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傷口 ジュクジュク 透明な液

擦り傷ややけどなどの傷ができると、傷の表面からジュクジュクの透明の液体が出てきますよね。

 

そこへサッと消毒液をかけて拭き取り、フーフー乾かす・・・なんてしていませんか?実はこの液体こそ傷を早く治すカギなんです。

 

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傷口からジュクジュク出てくる透明の液体って何?

傷口からジュクジュク出てくる透明の液体って何?拭きとっていいの?傷口の血が止まり始めると透明の液体が出てきますよね。気が付くと流れるほど出ていることもあります。あの液体は「浸出液」と言う、ばい菌を殺したり、細胞を再生したりするために必要な免疫細胞などの集まりなんです。

 

参考:口の汁が絆創膏からにじみ出ててきて止まらない。どうやって止めるの?

 

その中には、止血が仕事の血小板。異物を食べるのが仕事のマクロファージと言う白血球の一種や、表皮細胞などが入っています。中でもマクロファージは、菌の掃除屋と言われ、体のために非常に大切な役割を持っているのです。

 

人の体はとても良く出来ていて、「生命防御機構」「止血機構」「再生機構」など自己防衛や自己再生できる自己治癒力が備わっているのです。そのひとつが傷口からジュクジュク出てくる「浸出液」です。傷を察知すると、それらが一斉に傷口に向かい、全力で治療に挑みます。

 

浸出液は滲出液とも書かれますが同じ体液のことです。この浸出液は傷の大きさにより出る量がかなり違います。また、体液ですので、臭いもあります。

 

傷口からジュクジュク出てくる浸出液の正体は?

浸出液はどんなものなのでしょうか。みなさん自転車で転んだり、運動している時にケガをして「かさぶた」ができた経験があるでしょう。

 

参考:傷口にワセリンを塗って治す治療法知ってる?絆創膏じゃなくて貼るのはラップ?

 

あのかさぶたは自己治癒力のひとつ、「止血機構」の仕事によりできたものなのです。ケガにより血管に傷がつくと血液中の血小板が集まり傷口をふさぎ、さらにフィブリノーゲンと言う血液凝固因子が膜になり、フィブリンと言う血餅となります。

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傷の表面でフィブリンが乾燥したものが「かさぶた」です。浸出液の中身はほとんどがこの乾燥する前のフィブリンです。

 

また、同時に白血球の中のマクロファージも重要な役割を果たしています。傷ができるとそこから大量の細菌が侵入してきます。そのために、最初に動き出すのがマクロファージ好中球と呼ばれる白血球の一種です。

 

傷口に着くと細菌を攻撃し、自分の中に取り込んで死滅させていき、最終的にはアポトーシスと言う形で細菌とともに自滅します。その後遅れて到着するのがマクロファージです。

 

このマクロファージは大型食細胞と言われ、細菌とともに自滅した好中球や、傷によって死んだ細胞、または生き残っていた細菌などをモリモリと食べていきます。

 

さらにマクロファージがコラーゲンなどの皮膚成長因子に呼びかけることで、新しい皮膚が出来上がります。

 

浸出液の中ではこれらの事が目まぐるしい勢いで巻き起こっているのです。傷が大きければその働きも大きくなるので浸出液の量も増え、溢れるほどの量が出てきます。

 

大事な浸出液だけど出てきたらどうしたら良いの?

まずは、ケガの大きさで病院に行くか、自分で手当てできるものか判断します。ケガの範囲が広く、自分では対処しきれない時や、傷が深く血が止まらないなどの時は病院に行きましょう。

 

その時に、湿潤療法を推奨している病院に行くと、この浸出液を上手に使った治療をしてくれ、傷跡も少なく、さらに痛みもかなり軽減されます。

 

自分で手当てできる範囲だと判断したなら、まずは傷口を水道水で洗い流します。外側から流すだけでもかなりの細菌の侵入を防げます。中に入ってしまった菌はマクロファージが退治してくれるので任せましょう。

 

ここで気をつけなくてはいけないのが「消毒」です。多くの人が、傷の治療=消毒と教えられてきました。ところがこの10年ほどで「浸出液」の重要性が広まり、「消毒しない方が早くきれいに、さらに痛みも少なく傷が治る」と変わってきたのです。

 

この浸出液を上手に使う治療法は「湿潤療法」と言われ、傷口を乾燥させない治療法なのです。なので、フィブリンが乾燥してかさぶたを作る前に行わなければなりません。

 

浸出液が出ている傷口を数か所穴を開けたラップで覆います。また、密着性を高めるために、ラップにワセリンを塗ると乾燥を防げます。穴を開ける意味はどんどん出てくる浸出液を流すためです。

 

流れ出てくる浸出液の中には、溶けたワセリンや作業を終えたマクロファージ、死んだ細胞などが入っているので、余分な浸出液は出してしまいます。このままでは流れて衣服を汚してしまうので、らっぷで覆った上をガーゼや包帯で包み、出てきた浸出液を吸い取ります。

 

浸出液は傷口以外の皮膚をかぶれさせる事があるので、広がらないようにラップは傷の大きさに合わせて覆いましょう。

 

清潔に保たなければいけないので、浸出液がどんどんと出てくる最初のうちは、一日に数回きれいなラップに取り換えましょう。そのたびに、ガーゼや包帯も清潔なものに換えましょう。

 

まとめ

透明な液体は、膿ではなく「浸出液」と言う体液です。人の体のつくりはとても優れていて自分で治す力が備わっています。傷口からジュクジュクと出てくる液体は不要なものではなく、大切な自己治癒力の賜物なのです。

 

ただし、傷の大きさや深さ、手当ての仕方を間違えるとこの浸出液の力では回復できなくなる場合もあります。

 

ズキズキと痛む時や、赤く腫れあがったり、熱を持つような時は感染症のおそれがあるので、病院にいきましょう。

 

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