときの飲み物はカフェイン0mgの麦茶やお水などが安心のようです。
カフェイン摂取量に上限があることを知ってしまうと、カフェイン摂取を避けてしまいそうですが、その必要はありません。
カフェインの摂取にもメリットはあるのです!その分デメリットもありますが。ここからは、メリットとデメリットをそれぞれまとめてみました。
カフェインで得られるメリット
- 覚醒作用・・・眠気が覚め、脳が活性化し集中力が高まります。その結果、仕事や勉強がはかどります。
- 脂肪燃焼効果・・・カフェインには脂肪を燃焼しやすくする効果もあります。ダイエット中の方は運動の30分前にカフェインを摂取するといいようです。
- 偏頭痛に効果がある・・・カフェインには血管を収縮させる作用があります。偏頭痛は脳の血管が急激に広がり、周囲の神経を刺激することで炎症がおこり、引き起こされる頭痛です。偏頭痛を抑えるためには血管を収縮させる必要があるため、カフェインの摂取は効果的です。
カフェインを摂ることのデメリット
- 貧血になる・・・カフェインは鉄分の吸収を妨げる作用があります。
- カルシウム不足・・・カフェインにはカルシウムの排泄を促す働きもあります。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)が気になっる方は気を付けたほうがいいでしょう。
- 妊娠中の方の摂取量には気をつける・・・妊娠中にカフェインを摂取すると、胎盤を通しておなかの赤ちゃんにカフェインがいき、その結果、流産、早産、低体重児、発達障害の原因になる可能性があります。
- 胃痛・・・カフェインは胃液の分泌を促進します。そのため胃腸が弱っているときや空腹時にカフェインを摂取すると、胃が痛くなることがあります。
メリットでいうと覚醒作用や脂肪燃焼作用がありますね。仕事や勉強の前、また運動の前にカフェインを摂取するなど、カフェインを摂取するタイミングでよりカフェインの恩恵を受けることができそうです。
デメリットでいうと一番心配なのは、妊娠中の摂取ですね。先ほども少しでましたが、コーヒーをたんぽぽコーヒーに置き換えるなどの工夫をしながらカフェイン摂取量を減らしたほうがよいでしょう。
参考:コーヒーを飲むと胃もたれする?コーヒーのメリット・デメリット
まとめ
ここまで利尿作用によるメリット、デメリット、またカフェイン自体のメリット、デメリットをまとめてきましたが、ほんとにさまざまな効果があるんですね。
できるかぎり、メリットの恩恵を受けつつ、デメリットを回避したいものですが、それにはやはり1日のカフェイン摂取の上限値を超えないことが大切だと思います。
特に小さなお子さんはすぐに上限値を超えてしまいますね。大人がきちんと飲食物に対するカフェイン量を把握し、年齢に応じた上限値を超えない食べ方、飲み方をさせてあげなければならないですね♪
参考:もうやめる!?カフェイン断ちをした時の嬉しい効果まとめ