インフルエンザの予防接種を受けたことがある人はいますか?学校や会社などで、義務的にうけさせている場合もありますよね。
それは、インフルエンザの脅威から、人々を守るためです。インフルエンザは人から人へ感染すると言います。
学校などのたくさん人が集まる場所では、
「予防接種をして、一人も感染しなければいいんだ!そうすれば感染は広がらない!」
という考えが浮かびます。そして、生徒や社員に、予防接種を受けさせるわけです。しかし、「予防接種とはどんなものなのか?!」ちゃんと知らずに受けるのは怖いと思ったことはありませんか?
「予防接種をしたら、どうなるの?」
「予防接種した後に、発熱したんだけど・・・」
「予防接種が原因で、もっと大変な症状が出たら・・・」
こんな不安があってもおかしくありませんよね。そこで、インフルエンザの予防接種とその副反応について、お話しします。
目次
インフルエンザの予防接種によるワクチンで副反応がある?!
予防接種をしたあとに、注射針をさした位置のまわりが赤く腫れたことはありませんか?
これは、一般的に副反応と呼ばれるものです。インフルエンザの予防接種では、インフルエンザのために特別につくられた「ワクチン」を注射します。このワクチンは、簡単に言ってしまうと人工的にインフルエンザウイルスを増殖させ、さらに人工的な処理をしてつくられたものです。
この人工インフルエンザウイルスを注射して人工的にインフルエンザに感染させ、人工的にインフルエンザと戦えるもの(抗体といいます)をつくることが、予防接種なのです。
だからこそ、インフルエンザにかかったことがない場合は、体がウイルスをやっつけようとして戦うので、あんなに赤く腫れるのです。腫れたところが痛かったり、かゆかったりすることもあります。でもそれは、あなたの体を守ろうとしている証拠なことなんですね。
副反応で、インフルエンザ感染?!
「予防接種したのに、熱が出た・・・。これはインフルエンザにかかったんじゃないの?」
と、思っている人はいませんか?たしかに、副反応として、5~10%は発熱があると言われています。
ただ、副反応による発熱状況は、37~38.3℃なんです。これは「副反応だ!」と言えるほどの重症度ではないのです。
また、予防接種には、「不活化ワクチン」と呼ばれるワクチンを使用します。このワクチンには、インフルエンザウイルスの機能やエネルギーを失わせて、人が抗体をつくるために必要な成分だけを取り出して、病原性をなくすという処理がされています。
予防接種によってインフルエンザに感染するということはありません。これは覚えておきましょう!
赤く腫れるだけじゃない?!
そのほかにも、5~10%ほどですが、
- 発熱
- 寒気
- 頭痛
- 嘔吐
- 下痢
- 倦怠感
などの症状が出ることがあります。このような症状は、2~3日でおさまる副反応です。しかし、本当にめずらしいケースですが、
- ぜんそくの症状が出る
呼吸がこんなんになり、歩くことや話すことが難しくなることがあります。全身の酸素が足りなくなり、唇や爪が青くなることもあります。
- 肝臓機能がうまく働かなくなる
放っておくと、肝炎や肝臓がんなどの病気になってしまうこともあります。「黄だん」という、皮膚や白目の部分が黄色っぽくなる症状も現れます。
- アナフィラキシーショック
アレルギーの原因となる物質に対し、強い反応が起こり、全身にアレルギー反応が起こります。血圧が低下して、短時間で命に係わる危険が起こることがあります。このような強い副反応が、まれに出ることも確認されています。
知らなかった!インフルエンザの予防接種とはこんなもの!
「予防接種」と聞いて、どんな印象を受けるでしょうか。
「絶対に病気にかからない」ということと考えている人もいつつかもしれませんね。ところが、皆さんの期待通り、という訳にもいかないのです。それはどういうことか、まずお話しします。
インフルエンザワクチンとは
インフルエンザの予防接種では、インフルエンザワクチンを、少量体内へ入れ、強制的にインフルエンザに対抗することが出来る、抗体をつくらせます。
抗体は、体の中に一度できてしまえば、もう二度とその病気にはかからないと言われる、すごい物なんですよ!ワクチンは、どんな風に働くのか、見てみましょう。
感染から発症までは日常で簡単に起こる
普通は、インフルエンザにかかると、感染と発症が、起こります。
想像してみてください。インフルエンザウイルスは、空中に何万個も飛んでいるものです。触ろうと思わなくても、勝手に手や腕や、あちこちについてしまします。そんなある日、
家に帰ってきて、うっかり手を洗わずに、おやつを食べてしまった!
↓ ↓
手についていたインフルエンザウイルスが、口の中に入ってくる
↓ ↓
ウイルスは、体の中で、増殖していく
これだけでインフルエンザに感染してしまいました。感染は、体についていたウイルスが体内に入って、増殖していくことです。
そして次の日、『手を洗わずに、おやつを食べちゃったけど何も起こらない!全然だいじょうぶ!』
これがインフルエンザの怖さ。感染したかもしれないのに、しばらく症状が出ないのです。この時期を「潜伏期間」と言います。
その次の日、
『熱が出てきたみたい・・・体もだるいな』
『うわっ!38℃もある・・・!』
これが、インフルエンザの発症です。はたして、ワクチンは、いつ効き目が出るのでしょうか。
参考:タミフルの副作用に要注意!幼児や子供が気をつけるべきこと
ワクチンの効果が出るのは?
予防という言葉を聞くと、感染する前に効果があるという印象がありませんか?
しかし、インフルエンザワクチンの効き目は、感染させないということではないのです。
「それじゃあ予防接種なんて意味がない」
とは思わないでくださいね。インフルエンザのワクチンは、感染した後の発症を抑えるという効果があるのです。
考えてみてください。インフルエンザに感染しても、身体に苦しみや痛みは感じないと思いませんか?ウイルスが体内に入ってきただけで、「痛い、苦しい」とはなりませんよね。気づかないうちに、感染しているものです。
でも、発症してしまったらどうでしょう?毎日高熱にうなされ、体もだるく、場合によっては吐き気。苦しいですよね。この苦しみを味わうことがないように、私たちを守ってくれるのがインフルエンザワクチンなのです!
予防接種にかかる時間は、ほんの数秒・数分です。そんな短い時間で、インフルエンザ発症を防げるなんて、すごいことだと思いませんか?感染してしまっても、症状が出なければ、いつも通りに生活できますよね。ワクチンは、救世主なのです。
参考:今年もインフルエンザの時期が!気をつけるべき流行時期は?
まとめ
副反応の話を聞くと、怖い感じがしますよね。でも、どんな薬やワクチンにも、多かれ少なかれ副反応はあります。
とはいえ、命に関わるような副反応は、ほとんどありません。これは安心して良いのではないでしょうか。どうしても心配なときは、病院で相談するのも良いと思います。
また、注射が苦手な人は、いくつになってもいるものです。予防接種で注射するのも、出来れば避けたい、と思う人もいるはずですね。注射嫌いさんだけでなく、予防接種をしようと思っている人にも言えること。
何より以上に大切なことは、日ごろから、インフルエンザに負けない強い身体をつくれるよう、免疫力をアップすること。そのためには、規則正しい生活をすること。これが、副反応なしで予防接種以上の効果を発揮する予防法なのです!
参考:インフルエンザの感染経路は空気感染?飛沫感染との違いは?
参考:インフルエンザ対策を全て網羅!予防から対処法までまとめ