足の裏が痛いと、このまま歩けなくなるかもしれないと不安になると思います。つらい足の裏の痛みの原因の1つが歩きすぎです。
足の裏は橋のように中央が高いアーチ状になっており、うまく衝撃を逃がすようになっていますが、歩きすぎると筋肉が疲労でかたくなってしまい、動くと痛いと感じるようになります。
今回は、足の裏が痛くなる原因と、痛くなった時の対処法について詳しく解説していきます。
目次
足の裏が痛いのは歩き過ぎが原因!
足の裏は橋のようにアーチ状の構造をしていますが、歩きすぎると筋膜(きんまく)という骨の周りを支える膜がかたくなるため、のばすと痛いのです。
筋膜というのは、全身を覆う膜で姿勢の悪さや疲労によって体のどこかでねじれると、足の裏の痛みが起こることがあります。
また、普段から運動していないと筋膜が硬くなりやすいので、軽いスポーツでも足の裏が痛くなることがあるため注意が必要です。
姿勢の悪さも足の裏の痛みの原因
姿勢が悪いと、歩く際に重心が1箇所にかかり足の負担が増加する他、猫背だと背中の筋膜だけ伸びた状態が長く続くため、足の裏が痛い症状が出やすくなります。
姿勢が悪いと前のめりになり、歩く時に使う足の筋肉が偏ってしまうため、使わない筋肉はどんどん弱くなって、いざ、スポーツなどで全身を使った動きをした際に、足がつったり、筋肉が耐えられずに炎症を起こすのです。
そして、骨と筋肉を覆って支える薄い膜である筋膜は全身につながっているため、姿勢の悪さで左右の体のバランスが悪くなると、ねじれて引っ張ることができなくなり、痛みを引き起こしてしまいます。
また、筋膜が硬くなる原因には、疲労の他に、ストレスや栄養不足もあるため、普段の生活習慣が原因となる場合もあるのです。他にも体重を1箇所にかけるような歩き方をしていると、衝撃が集中するためその部分が炎症を起こすこともあります。
- 姿勢の悪さ
- 運動不足
- ストレス
- 栄養不足
応急処置は冷やすこと!
痛みが出てきた時は、急性期という炎症が起きているので、おさめるために冷やしましょう。
この時期は、局所に急激に負荷がかかり、炎症反応を起こしています。つまり、血流量が増加し、腫脹(腫れ)、発熱、疼痛(とうつう)を起こしているのです。
引用元・大田市立病院
歩きすぎで筋肉を酷使すると、筋繊維(きんせんい)という細かい筋肉の繊維が部分的に、切れたり腫れたりして炎症が起きます。
その炎症を止めるために白血球が働き、筋繊維を修復する時に発痛物質という痛みを感じる物質(ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなど)を出すため痛みを感じるのです。※発痛物質が広がるので足の裏をもむのも避けましょう。
ちなみに、筋繊維そのものには痛みを感じる痛点というものがなく、痛みを感じるのは骨と筋肉を支える筋膜となります。
ですから、足の裏が痛い他に発熱や腫れがある場合には、氷水をビニール袋に入れたものや、アイスノンにタオルを巻いて適温にして、よく冷やしましょう。
また、アイスノンを直に当てると、冷えすぎて皮膚がダメージを受けるので直接当てるのは避けて下さい。
- 筋
- 発熱
- 腫れ
- 痛みが出た直後
夜は温めてマッサージ
炎症がおさまったら、血液の流れを良くするために温め、無理しない程度にマッサージやストレッチを行って下さい。
発熱が引いたら炎症が終わったサインなので、今度は徐々に温めていきましょう。ただ、冷やしてからいきなり温めるのは足に負担をなりますので、少し時間を置いてから温めることが大切です。
また、熱いお風呂に入るよりも、ぬるめのお湯に長く使っていた方が血行を良くするには効果的で、歩きすぎで硬くなっていた筋肉が柔らかくなるので、痛みが和らぎます。
マッサージは、力を入れすぎず、痛みを感じない程度に行いましょう。足の裏が痛い場合でも、筋膜は全身を覆っているので(つながっているため)、ふくらはぎから軽く伸ばすと効果的です。お風呂に入っている間は血行が良くなっているので、より高い効果が期待できます。
ストレッチも、痛みを感じない程度で行い、足の裏が痛い場合にはふくらはぎから伸ばすようにしましょう。筋肉を適度に伸ばすことで、血流が良くなり、筋肉の修復が早くなります。
- 力は軽く
- 温める
- 無理をしない
参考:ランニング中に足首に痛みがあった時の応急処置方法まとめ
歩き過ぎで足の裏が痛くなる原因!
扁平足(へんぺいそく)や足根管症候群(そくこんかんしょうこうぐん)、中足骨頭部痛(ちゅうそくこっとうつう)など様々な原因があります。
扁平足は、先天性のものと後天性の場合があり、特に気をつけなければいけないのは大人になってから現れる後天性の成人期扁平足(せいじんきへんぺいそく)と呼ばれるものです。
通常の足の裏は橋のようなアーチ型で上からの衝撃を上手く受け止めているのに対して、足の裏が平らになってしまうというのが扁平足の症状になります。
元からではなく、成人になってから扁平足になる原因には歩きすぎによる、後脛骨筋腱(こうけいこつきんけん)という足の裏をアーチ型に保っている腱が弱くなっている、または、切れているというのが大きな原因です。
足の裏の腱(骨と筋肉をくっつけている繊維)が切れていると強い痛みをともなうので、成人してから足の裏が平らになったという方は、病院で一度診てもらいましょう。
足根管症候群(そくこんかんしょうこうぐん)は、足首のくるぶしの内側にある足根骨という神経や血管が通っておりトンネルのような構造になっている場所が、外から圧迫されることで起こる神経痛です。
足根骨に通っている神経は途中で分岐して、足の裏側に広がっているため、足首の部分の圧迫が、足の裏全体が痛いということにつながります。
中足骨頭部痛(ちゅうそくこっとうつう)というのは、中足骨という足の甲にある足の各指へつながっている骨と各指の足の骨との接合部が、歩きすぎなどで炎症を起こす症状です。
足の指の付け根に体重がかかるハイヒールなどを履くことでなりやすく、足の指の根本を曲げると痛みが発生します。
また、扁平足や、親指が内側に曲がってしまう外反母趾(がいはんぼし)だと、指に負担がかかるため中足骨頭部痛になりやすいです。
他に歩きすぎが関係するものとして、長い間足の神経が圧迫されることで痛むモートン病というものもあります。
- 成人期扁平足
- 外反母趾
- 足根管症候群
- 中足骨頭部痛
- モートン病
間近に迫っているかも!?足底腱膜炎とは
足の裏には、足底腱膜(そくていけんまく)という長い膜が張っており、上からの衝撃を伸び縮みすることで吸収していますが、歩き過ぎると炎症を起こして土踏まずや、かかとのあたりが痛いと感じるのが足底腱膜炎(そくていけんまくえん)です。
足底腱膜というのは、かかとから土踏まずのアーチの形に沿って足の先までついている膜で、途中で分岐してそれぞれの5本の指の先につながっています。
歩くと上から体重+衝撃が加わりますが、それを足の裏の橋のような形と、足底腱膜の伸び縮みによってうまく吸収しているのですが、歩きすぎると足底腱膜が頻繁に使われて、疲労で硬くなるため、伸びると痛いのです。
足底腱膜炎の症状
歩き始めに痛みが強いのが足底腱膜炎の特徴で、足の裏でも真ん中の土踏まずやかかとの前が痛みます。
朝起きて歩き出す時や、座っていてから歩きだす時に一番痛みを感じます。足裏のかかとの前から土踏まずにかけて痛みが出ることが多いです。
ひどくなると、足底筋膜が付着しているかかとの骨が引っ張られて棘(とげ)のように出っ張り、痛みが増します。足を着くと痛いので、松葉杖がないと歩けなかったり、全く歩けなくなってしまう場合もあります。
引用元・無痛整体 鈴木薬手院
足底腱膜炎の症状が進むと、かかとの骨が引っ張られて飛び出してきて、とげのように内側から刺さるので、歩く際に痛みがともなうのです。
そうなる前に、足の裏が痛い状態が長く続いたら病院へ行ってレントゲンで検査をすることが大切となります。しかし、足底腱膜炎は正しい知識があれば、事前に予防することができる病気なのです。
足底腱膜炎を予防するためには
運動前や長距離を歩く時には入念にストレッチをし、靴底がショックを吸収する素材のシューズを選びましょう。
運動不足の方が、ダイエットなどのために頑張りすぎてしまうと、足に負担がかかって足底腱膜炎を発症し、足の裏が痛くなってしまいます。
特に、ランニングやエアロビクスやダンスなどは継続的に足に負担がかかるため、入念にストレッチをしてから行い、慣れないうちはこまめに休憩をはさんで行いましょう。ストレッチは足の指を上に軽く曲げるように行うのが予防のポイントです。
そして、サイズが合わない靴はもちろん足首が固いもの、靴底が薄いものや固い靴は、足への負担を大きくするので、足にフィットして伸縮性があり、しっかりと靴底でショックを吸収するシューズを選んでください。
そして、体力が切れてくると指に力が入らないので、体重移動が上手くできなくなり足への負担が大きくなるので、無理をしないことも大切です。
また、加齢による筋力の衰えも症状を引き起こす原因となるため、普段から適度な運動をしておくことが足底腱膜炎の予防にもつながります。
- 入念なストレッチ
- こまめな休憩
- 適した靴を選ぶ
- 無理をしない
- 適度な運動
参考:痛い!靴擦れがひどくて水ぶくれになった時の対処法と応急処置
まとめ
歩きすぎで足の裏が痛い場合には、筋膜が炎症を起こしているので熱が引くまで冷やし、熱がおさまったら温めましょう。
姿勢が悪いと、歩く際に足にかかる負担が大きくなるため、普段から背筋を伸ばしておくことが大切です。
足底腱膜炎にならないためには、運動前のストレッチと無理をしないことが重要で、普段から定期的に運動しているとなりにくいので、予防のためにも軽い運動から始めましょう。