風邪と違い感染力が高いので、インフルエンザにかかった可能性がある場合には、まわりにうつさないためにも検査で調べる必要がありますが、検査を受けるタイミングを間違ってしまうと正常に結果が出ないばかりか、余計な出費が増えてしまいます。
この記事では、インフルエンザの検査をするベストなタイミングについて、詳しく解説していきますので最後までご覧ください。
目次
インフルエンザの検査に最適なタイミングとは?
インフルエンザの検査に最適なタイミングは“インフルエンザが発症してから12時間後から48時間以内”です。
なぜかと言うと、インフルエンザの初期段階では、まだウイルスの数が少ないので検査で確実に検出することができず、仮に検査をして陰性(かかっていない)という結果になっても実際にはインフルエンザにかかっている場合があるため、ウイルスが検査に引っかかるまで増殖する12時間後が最も適切なタイミングと言えます。
インフルエンザがまわりで流行しているから、自分は症状がまだ出ていないけれど一応検査してみるというのはあまり意味がないので気をつけてください。
しかし、インフルエンザの症状は風邪と非常に似ているので、発症してから12時間後とピンポイントに言われてもなかなか難しいと思う方がほとんどだと思います。
そこで、具体的な目安としては、毎年インフルエンザが流行する12月から3月の間に、急激な発熱や全身のだるさが出た場合(風邪より症状が急に悪化するのがインフルエンザの特徴です)や、社内や学校など自分のまわりにかかっている人がいて、自分にも急な発熱などの症状が出た場合、インフルエンザが疑われるので、事前に病院に電話しそのことを伝え、お医者さんの指示のもとで検査を受けるといいでしょう。
48時間以内に検査する理由とは?
そして、もう1つの重要なことは、抗インフルエンザ薬がもっとも効果的なのは発症してから48時間以内ということです。
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスが増殖するのを抑える働きがあるのですが、インフルエンザウイルスが増殖するピークは発症してから48時間後になります。
抗インフルエンザ薬はあくまでも、ウイルスが増殖するのを防ぐものであり、すでに増えたウイルスを倒すことはできないため、ウイルスの増殖がピークを迎える前のできるだけ早い時期に飲んだ方が効果的です。
現在使われているインフルエンザの治療薬は、48時間以内に投与することで効果的に症状を抑えます。
インフルエンザのウイルスは、発症して48時間以内にもっとも増殖しますが、早いうちにインフルエンザとわかれば、治療薬(抗ウイルス薬)によってウイルスの増殖を抑えることができます。
ウイルスの増殖が少なければ、症状が軽くて済むだけでなく、ほかの人への感染も少なくとどめることができるのです。
引用元:日本臨床検査薬協会
ですから、インフルエンザの検査を受けるのにベストなタイミングは、検査でウイルスが検出される可能性が高い発症してから12時間後から、抗インフルエンザ薬が最も効果を発揮する、ウイルスが増殖するピークまでの48時間以内ということになります。
インフルエンザ検査のタイミングで注意するべきこと
インフルエンザの検査には保険が適用される場合とされない場合があります。検査できちんと判定ができるタイミングで使い、保険適用の範囲内でおさめないと余計にお金がかかってしまうのです。
保険が適用されるのはお医者さんが必要と判断した場合に限られ、ほとんどの場合、最初の1回目の検査のみとなります。
※地方自治体によっては独自のガイドラインを設けているところもあり、1度検査を受けて陽性とならなかった場合の再検査まで保険が適用されるところもありますので、事前にお住まいの地域の病院に確認しておいた方がいいですね。
インフルエンザが発症してから12時間経たないと検査で陰性と判断されてもまだ確実ではないため、安心して学校や職場などに復帰することはできないので再度検査する必要があります。
そうなると、最低でも2回検査を受ける必要があり、その分、病院にいく回数と費用がかかってしまうので、インフルエンザの検査の結果が正しく出る、発症してから12時間後に検査を受けることがベストです。
インフルエンザの発症というと難しいので、具体的には発熱の症状が出たら、その時間を覚えておくかメモしておくといいでしょう。
また、インフルエンザが流行する時期である12月から3月には病院が混み合う場合がありますので、早めにお近くの病院に電話をかけておき、症状を伝え、混み具合を確認しておくとスムーズに検査を受けることができますね。
最新の検査では6時間後に結果が出る
ただし、病院によっては最新の検査キットを導入しているところもあり、その場合は約6時間でインフルエンザにかかっているかどうか判定することが可能なので、お近くの病院がどの検査機器を導入しているのかを事前に確認しておくと、インフルエンザが流行した時に慌てることなく対応ができます。
インフルエンザの検査を受ける場合、発症から12~24時間を経過していないと「陰性」あるいは「偽陽性」になる事があると言われていますが、このキットでは6時間に短縮できます。
写真の現像技術を用いた高感度の試薬と専用の最新機器を使用してインフルエンザの検査を行っていますので、より精度よく正確な判断ができるようになっています。
引用元:せのお耳鼻科クリニック
検査結果が上手く出ずに再検査となると、保険の適用から外れて全額負担となってしまうばかりか、ただでさえつらいインフルエンザの症状が出ている中で、1回多く病院に行かなくてはならないので大変ですし、まわりの人にも移してしまう可能性もあるので、できるだけ検査で確実に判定ができるタイミングで受けることが望ましいですね。
実際に行われるインフルエンザの検査の手順
実際に病院でインフルエンザの検査を受ける場合の手順ですが、キットによって3パターンの方法があります。
まず、1つ目は鼻の奥に滅菌綿棒をゆっくりと挿入して、中の分泌物をとり検査する方法、2つ目は鼻の奥に細いチューブを挿入し、吸引ポンプで奥の分泌物を吸い出し検査する方法、3つ目が鼻をティッシュにかんで、その鼻水を調べてウイルスがいるかどうか調べるという方法です。
小さなお子さんなど、鼻の奥に異物が入るのを嫌がる場合は、鼻水から検査することもできるので、それほど負担にならずインフルエンザの検査を受けることができ、陽性か陰性の結果が出るまで15分から30分程度ですから、他の検査と比べると時間もかかりません。
もちろん、インフルエンザが発症してから12時間以上(最新の検査なら6時間)経たなければ、ウイルスがまだ少なく、十分な判定ができませんので、それ以降に検査をする必要があります。
インフルエンザが疑われる場合に注意すべきポイント
そして、インフルエンザが疑われる場合には、病院にいる他の患者さんにうつらないよう、必ずマスクを着用し、咳がひどい場合には待合スペースで座る席の間隔を少し開けておく気配りもあった方がいいですね。
また、事前に病院に電話で現在の症状や体温を知らせておいた方が、お医者さんも適切な対応をすることができますし、診察もスムーズにいくので待ち時間の短縮にもつながります。
お互いにとってメリットがあるので、電話で連絡してから病院で検査を受けるようにしてください。
参考:インフルエンザっぽい症状が子供に出た時の対処法と見分け方まとめ
まとめ
インフルエンザの検査に最適なタイミングは、インフルエンザが発症してから(発熱などの症状が出てから)12時間後となります。
※最新の検査機器では6時間ですので、インフルエンザが流行する12月前にお近くの病院に確認しておきましょう。
そして、抗インフルエンザ薬の効果が十分に発揮されるのは、インフルエンザウイルスが増殖のピークをむかえる48時間までですので、それまでに検査を受け、必要なら抗インフルエンザ薬を飲むことで早く完治することができるので、適切なタイミングで検査を受けてくださいね。
参考:インフルエンザ対策を全て網羅!予防から対処法までまとめ