ずっと下痢が続いて苦しいのに、何故か腹痛を伴わない…そんな不思議な症状に遭遇した事ありませんか?実は、その腹痛を伴わない下痢、大病のまえぶれかもしれません。
今回はそんな腹痛も伴わずに起こる下痢の正体を紹介していきます。
もしもこの症状が続いているならば、すぐに病院に行った方がいいかもしれませんよ!
目次
下痢が続くのに腹痛なし…は何かの病気の可能性あり?
早速何故そのような不思議な状態になってしまうのか、どんな病気なのかを紹介していきます。
腹痛を伴わない下痢の病名は?
腹痛を伴わずに起こる下痢の症状は、以下の病名が考えられます。
- 日和見感染(ひよりみかんせん)
- 暴飲暴食
- 潰瘍性大腸炎(※初期は腹痛を伴わない)
- 大腸がん
- クローン病
- すい臓系の病気(※腹部ではなくみぞおちの痛みを伴う場合がある)
- バセドウ病
上記の病気の中には、現在も明確な原因が分かっていない物もあります。一つずつ詳しく次項から見ていきましょう。
日和見感染
これは聞いた事のある人も多いかもしれません。免疫力が何らかの原因で下がってしまっている状態の時に、普段は感染しないような弱い細菌に感染してしまい下痢を引き起こしてしまいます。
この原因は、ストレスなどで体が疲れて免疫力が低下してしまっている時や、後天性免疫不全症候群(こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん※AIDS)を発症していしまっている時などが挙げられます。
日和見感染した時は、体が弱っている時なのでしっかり体を休め、性交渉で疑わしい事がある場合にはすぐに保健所に行って血液検査を行いましょう。
暴飲暴食
暴飲暴食をするのも下痢を引き起こす原因となります。食べ物の水分は本来腸で吸収されるので、ある程度硬い便が出来上がるのです。
しかし、暴飲暴食をしてしまうと腸がその分の水分を吸収する事が出来ず、便が柔らかくなって下痢になってしまいます。
最近はストレスを食べる事で解消しようとする若い人が増えてきていますが、腸に負担をかけてしまう行為なのでオススメはしません。他のストレス解消法を見つけましょう。
潰瘍性大腸炎
これは症状が酷くなると腹痛を伴いますが、初期では腹痛を伴わずに下痢のみの症状が出ます。
若い人に多く、この症状の原因は恐ろしい事に現在も不明とされています。辛うじて分かっているのが、遺伝性のものであり、周囲の環境によって刺激されて症状を引き起こしてしまうのではないかと考えられます。
大腸の食べ物と接する膜が爛れて(ただれて)しまい、正常な働きが出来なくなって下痢便を排出してしまうのです。
また、進行するとその下痢便に血便も混じるようになり、トイレの回数は一日10回を超える事もあるのです。こうなっては自分では勿論治せませんから、なるべく早く病院へ行くようにしてください。
クローン病
現代の医学をもってしても原因が分からないと言われているこの病気、耳にした事のある人も少ないのではないでしょうか。クローン病とは、20代の人が発症しやすい、大腸が炎症を起こしてしまう病です。潰瘍性大腸炎とよく似ていると言われています。
症状として腹痛を伴わない下痢、他には発熱や体重減少なども見られます。原因が不明とされている為、現在も有効な治療法は見つかっておらず、地道な治療が行われています。
すい臓系の病気
すい臓は沈黙の臓器と呼ばれる程、症状が進行して重篤(じゅうとく)な状態になってからでないと発覚しない事が多いです。
例えば、慢性膵炎(まんせいすいえん)も腹痛を伴わずに下痢のみが引き起こされます。同じくすい臓がんも消化酵素の分泌が低下する事で下痢を引き起こすのです。
実は腹痛を伴わない下痢は、恐ろしい大病の前触れであるかもしれないのです。体重減少やみぞおちの痛みを感じるようになる前に、なるべく早く病院へと駆け込んで検査を受けてください。
バセドウ病
歌手の絢香さんが発症した事で世間に幅広く知られる事となったバセドウ病。これも腹痛を伴わない下痢を引き起こすのです。
バセドウ病は甲状腺ホルモンが異常に生成されてしまう病気で、更年期に似た発汗などが症状に挙げられます。
主に女性の発症が多い病気ですが、男性もならないという訳ではありません。下痢が全く改善されないと悩んでいる人は一度内科で検査を受けてみた方がいいかもしれません。
恐ろしい病大腸がん
ここでは恐ろしい病である大腸がんについて詳しく見ていきましょう。
大腸がんは年々男女問わず罹る(かかる)人が増えている大病です。特に注意をして欲しいので、別の項目で紹介していきます。
大腸がんとは
恐ろしい事に、大腸がんも症状が下痢から始まる事がほとんどなのです。
大腸がんは意外な事に女性にも多い大病です。事務仕事などで一日ほとんど座って過ごし、それが大腸に負担となって発症するパターンもあるからです。
大腸がんは初期に見つかって切除すれば助かる確率の高いがんです。実際の5年生存率は以下の通りです。
I期:99.0%(結腸がん:100.0%、直腸がん:97.0%)
II期:90.8%(結腸がん:91.9%、直腸がん:89.3%)
III期:81.6%(結腸がん:83.3%、直腸がん:79.3%)
IV期:18.1%(結腸がん:17.8%、直腸がん:18.7%)引用:ヘルスケア大学
早く見つければ見つけるだけ助かる確率の高くなる病気です。自宅に居ても大腸がんの検査が出来るキットも現在は通販で販売されていますので、下痢が続く時は一度そういったキットを試してみるのも早期発見の手です。
参考:えっ?突然黒い下痢が…この症状の原因や病気の可能性は?
大腸がんの初期症状を知ろう
大腸がんは早く気付くに越した事はありません。初期症状を知っておきましょう。
- 便に血が混じる(※どす黒い粘着質な物、タール便と呼ばれる)
- 下痢をして便秘をするサイクルを繰り返す
- お腹がすっきりせず、どれだけ出しても残った感じがする
- 貧血が続き、やたらと疲れやすくなった
このような症状が起きた場合は要注意です。大腸がんの初期症状である可能性が高いのです。
大腸がんの予防法は?
大腸がんの予防としては、毎日必ず体を動かす事が大切です。また、食事も肉中心の食事を摂る人の方に発症率が高いと言われています。
ですから、バランスの良い食事を心がけ、お酒もなるべく控えるようにしましょう。タバコやお酒は大腸がんの大きな要因となります。そして、40歳を過ぎたら必ず一年に一度は大腸検査を男女問わず受けるようにしてください。
腸に負担をかけない為に
では、下痢をしないように腸に負担をかけない生活をするにはどうしたらいいのでしょうか、それぞれ予防法を紹介していきます。
潰瘍性大腸炎の予防法
特に若い人に注意してほしい為、あえて潰瘍性大腸炎の予防法を紹介していきます。
潰瘍性大腸炎は、腸の壁が爛れる病気です。その原因ははっきりとしていませんから、明確な予防法はないのですが、以下の事で防げるのではと言われています。
- ストレスを溜めずに発散する
- ウォーキング程度の運動を行う
- 腸内環境を整える(乳酸菌を含む納豆やキムチなどの発酵食品を食べる)
若い人はついつい肉中心の生活になり、お酒も沢山飲んで胃や腸に負担をかけてしまう傾向にあります。潰瘍性大腸炎にならない為にも、暴飲暴食をやめましょうね。
腸を守る為に
では、潰瘍性大腸炎以外の腸のトラブルを防ぐ為、日々どんな事をすればいいのでしょうか?
以下の事が挙げられています。食品添加物の食事を摂ることで、腸内環境を守ってくれる善玉菌は減少してしまいますので、なるべく食品添加物を含んだ食事を避け、腸内環境を整えましょう。
- 動物性の発酵食品を摂る(※ヨーグルト、チーズ、くさやなど)
- 植物性の発酵食品を摂る(※味噌、醤油、おつけもの、納豆、キムチ、ワイン)
- 最低でも6時間睡眠時間を確保する
- 体を温める紅茶などを飲むようにする
体に良いからと言って、動物性の発酵食品ばかり、植物性の発酵食品ばかりを摂取してしまうのも危険です。バランスよく、両方を摂取する事が整った腸内を手に入れる方法です。
まとめ
どの病気にしても、バランスの良い食事と適度な運動に加えて飲酒は避けるようにした方が良いでしょう。
また、下痢が数日続いて止まらない場合はなるべく早めに病院へと行きましょう。また、自分の便を見るのも気持ち悪くて嫌かもしれませんが、血便が出ている場合その血液の色や状態によっても病気が何なのか変わってきます。必ず便が出た後は自分の便を確認してください。
下痢をする事自体、体や腸には負担になっています。下痢する事で肛門を拭う行為で肛門が傷付き痔になる可能性もあります。
他の病気を併発する可能性もあるので、下痢が始まった時点で病院へと行くようにしましょう。
参考:嘔吐や下痢の時に効果的な食事は?原因の食事を特定する方法も