インフルエンザの検査は発熱後すぐに受けても正しい検査結果が出ない場合があるので、注意が必要です。
しかし、せっかくお金を払って検査を受けるのですから、一度で正しい結果を出して早く終わらせたいと思いますよね。
この記事では、インフルエンザの検査を発熱後何時間で受けると正しい結果が出て、2度手間にならなくて済むのか、また、その理由についてくわしく説明していきますね。
目次
インフルエンザの検査は発熱後何時間経ってから受けるべきか?
インフルエンザの検査は発熱後12時間経ってから受けないと、正しい検査結果は出ません。
なぜかというと、インフルエンザの初期段階では体内にあるウイルスの数がまだ少ないので、実際にはインフルエンザにかかっているのに、検査では検出されず、結果が陰性と出てしまう場合があるからです。
インフルエンザウイルスが体内に侵入し、喉や鼻の粘膜にくっついて急激に増殖を始めると、急な発熱や、全身の倦怠感(けんたいかん;だるさのこと)が症状として出て、非常につらい状態になります。
しかし、現在の検査キットでは、一定の数のウイルスが体内にいないと陽性と判定することが困難なため、インフルエンザウイルスが急激に増殖を始める12時間後まで待つ必要があるのです。
インフルエンザと風邪は非常に症状が似ているため、自分では判断をすることは非常に危険で、病院の検査でも発熱後12時間経たなければ、どちらかを確実に判断することはできないということを覚えておきましょう。
※最新の検査では、6時間で陽性と陰性の判定ができる機器がありますが、すべての病院に導入されているわけではないので、事前にお近くの病院に確認しておくことを強くおすすめします。
インフルエンザ検査を受けた方がいい場合
逆に言えば、自分の身の回り(学校や職場など)ですでに流行している場合には、発熱の症状が出たら、念のため連絡を入れて休みをとり、12時間後に病院で検査を受けることが必要です。
もし、その状態で無理をして学校や職場に行っても、まわりの人に移してしまう可能性があるので、そこは冷静な判断をする必要があります。
インフルエンザは感染力が高く、主な感染源は、くしゃみや咳などで飛んだ体液を吸い込むことでうつる飛沫感染(ひまつかんせん)と、ウイルスの付いたドアノブやテーブルを触った手から口や鼻にウイルスが侵入する接触感染なので、あなたが無理をして行くことによって、大勢の人がいる場所にインフルエンザウイルスをばらまいてしまう危険がありますから、きちんとお医者さんの診察を受けることが大切なのです。
そして、インフルエンザが流行しやすい時期は毎年12月から3月ですから、その時期は特に気をつけて、体調を万全にしておくとインフルエンザにかからずにすむでしょう。
インフルエンザの検査が効果的なのは発熱後何時間まで?
次は、インフルエンザの検査を受けるメリットが大きい期間について説明致します。
インフルエンザの検査を受ける理由は、風邪かインフルエンザなのか診断を確定させて適切な処置をするためもありますが、もう1つの重要な理由は、抗インフルエンザ薬の使用によってインフルエンザウイルスの増殖を止めて、それ以上悪化させないことなのです。
インフルエンザウイルスは発症してから急激に増殖を始め、48時間後に一番大きなピーク(数が最も増える)をむかえます。
抗インフルエンザ薬で増殖を食い止めるには、一番ウイルスの数が多くなる48時間よりも前に服用を始める必要がありますので、発熱後48時間以内に検査を受けることで、ウイルスの増殖を防ぐことができるのです。
※インフルエンザウイルスは2日から3日で一番数が多くなり、その後は徐々に減っていきます。
もっと言うなら、インフルエンザの検査には15分から30分かかりますから、もう少し余裕をもってできるだけ早く検査は終えておいた方がいいでしょう。
48時間後の検査は無意味なの?
ただ、誤解してほしくないのは、48時間を超えたら検査は無意味なので受けなくてもいいということではないということです。
48時間を過ぎてもインフルエンザの疑いがある場合は、お医者さんからより適切な処置を受け、また、まわりの人にうつさないために必ず検査を受けて下さい。
自分では症状が収まって完治したと思っても、体内にまだウイルスが潜んでいて、他の人にうつしてしまう可能性はゼロではないからです。
ですから、インフルエンザの症状が収まっても勝手に自分で判断して、学校や会社にいくのは絶対にやめましょう。
きちんとお医者さんの診察を受けて、もう他の人に感染させる可能性がないとお墨付きをもらうまでは、自宅で安静にしていてくださいね。
抗インフルエンザ薬による効果の違いとは?
病院で処方される抗インフルエンザ薬には複数の種類があり、それぞれ効果や形状も違いますので、その点についても触れておこうと思います。
抗インフルエンザ薬というのは、インフルエンザウイルスの増殖をおさえることはできますが、ウイルスそのものを排除することはできないため、ウイルスの増殖がピークを迎える48時間以内に飲むことが重要です。
しかし、抗インフルエンザ薬には副作用もありますので、そのことを知らないと、インフルエンザの症状と勘違いして慌ててしまうことにもつながりかねません。
ですから、それぞれの抗インフルエンザ薬の副作用についても、きちんと知識を頭に入れておくことが必要なのです。
そこで、インフルエンザの治療に最もよく使われる「タミフル」と「リレンザ」について、薬の特徴と副作用について解説しておきますね。
タミフルについて
まず、一番有名なお薬であるタミフルですが、子供が服用する場合には注意が必要です。
現在、タミフルと子供の異常行動についての因果関係は証明されていませんが、もし服用する場合には、まわりの大人がしっかりと見守ってあげることが必要となります。
そして、副作用として下痢、腹痛の症状が出る可能性があることも頭に入れておきましょう。
タミフルRは、投与経路が内服(口から飲む)ということが特徴です。1日2回、5日間内服します。副作用としては消化器症状が特徴的であり、下痢や腹痛が起きます。小児では中枢神経症状が出る可能性があります。ただし、中枢神経症状が出なくてもインフルエンザ脳症が起こる可能性があります。タミフルRを飲んでいても飲んでいなくても、インフルエンザになった子どもは、注意してみてあげることが必須です。
引用元:メディカルノート
中枢神経とは、脳と、脳からつながっている脊髄(せきずい;背骨の中に存在している神経)のことで、この神経は体の様々な部分からの刺激を脳に伝える働きがあるため、正常に機能しなくなると、脳からの命令が手足に上手く伝わらず、手足のしびれや頭痛など色々な症状が現れるのですが、この総称を中枢神経症状と呼びます。
参考:タミフルの副作用に要注意!幼児や子供が気をつけるべきこと
リレンザについて
リレンザは、吸入するタイプの抗インフルエンザ薬ですので、水も必要ないので飲み薬よりも手軽に服用できる薬です。
ただし、肺炎や喘息(ぜんそく)など呼吸器系の疾患をお持ちの方は、服用する際に気をつけなければいけません。
もし服用する場合には、お医者さんと十分に話し合った上で服用するようにして下さい。
リレンザRは、吸入薬であることが大きな特徴です。1日2回、5日間吸入します。吸入薬であるため、気道の刺激作用がある可能性があります。呼吸器関連の基礎疾患がある場合には注意が必要で、肺炎合併症例で吸入の効果が期待できない場合には使用できません。
引用元:メディカルノート
この他にも、イナビルという抗インフルエンザ薬があり、こちらは長期間効果が持続しますが、吸入するタイプのため、呼吸器系の疾患がある場合には特に気をつけなければいけない薬です。
それぞれ、インフルエンザに効果がある一方で、気をつけなければいけない点もありますから、抗インフルエンザ薬を服用する際には必ずお医者さんにご自身の抱えている病気を説明して、適切な薬を処方して貰う必要があることも忘れないでください。
参考:インフルエンザが原因で肺炎になる可能性が!気をつけておきたい対処法は?
まとめ
インフルエンザの検査は発熱後12時間が経過した後に受けることで正しい検査結果が出るので、症状が重たく動くことが困難な場合には少しの間安静にし、その後お医者さんの指示をよく聞いてから検査を受けて下さい。
そして、抗インフルエンザ薬を服用する際には、持病がある場合にはお医者さんに相談することと、子供に服用させる場合には、特に注意が必要なので親御さんが目を離さないで見守ってあげる必要があります。
参考:インフルエンザにかかった時の発熱から解熱までの期間は?
参考:インフルエンザ対策を全て網羅!予防から対処法までまとめ