普段茶色い便が、ある日突然便が緑色になったら…誰だって驚きますよね。
なぜいきなり便が緑色になるのでしょうか?実はその緑色の便は大病のサインかもしれません…今回は緑色の便が出る理由を紹介していきます。
なかなか自分の便を見るのは嫌な事ですし、便が終わってわざわざ見ずに流す人も多いかもしれませんが、体の異変にいち早く気付く為には便を確認するのも大切な事ですよ。
目次
下痢が緑色になる原因
では、気になる便や下痢が緑色になる原因を早速探っていきましょう。
実は年齢によって大きな違いがあります。
便が緑色になる原因
便や下痢が緑色になるのには、年齢によって違いがありますが、各自以下の理由があります。
子どもの場合
- 便にビルビリンと呼ばれる物質が含まれ、おむつの中で酸化し緑色になる
- 腸の中で酸化し緑色に変化して出てくる
大人の場合
- 肝臓の疾患がある
- 食中毒
- 食べた物に左右される(※緑黄色野菜を摂取する際に起きる)
子どもと大人で理由がこんなに違うのも驚きですよね。
しかし、ビルビリンという聞き慣れない物質…子どもの体に影響を与えないのか不安になってしまいます。ビルビリンとは一体何なのでしょうか?
ビルビリンってどんなもの?
ビルビリンの正体は、ずばり胆汁色素(たんじゅうしきそ)でした。胆汁色素とは胆のうから出るもので、出るからと言って特に問題はありません。
子どもはよくこの胆汁色素が分泌され、便に混ざる事で黄色に便を変え、更に参加する事で緑色に便が変化してしまうのです。
子どもの便が緑色になっていても特に気にする必要はありません。あまりに緑の便が続いておかしいと感じるようになったら、病院へと行くと良いでしょう。大人の場合は肝臓に疾患が見つかる可能性があります。
肝臓の疾患とは?
では、大人の方も見ていきましょう。大人の便が緑色に染まった場合は、良くない事が体で起きていると自覚しましょう。
その代表例が肝臓の疾患です。便が緑だと、以下の病名が疑われます。
- 肝炎
- 肝硬変
緑の便はこの上記の大病のサインかもしれないのです。
肝炎とは?
肝臓は、私達の食べた物を分解する助けとなる胆汁を創り、摂取した栄養分を体に必要な栄養素に変化させ、有害物質を解毒してくれたり、エネルギーを貯蓄する作用を持っています。
そんな肝臓が、肝炎のウイルスに感染する事によって動きが悪くなってしまい、発熱や全身の倦怠感に加え黄疸が出たり、食欲不振や嘔吐を引き起こす事もあるのです。肝炎に罹る(かかる)理由は以下の通りです。
慢性肝炎の場合
- 母子感染
- 性交渉(※血液や体液が触れ合う為)
- ピアッサーや注射などの針の使い回し
急性肝炎の場合
- 水や食べ物を媒介にしての感染(※急性肝炎のA型とE型が経口感染)
- 性交渉(※急性肝炎の場合B型とC型のみ、B型については飛沫感染はほとんどない)
現在は針の管理は厳重になっていますので、集団接種での感染などもありません。
感染経路は随分と狭まりましたが、現在も肝炎に悩まされている人は多いです。自覚症状が風邪のようなものですから、肝炎だと気付かない人が多いのです。風邪の症状が長く続く場合は病院へと行って検査しましょう。
肝硬変とは?
次に肝硬変です。肝硬変は慢性肝炎から肝硬変へと変化するものと、アルコール摂取のし過ぎでなってしまうアルコール性肝硬変の2種類があります。
肝硬変になると、上記の肝炎のような症状に加えて、血を固める働きを持つ血小板に必要なトロンボポエチンという物質が生成されなくなるので、血小板の働きが低下してしまい、鼻血が出やすくなったり、原因不明の内出血が増えます。
更に症状が進行すると、歯茎などからも出血するようになってしまいます。これは肝臓が壊死を起こしてしまい、血液が肝臓に流れる事が出来なくなる為にすい臓へとその血液が流れ込み、結果血小板を更に破壊してしまう事で出血を誘発(ゆうはつ)してしまいます。
上記の肝炎の症状に加えて出血が目立つようになったら要注意です。
食中毒
これも下手すれば死に至る恐ろしい症状の一つですね。激しい嘔吐、下痢、そして脱水症状などが症状として挙げられます。
食中毒になるとなぜ便が緑になるのでしょうか?
それは、子どもの症状の時に紹介したビルビリンが関係していました。ビルビリンが混ざった便は、大腸に行くとビルビリンは吸収されて通常の茶色、黄色の便へと変化します。
しかし、食中毒を起こした際に大腸の活動が弱ってしまい、ビルビリンを吸収する事が出来ずに便が酸化する為緑色の便が排出されるのです。つまり、大腸が弱っている時ほど緑の便は出やすいのですね。
参考:食後からどのくらいで腹痛・下痢になる?原因の特定方法も
緑の便を出さない為に
子どもは大丈夫と分かって一安心ですが、大人はそうもいきません。
恐ろしい肝炎や肝硬変を避ける為にも予防法や日頃から気を付けるべき事は沢山あります。ではその避けるべき項目を確認していきましょう。
肝炎の予防法とは?
まずは肝炎の予防です。肝炎は上記に書いた通り、慢性肝炎から肝硬変へ変化し、最終的には肝臓がんを引き起こしやすい状態になってしまいます。
肝臓がんに発展しない為にも、肝炎にならない、なっても適切な治療が求められます。
肝炎の予防法
- 定期的に健康診断を受けて、肝臓の数値を確認する
- 人の血液に素手で触れない(※自分でも気づかない小さな傷口から血液が入り込んで感染する可能性がある為)
- 性行為ではコンドームを使用する
- ピアッサーなど血液が付着する物を使い回さない
特に保育園などの自衛が難しい子どもが多い場所では、予期せずに血液と傷口が触れ合ってしまう事もあるので注意が必要です。
今は薬によって治る肝炎もあります。すぐに病院に行って症状を緩和、そして治療を開始して肝硬変、肝臓がんの流れを断ち切りましょう。
肝硬変の予防法は?
肝硬変へと進行させない為の工夫や、アルコール性肝硬変にならない為にはどうするべきでしょうか。
肝硬変へと進行させない為に
- 体を適度に動かし、食事バランスも良くして肥満を防ぐ
- タバコをやめる
- 規則正しい生活を送る(※睡眠時間、起床時間を一定にする)
アルコール性肝硬変にならない為に
- 断酒
肝硬変へと変化してしまうと、肝臓がんまでリーチの状態です。
ならない為にも早期発見、そして予防が必要です。上記で紹介した様な恐ろしい初期症状が見られたら、迷わずに病院へと行くようにしてくださいね。
食中毒の予防法
食中毒の予防をする為には、以下の項目が挙げられます。
- 生の肉や魚には綺麗に洗った手で触れる
- 肉、魚、野菜を加熱処理する
- 食中毒の細菌が活動できない様に、10℃以下の状態で肉、魚、野菜を保存する
- 調理後の物も細菌がつかないようにラップで密封し保存する
食中毒は高齢者や乳児、幼児が罹ってしまうと命を落とす可能性もある恐ろしい症状です。
特に梅雨から夏場にかけては注意が必要と言われていますが、冬も可能性がない訳ではありません。どの季節も上記の予防法をしっかりと守って安全な食事を摂りましょうね。
参考:緊張したらスグに腹痛が!吐き気や下痢を抑える対処法は?
まとめ
緑の便には恐ろしい肝炎や肝硬変の予兆も隠されていたのですね。それだけではなく、食中毒も私達の命を脅かす恐ろしい症状です。
こういった病気に負けないように、日々予防と早めの医療機関の受診が大切です。
受診が怖いや時間もないという事を理由に病院に行かなければ、必ず症状は悪化してあなたを苦しめるでしょう。自然治癒はあり得ません。早く受診する事こそあなたの命を助けるのです。
参考:えっ?突然黒い下痢が…この症状の原因や病気の可能性は?