喘息の発作が出てしまったら、それこそ死を意識する程に苦しくて恐怖を感じますよね。
しかも厄介な事に喘息の発作はいつどこで起きるか予測がつきません。いつも頓服薬や吸入器を持っていればいいのですが、たまたま持っていない時もあるでしょう。
今回はそんな死の恐怖すら感じる喘息の発作が起きた時、もしも頓服薬も吸入器も持っていない場合はどうしたら良いのか紹介していきます。喘息で苦しんでいる人や、喘息を抱えた子供をお持ちの人にも役に立つと思いますよ!
目次
喘息の発作が出た時の対処法は?頓服薬がない場合はどうするのか
早速対処法を見ていきましょう。喘息の人は、必ずかかりつけ医を見つけるように言われて、症状が出始めたら必ず一日二回吸入する吸入薬と、喘息の発作が起きた時用の吸入薬を処方されます。
しかし、運悪く貰う前に発作が出てしまったり、薬を持っていない時に発作が起きたらどうしたらいいのでしょうか?下記の方法が挙げられます。
- ステロイド入り軟膏を煮てその湯気を吸入する
- 枕を高くして気道を確保する
- 温かい飲み物を飲む
- 腹式呼吸を意識する
喘息は素人にどうこうできる問題ではありませんから、まず大前提に発作が始まったらすぐに救急車を呼ぶ、または病院へと搬送する事は大切です。
その間の繋ぎの応急処置としての効果しか持たない事をしっかりと把握していてください。また、精神論を語る人も居ますが、喘息は発作が起これば命の危機と言っても過言ではありません。
とてもじゃないですが、精神的な問題で片付くものではありません。必ず病院に行ってください。
ステロイド入り軟膏を煮てその湯気を吸引する
手首を痛めて炎症止めの軟膏を処方されたり、薬局で買い求めた事はありませんか?そのステロイドが含まれた軟膏をお湯で煮詰め、その湯気を吸えば気管を少しだけ広げる事が出来ます。
喘息の吸入薬には同じ様にステロイドが含まれています。
そのステロイドが気管を広げてくれるので、薬が手元になく苦しくなってしまった場合はステロイドを煮詰めた湯気を吸って少し楽になった所ですぐに病院へと行きましょう。
枕を高くして気道を確保する
次に効果があると言われているのが、体勢を変える事です。応急救護の際にも、最初に行うのは気道の確保ですよね。気道確保の為に、枕を高くして上半身だけを少し起き上がらせると気道が確保されて、少しだけ息が楽になるそうです。
イメージとしては、座布団を2~3枚曲げて45℃程度の傾斜を作るといいでしょう。
しかし、息が一時的に楽になるだけで、根本的に発作で狭まった気管が広がる訳ではありません。車で病院へ行く又は救急車が来るまでの繋ぎ程度の効果しか期待は出来ませんから、必ず病院へ行く事が求められます。
温かい飲み物を飲む
温かい飲み物を飲むのも、喘息の発作には効果的に働いてくれます。
温かい飲み物は気管を温めて広げてくれますし、痰を出しやすくする効果も担ってくれます。温かい飲み物が用意できない場合は、水や果汁などでも構いません。水分を補給し、痰が詰まらないように気を配るようにしましょう。
温かい飲み物を飲む場合ですが、喘息の発作が起きている時に息を吹きかけて冷ます余裕なんてありませんよね。目安としては、温いと思う35℃~38℃の人肌程度の物ならば飲みやすいと思います。
苦しいからと一気飲みをしてしまうと、今度は肺に入り込んで肺炎を起こす可能性もあるので、焦らずにゆっくりと飲むようにしましょう。勿論飲み物で気管が回復する事はほとんどないので、楽になったらすぐに病院へと行きましょう。
腹式呼吸を意識する
呼吸の仕方でも楽になる方法はあります。腹式呼吸をすると、呼吸が少しだけ楽になります。発作を予感したらすぐに腹式呼吸に切り替えて、救急車を呼ぶ又は病院へと駆け込みましょう。
子どもなんかは腹式呼吸と突然言っても、苦しさも手伝ってなかなか出来ないでしょう。普段から腹式呼吸を練習させて、どこでも出来るようにしておく事が必要です。
そして、「息苦しくなったら、お腹で息をしてね」と本人にも伝え、保育園や学校の先生にも腹式呼吸をさせるように声掛けをお願いしておくと安心です。
喘息の発作の症状
今度は喘息の発作の症状に焦点を当ててみます。喘息の発作と言われても、喘息を持たない人や今まで喘息の発作を見た事がない人はぴんと来ないでしょう。喘息の発作は激しくせき込むだけではありません。
- 呼吸をする際に「ひゅー、ひゅー」や、「ぜー、ぜー」など明らかに普通の呼吸音じゃない音が混ざる
- 運動をした後に突然息苦しくなってくる
- 激しくせき込む
上記の症状が見られたら、喘息の発作である可能性が非常に高いです。ま
た、喘息は空気が冷たくなる冬場に起こりやすく、体が弱っている時にも起こりやすいと言われています。喘息を持っている人は、冬場には必ず薬を持つなど対策をしておく必要があります。
喘息の原因
喘息は生まれつきだというイメージが強くないでしょうか?
実は生まれつきではない喘息の人も、現代では徐々に増えつつあるのです。原因として考えられているのが、以下の物です。
- アレルゲン物質によるもの(ダニ、花粉、食べ物、動物など)
- たばこ
- 大気汚染
- アスピリン
今までは全然平気だったのに、ある日突然息苦しくなって咳が止まらず病院に行ったら喘息を診断されてしまった人もいる事でしょう。何故喘息が引き起こされてしまうのか、原因を一つ一つ詳しく見ていきましょう。
アレルゲン物質によるもの
上記でも言いましたが、今まで全く問題なかった筈のアレルゲン物質が、年を取って体が変化していく中で突然反応を起こすようになってしまう事もあります。アレルゲン物質を体(気管)に取り入れてしまう事で炎症が起き、気管が狭まってしまうのです。
アレルゲン物質に何も心当たりがないのに、ある日突然猫に近付いたら咳が止まらなくなったなどの症状が見られた場合は、すぐに血液検査に行ってアレルゲン物質を判明させましょう。
参考:アレルギーの検査費用や方法は何がある?保険適用できる?
たばこ
禁煙思考が高まり、現在は喫煙スペースを探すのも一苦労するようになってしまったたばこですが、このたばこはガンを引き起こしやすいだけではなく、喘息を引き起こす恐れもある恐ろしい物だったのです。
今まで喘息などとは無縁だった人が大人になってたばこを吸い始め、その影響で気管が炎症を起こして喘息を引き起こしてしまっているのです。
たばこは手軽にリラックスでき、時間を潰すには丁度良い物ですが、なるべくならば吸わない方がいいですね。
大気汚染
現代でもこの大気汚染問題は重大な環境課題として取り上げられています。
PM2.5や、現在は随分と改善されはしましたが、やはり多少は影響を出している工業地帯や車の排気ガスなど、喘息の原因となる大気汚染は私達の生活の身近な所に広がっているのです。
環境が変わって、突然工業地帯近くに引っ越した事で喘息を発症したという人もいる程、人間の体は空気に敏感に出来ています。
もしも、工業地帯近くに引っ越して喘息を発症したという人がいる場合、その原因であるガスを避ける為にも早急に引っ越しを行った方がいいかもしれません。いくら住んでいても、一度喘息を発症してしまうと、その空気に慣れる事はこの先ないと考えられるからです。
アスピリン
一時期大問題となった、アスピリン喘息。風邪薬などに含まれる物質であるアスピリンを摂取した事によって、喘息が引き起こされてしまうのです。このアスピリン喘息には体質があるので、気を付けなければいけません。
もしも風邪薬を飲んで何故か咳が出てきてしまった場合は、すぐに病院へと行き、アスピリンを摂取した後に咳が出始めた事を医師に伝えましょう。
参考:喘息にタバコは絶対にNG!吸ってはいけないこれだけの理由
まとめ
喘息は生まれ持った体質のみで起こる病気ではない事が、今回の記事で分かってもらえたと思います。
また、喘息を持った人は一度発作が起きてしまうと、周りの手助けがないと対処が出来ません。喘息の発作かもしれないと感じたら、すぐに紹介した方法を取って病院へと連絡をつけて搬送してあげてくださいね。
今は喘息がないとしても、自分には関係のない事だと思うのではなく、誰にでも喘息は起こりうる事なのだと考えておく事が必要です。