お茶の中でも長い間高温で焙煎(ばいせん)したほうじ茶はその香ばしい香りと、まろやかな甘みのある味でファンを増やしていますね。
しかし、気になるのは含まれるカフェインの量です。
お茶には基本的にカフェインが含まれていますから、特に妊娠中の方はお腹のお子さんへの影響、また、就寝前に飲むと眠れなくなるのではないかという心配もあるでしょう。
そこで、今回はほうじ茶に含まれるカフェインの量と、妊娠中の方への影響、寝る前に飲んでいいのかという点について詳しく解説していきますね。
目次
ほうじ茶のカフェイン含有量
ほうじ茶はカフェインが少ないイメージですが、入っているカフェインの量は、100mlあたり0.02gと意外と多いのです。
コーヒーや緑茶(玉露)に比べれば少ないのですが、ほうじ茶を日頃から大量に飲んでいる方はこの機会に飲む量を考えてみてはいかがでしょうか。
実は、ほうじ茶も緑茶も紅茶もウーロン茶も同じお茶の葉から作られているので、入っている成分が似ているのは当然のことなのです。(焙煎の方法や、紅茶類は発酵させるという製法の違いが味や香りを変えています)
ですから、カフェインはほうじ茶にも含まれており、飲みすぎるとカフェインを摂りすぎてしまうので注意する必要があります。
ほうじ茶・緑茶・コーヒーのカフェインを比較
主なお茶やコーヒーに入っているカフェインの量を表すと以下のようになります。
- ほうじ茶 /0.02g
- 緑茶(玉露) /0.16g
- 煎茶(せんちゃ) /0.02g
- コーヒー /0.06g
- インスタントコーヒー/0.06g
- 紅茶 /0.03g
- ウーロン茶 /0.02g
(100mlあたり)
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)/文部科学省(インスタントコーヒーについては出典を元に算出)
確かにコーヒーに比べるとほうじ茶のカフェイン含有量は少ないですが、紅茶や煎茶(せんちゃ;一般的な緑茶)とはあまり変わらないという意外な結果でした。
このことからも分かる通り、水代わりにほうじ茶を飲んでいるとカフェインの摂りすぎになるので注意しましょう。
寝る前に飲んではいけない飲み物と飲んだほうが良い飲み物
寝る前には、コーヒーや緑茶、紅茶、ほうじ茶などは控え、飲むならカフェインを含まない麦茶か水にしましょう。
上のデータからも分かる通り、コーヒー以外にもほとんどのお茶にはカフェインが入っているので、就寝前の飲み物には向きません。
睡眠中は自律神経のうちリラックスさせる副交感神経が優位になるのですが、カフェインを飲むと、逆の働きがある活動的にさせる交感神経が働いてしまうので、睡眠に入るのが難しくなってしまうので避けましょう。
しかし、睡眠中も人は汗をかき水分を消費するので、寝る前にはコップ1杯程度の水分を補給しておくことも大切です。特に暑い夏場などは、就寝前の水分補給は大切で、その際におすすめなのが麦茶となります。
麦茶にはビタミン、ミネラルが沢山入っており、中でもGABAというアミノ酸がリラックス効果を高めてより良い睡眠をサポートしてくれるのです。
- 睡眠前にはコーヒー、緑茶、紅茶、ほうじ茶などカフェインを含む飲み物は控える
- 睡眠前におすすめな飲み物はビタミンやミネラル、GABAを含む麦茶
妊娠中はカフェイン摂取を控えましょう!
妊娠中はカフェインを摂るとお腹の赤ちゃんにも同じだけカフェインが供給されてしまうため、赤ちゃんには刺激が強すぎるのでなるべく控えて下さい。
妊娠中にはお母さんと胎内の赤ちゃん(胎児)は胎盤(たいばん)という器官でつながっていて、お母さんが食べた栄養も胎盤を通じて赤ちゃんに届いて成長していくのですが、赤ちゃんはまだ小さく人間としても体が未熟ですから、お母さんは食べ物にも気をつける必要があります。
カフェインは胎盤を容易に通過するため、妊婦さんがコーヒーや紅茶、お茶などを飲むとおなかの赤ちゃんにもカフェインが移行します。
出典/掘産婦人科
カフェインは、胎盤を簡単に通過して赤ちゃんの中に入るわけですが、まだ、体が整っていない赤ちゃんはカフェインを排出するのに時間がかかるので、危険と言われているのですね。
コーヒーやほうじ茶は何杯まで飲める?
妊婦さんのカフェイン摂取量の上限は1日に300mg(0.3g)までと決まっていて、マグカップの平均的な大きさが300mlなので、コーヒーなら1杯半くらい、ほうじ茶なら5杯くらいとなりますが、まだカフェインが胎児に与える影響はハッキリとは分かっていないので、これよりも少なめにして、安心してマタニティーライフを過ごして下さい。
しかし、世界で一番厳しい基準を設けているイギリスの食品基準庁では1日200mg以下という基準になっているので、妊娠中のカフェイン摂取は大切な赤ちゃんのために300mgより控えめにした方が安心でしょう。
また、カフェインを含むものは、赤ちゃんにとっては刺激となるので、いっぺんに体内に沢山入れるのは避けて、何回かに分けることで消化しやすくなります。
そして、体の冷やしすぎは血行が悪くなり、赤ちゃんに良くないので、コーヒーはもちろんですが、ほうじ茶でも冷たいものを一気に飲むのは避けて下さい。
- 妊娠中はカフェインを出来るだけ控えめにすることが前提ですが、飲むとしてもコーヒーならマグカップで1杯半、ほうじ茶なら5杯が上限
- 一気に飲むとそれだけ赤ちゃんの負担となるので、時間をかけて飲むことでカフェインを消化しやすくするようにする
参考:カフェインが利尿作用を起こす理由!カフェインのメリットとデメリット
カフェインが多いお茶
玉露入りの緑茶にカフェインが多く、その他にも煎茶(緑茶)、烏龍茶、紅茶、ほうじ茶、抹茶にもカフェインが入っているので飲み過ぎには注意しましょう。
お茶は、大麦を原料としている麦茶以外は基本的にカフェインが入っていますが、その中でも玉露入りの緑茶は、飛び抜けてカフェインの量が多いので、妊娠中はもちろんのこと、普段の生活でも飲み過ぎは避けて、より良い睡眠をとるために就寝前の数時間前にも控えて下さいね。
また、ペットボトルで飲む場合には、1本飲むと500mlですから、暑い時などに一気に飲むのは避けた方がいいですし、妊婦さんの場合には気にしていてもうっかり飲み干してしまうということもあるので、心配な方はコップに移し替えて飲むようにすると飲んだ量が分かりやすいでしょう。
チョコレートやガム、栄養ドリンク剤にも注意
チョコレートにも種類によって差がありますが、カフェインが入っており、また、眠気覚ましのガムにも入っていることがあります。
また、コーヒー味のお菓子にもコーヒーが含まれている場合があり、健康な方ならば、それほど気にすることはないかもしれませんが、妊娠中の方は注意しましょう。
そして、見逃しがちなのが栄養ドリンク剤です。
1日の疲れを癒すために飲んだはずが、眠れなくなって疲労が溜まってしまったということにならないためにも、就寝の数時間前には控えるようにして、購入する際にはノンカフェインの栄養ドリンク剤を夜用に買っておくと使い分けができるので便利だと思います。
- 妊娠中の方は、チョコレートやコーヒー味のお菓子も食べ過ぎないように
- 就寝前に栄養ドリンク剤を飲む場合には、ノンカフェインのものを選択
参考:カフェインアレルギーとは?コーヒーでアレルギー症状が出る可能性も!
まとめ
ほうじ茶にもカフェインは含まれているため、飲み過ぎは避けて、特に妊婦さんの場合には1日に5杯が上限なので超えないように気をつけて下さい。
妊婦さんはカフェインを含むものは、一度に体内に入れると赤ちゃんが消化しきれないので、時間をかけてゆっくりと飲みましょう。
栄養ドリンク剤にもカフェインは多く含まれているため就寝前には避けて、飲む予定がある場合にはノンカフェインのものを選んで下さいね。
参考:もうやめる!?カフェイン断ちをした時の嬉しい効果まとめ