風邪や疲労などで急に発熱してしまったという経験は誰でもあるものです。
本来ならばゆっくりと体を休ませて体を回復させるべきですが、どうしても外せない用事があったり、仕事があったりで休めないこともあります。
そんなときにどうしたら一日でも早く熱が下がるのか、その方法を知っておきましょう。今回は早く熱を下げる方法をご紹介します。
目次
一晩で熱を下げる方法
風邪をひいたときに昼間は大丈夫だったのに夜になったら熱が出たということは多いですよね。
これは夜になって体力がなくなり、ウイルスに対する抵抗力がなくなっていることや夜になると体温が上がることなどが関係しています。
夜になって発熱してしまったとき、朝までに熱を下げるために試したい早く熱を下げる方法をまとめました。
体力を回復させる
夜になって発熱する原因の一つは体力がなくなっていることなので、いち早く回復させるのが大切です。そのために栄養ドリンクを利用しましょう。食欲がなくてもゼリーの栄養補給ドリンクなどを飲んでおけば、バテずにすみます。
また栄養ドリンクを飲むときには、できるだけ食後に飲むようにしましょう。
栄養ドリンクを飲んだら、すぐに布団に入ってゆっくりと休むようにすれば朝になって体力が回復するので熱も下がります。
寝るときにはウイルスの繁殖を防ぐためにも加湿器などを利用して部屋が乾燥しないようにしましょう。
参考:風邪の時に飲んでおきたい身体に効く栄養ドリンクと飲むタイミング
汗をかいたらすぐに服を着替える
熱が出るということは体がウイルスと戦っているということなので、体力を消耗しています。
そのため知らないうちにたくさんの汗をかいていることがあります。特に一人暮らしの方の場合、熱があるときに布団から出るのが面倒で、そのまま寝てしまうことが多いかもしれません。
汗をかいたままの服で寝てしまうと体を冷やす原因となるので、余計に風邪が悪化することがあります。汗をかいたらこまめに服を取り替えましょう。
昔から汗をかくとすぐに熱が下がると言われてきました。確かに熱が上がりきると汗が出て自然と楽になっていきますが、無理に汗をかこうとして体を温めすぎると脱水症状になることもあります。
体を温めることは大切ですが、無理せず自然に任せて汗をかくようにするといいでしょう。
水分を摂る
前述のように熱があるときには汗をかきます。体から水分がなくなってしまうと脱水症状に陥る危険性もありますので常に水分を布団のそばに用意してすぐに飲めるようにしておきましょう。
ただの水よりもビタミンCが入っているドリンクやスポーツドリンクなどがおすすめです。水分とともに塩分や不足しがちな栄養素を補うことができるので早く熱が下がります。
薬を活用する
どうしても熱を下げなければならない理由がある場合には薬を使うのも効果的です。
解熱剤は薬局ですぐに手に入ります。飲み薬よりも座薬の方が直接粘膜から必要な成分を摂取することができるので効果が早いと言われていますが、薬を買う時には必ず薬剤師さんに相談して買うようにしましょう。
熱があるときに食べたい食べ物
熱があるときには食欲もなく普通に食事ができないものです。そんなときには水分補給ができるようにトマトやきゅうりなどの野菜を食べるのがおすすめです。
そのほかにもりんごなどのビタミンが入っている果物も食べることで栄養を摂取できます。
体を温めるためにはくず湯やしょうが湯などを飲むのも体に良いので合わせて摂り入れるようにしましょう。
参考:風邪をひいたらうどんを食べるべき?風邪の時のうどんが良い理由
本当は熱を下げてはいけない理由
どうしてもやらなければならない仕事や用事がある場合を除けば、本来は風邪をひいた時にはゆっくりと休むのが一番です。
なぜなら無理に熱を下げると風邪が悪化してしまったり、長引いてしまったりするからです。
それには風邪の時に熱が出る理由と熱を下げてはいけない理由を知りましょう!
風邪の時に熱が出る原因
まず風邪をひいた時に熱が出るのは風邪のウイルスによるものではありません。
風邪でウイルスが体内に入った時には、体が異物を外に出すためにくしゃみや咳などをして対応します。それでも体の中に入ってしまったウイルスとは免疫細胞をたくさん出して戦うことになるのです。
この免疫細胞が発熱を促す物質を出しているのでこれが風邪の時に熱が出る原因となります。
風邪の時に熱が出るのは風邪が悪化しているということではなくむしろ治そうとしている途中であるということです。
熱には免疫機能を改善させたり、免疫の効果を高める役割があり、侵入してしまったウイルスを弱体化させたり、死滅させたりする機能もあるので、風邪の時に発熱するということは体が正常な証拠なんです。
風邪を治す薬はない
一般的に販売されている風邪薬はどれも風邪のウイルスに対抗するものではありません。
実は今のところ風邪のウイルスを撃退するための薬はないのです。風邪をひいたら体の免疫力を高めてなるべく重症化しないように、早く治るようにするしかありません。
そのため風邪薬はそれを手助けして症状を抑えることが目的に作られています。
熱が出た時に解熱剤をすぐに飲む人もいるかもしれませんが、解熱剤を飲んで熱が下がったからといって風邪の症状全てが治るわけではないことを理解しておくことが大切です。
解熱剤と風邪の仕組み
解熱剤は19世紀ごろに開発された薬で、白血球から出される発熱物質の働きを制限することで体温を強制的に下げるようにできています。
そのため熱がある時にはすぐに上がるのですが、風邪の時にはその発熱成分が風邪のウイルスと戦っているのです。
まさに戦いの最中という時に発熱物質の働きをと抑制してしまうとウイルスに負けてしまい、ウイルスは活発に動いているのに体の免疫能力を弱めてしまうと風邪が悪化する原因ともなります。
統計的にも解熱剤を服用すると病気が長引くと実証されています。解熱剤を使って熱が一時的に下がったとしてもそれはあくまでも気休めであり、実際には風邪を長引かせてしまう、あるいは重症化させてしまうこともあるので気をつけてください。
参考:風邪のひきはじめに葛根湯!気をつけたい重大な副作用まとめ
熱が出た時の正しい過ごし方
熱が出ても、無理に下げようとするのは良くないことはもうわかりましたよね。
大人になるとどうしてもすぐに熱を下げなければならない事情もあるかもしれません。ですが、できるならばしっかり休んで正しく熱を下げるようにしたいです。
熱が出た時にはどのように過ごすのが体に良いのか、また早く治るきっかけになるのかをご紹介します。
熱があるときの食事
熱がある時にはあまりこってりしたものは食べられませんし、料理を作るのも億劫になります。
そんな時には果物やゼリー状の栄養ドリンクなどで栄養を補うといいでしょう。食欲がないときでもリンゴやゼリーくらいなら食べることができます。
まずは体を休めることを最優先にできる限りで食事をするのがおすすめです。
食欲がある時にはうどんやおかゆなど消化に良くて温かいものを食べましょう。体はウイルスとの戦いで疲れているので、できるだけ消化の良いものを食べてください。
更にねぎやしょうがには体を温める効果があるので、加えて食べると風邪の治りが早くなります。
熱があるときの過ごし方
体がだるくて寒気がする、そんな症状は熱が出る兆候です。
家にいる時にそうなったらすぐに体を温めて布団に入ってゆっくりと休みましょう。もし外にいたりして休めない状況であれば首と手首、足首を温めるのが効果的です。
熱が出ている時はウイルスと体が戦っている真っ最中なので、安静にしてスポーツドリンクなどで水分をしっかり摂取します。
汗をかいてきたら体が冷えるのを防ぐために衣類を取り替えて温かいタオルで体を拭くようにしましょう。
熱がある時には避けたいこと
熱がある時にはお酒やタバコなどの刺激物は避けるようにしましょう。
食事は無理のない範囲が一番です。無理に栄養をつけようとしてたくさん食べると消化不良を起こすこともあります。
微熱程度であればお風呂に入っても大丈夫ですが、高熱が出ている時にはお風呂は避けて、タオルで体を拭く程度にするのがおすすめです。
熱が下がった後の過ごし方
熱が下がったら風邪が治ったかというとそうでもありません。
体はウイルスと戦った後で疲れていますから、なるべく安静に過ごすことを心がけましょう。
仕事や学校など休めないことはあるかもしれませんが、なるべく激しい運動などを避けます。熱は前述のように朝や昼間よりも夜の方が出やすい傾向がありますので、昼間は下がっていても夜になったらまた熱が上がることもあります。
あまりにも長引くようであれば病院に行って診断を受けましょう。風邪以外の違った病気の可能性があります。
風邪をひかないように過ごす
風邪をひいてしまったらウイルスを早く退治するようにするしかありませんが、なるべくなら風邪をひかないで過ごしたいものです。
そのためには体の免疫力を高めておくことが一番です。
バランスのとれた食事を心がけて、ビタミンなども積極的に摂取しましょう。デスクワークで体を動かすことがないという人は適度に体を動かすと免疫力が上がります。
ウォーキングや軽い筋トレなどの習慣をつけてみましょう。免疫力が上がれば風邪をひくことも少なくなりますよ。
まとめ
風邪で熱が出てしまった時、すぐにでも熱を下げたいならばゆっくりと休んで栄養ドリンクなどを飲み、水分を摂るのがおすすめです。
熱を下げる方法としては解熱剤を飲むというてもありますが、解熱剤を飲んでも風邪が治るわけではありません。逆に長引かせることもありますので熱が出た時にはできるだけ安静にして自然に下がるのを待ちましょう。
風邪をひいて熱が出ている時には体に優しいものを食べて、ゆっくり寝るのが一番です熱が下がっても無理せず激しい運動などはしばらく避けます。
熱が出るというのは風邪を治そうとする体の正常な働き。体が休むように促しているのだと思ってどうしても外せない用事がない限りは家で落ち着いて過ごしましょう。