テレビのCMで有名なウコンの力ですが、実際にどれくらいの効果があるのでしょうか?
二日酔いしないというイメージが強いですが、飲んでもあまり効かなかったという声もあり、人によって評価が様々なのも気になるところです。
また、ウコンの力に含まれる「ウコン」はどのようなもので、身体にどのような効能があるのかはあまり知られていませんね。
今回はウコンの力とウコンについて詳しく解説していこうと思います。
目次
ウコンの力で実際に二日酔いは防げるのか?
ウコンの力に含まれる肝臓の働きをうながすとされるクルクミンは水に溶けにくく、体に吸収されにくいため、ウコンの力だけで酔いや二日酔いを防ぐのは無理です。
まず、ウコンの力は医薬品や特定保健用食品ではなく清涼飲料水なので、薬のような効果は保証されていません。※お店で売られているジュースはほとんど清涼飲料水です
また、他にも裏の成分表示(原材料名)をみると、このようになっています。
果糖ぶどう糖液糖、秋ウコンエキス、食塩/酸味料、増粘多糖類、ウコン色素、香料、甘味料(アセスルファムK、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、ソーマチン)、イノシトール、ナイアシン、環状オリゴ糖、ビタミンB6、ビタミンB1、ビタミンB2、乳化剤
引用元・ハウスウェルネスフーズ株式会社
実は、原材料名の表示には厚生労働省が定めたルールで、入っている量が多い順番に記載しなければいけないことになっているので、ウコンの力に一番多く含まれているのは、「果糖ぶどう糖液糖」という糖分ということになるのです。
JAS法に基づく加工食品品質表示基準(以下、「加工品表」という。)により、原材料名は、使用した原材料を全て重量順に表示するのが原則。
引用元・厚生労働省・表示方法について
ウコンの力は容器も小さいサイズ(100ml)ですので、糖分が多く入っていることで飲みやすくなっている分、残念ながら、飲み物として見るとウコンがたっぷり入っているというわけではありませんね。
肝心のクルクミンは吸収率が低い
もうひとつウコンの力が売りにしているウコンに含まれる成分である「クルクミン」というポリフェノールの一種は大変体にいいのですが、水に溶けにくく体への吸収率も低いのです。
クルクミンは脂溶性の成分であるため、水に溶けにくく、そのまま摂取しても体内への吸収率はあまり高くないといわれています。
引用元・わかさの秘密
ウコンの力の容器が透明ではなく、アルミ容器なのはクルクミンの変色を抑えるためでしょう。
クルクミンには、肝臓を強くする働きがありますので継続して飲むと健康にはいいですが、あくまでも清涼飲料水なので、アルコールを飲む前に飲むことで、すぐに肝臓が活発に働いてアルコールを分解するようになる…とまでは効果は高くはありません。
クルクミンの効果はこのようになっています。
クルクミンには、胆汁の分泌を促し、肝臓の機能を向上させる作用や、胃の健康を維持する作用があります。
引用元・わかさの秘密
さらに、クルクミンには肝臓の働きを活発にする働きがありますが、アルコールを分解するのにはビタミンCが大量に消費されてしまうので、二日酔いを予防するにはビタミンCの摂取が不可欠です。
しかし、ウコンの力には含まれていないので、ウコンの力を飲んだからといって大量にお酒を飲んでしまうと、肝臓に負担がかかり病気になるおそれもあるので注意が必要となります。
ということで、ウコンの力で二日酔いを予防することはできませんが、飲むのであれば、よく振って缶の底にまで飲むことで少しはクルクミンの効果が(摂取量が増えて)高まるのではないでしょうか。
参考:二日酔いが原因で熱が出ることも!?二日酔い以外の病気の可能性は?
ウコンの力に入っているウコンの効能とは?
ウコンを飲むことによって肝臓の働きを活性化する他、糖尿病や高血圧の改善にも役立ちます。
ウコンにも種類があるので代表的なものをご紹介しますね。
一番メジャーなのがカレーにも使われている黄色い秋ウコン(秋に収穫されます)で、別名ターメリックとも呼ばれており、香辛料や着色料としても使われているのでお馴染みのものとなります。
クルクミンという成分がウコンの中でも多く含まれており、肝臓を丈夫にする効果があるため、二日酔いや肝臓病の予防として飲まれることが多いです。
また、春に収穫される春ウコンというものもあります。秋ウコンよりも淡い黄色で、クルクミンが含まれる量はごくわずかですが、精油の成分が多く含まれており、血圧、血糖値を下げる効果があるので、タブレットに使われていることも多いです。
そして、別名ガジュツと言われる紫ウコンは色々な精油成分が豊富に含まれており、血圧、血糖値を下げる効果から、メラニンを抑制する肌への美白など、様々な効果があります。
ちなみに、ウコンは全てショウガ科に属していますが、秋ウコン、春ウコン、紫ウコンはそれぞれ別の植物です。
ウコンの力に配合されているのは、秋ウコンでウコンの中でも一番クルクミンの含有量が多いので、肝臓病の予防効果が高いのと、他にも嬉しい効能があります。
また、秋ウコンは糖尿病にも効果があると言われています。
糖尿病の合併症うち、特に血管障害を考えた場合、秋ウコンの利用を試みる価値は大いにあるでしょう。秋ウコンは肝臓機能を助け、血液をサラサラにする効果がありますから、糖尿病でもろくなった血管への負担を軽減します。
同時に血液サラサラの観点から見ると、高血圧にも効果があるといえるでしょう。高血圧は、「静かな殺し屋」との異名を持ち、WHO(世界保健機構)の基準から見ると、日本人の4~5人に1人は高血圧といわれるほどです。
引用元・ウコン専門【くぅ】うこんの通販
高血圧の予防に飲むのであれば、ドリンクタイプよりも少し飲みづらいですが、粉末タイプや錠剤タイプのウコンを多く含むもの、さらに原産地や栽培方法がはっきりわかるものを選ぶと、より質の良い物を手に入れることができます。
安価なタブレットやドリンク剤に注意
添加物などの余計なものが入っていると、毎日飲むには健康を害するおそれがあるため、なるべく無添加のものを選びましょう。
別にウコンの力に限ったことではなく、市販されているドリンク剤は美味しくないと売れないので、味を重視する傾向があり本来の有効成分が少なくなってしまうことも多いですし、タブレットなどでも大切なのは”入っている量ではなく体に吸収される量”ですから、配合されている量が多くても体外へ出てしまっては意味がないので気をつけて下さい。
現在は、体に吸収しやすく加工された”高吸収クルクミン”というものも販売されていますので、利用することによって効率的にクルクミンを体内へ摂取することができます。
あと、悪酔いや二日酔いしないというイメージの強いドリンクや、タブレットを飲むと気持ちが大きくなって沢山アルコールを飲んでしまいがちです。
しかし、本来肝臓の働きは、毎日の生活習慣によって保たれるもので、その日の体調によっても違いますから、飲酒の前にドリンクを飲んだからといって、劇的な効果は期待できないので、あくまでもアルコールは節度を持って飲むことをおすすめします。
参考:ヘパリーゼは飲むタイミングで効果が変わる!気をつけたい副作用も
ウコンを飲んではいけない人とは?
肝臓に異常がある人はウコンを飲むことによって悪化させてしまうので、ウコンを飲むことができません。
ウコンは健康な人なら適切な量を飲む分には健康にいい成分ですが、肝臓に異常がある場合は飲んでしまうと、体に悪影響が出てしまうので注意が必要です。
ウコンは、アルコールの分解を促進する「解毒効果」があるため、昔から肝臓に良い食品として知られています。
しかし、C型肝炎の患者にとって問題になるのが、ウコンには多くの鉄分が含まれているということです。C型肝炎の人が、ウコンを長期間、大量に摂取することはすすめられません。
引用元・山口県肝疾患診療連携拠点病院 山口大学医学部附属病院 肝疾患センター
C型肝炎や肝臓に疾患がある方は、ウコンに入っている鉄分によってさらに症状を悪化させてしまう危険があります。
他にも、レバーやほうれん草、意外なところではこんにゃくも鉄分を多く含むため、C型肝炎や脂肪肝の方は、鉄分を多く含む食品も摂りすぎないようにしましょう。
また、肝臓は酷くなるまで症状が出にくい場所ですが、悪化すると胃もたれや、皮膚、目などが黄色くなる黄疸(おうだん)という症状が出ますので、特に皮膚が黄色くなってきた場合にはすぐに病院で検査を受けてください。
ウコンの摂りすぎにも注意
ウコンの摂りすぎで肝臓が悪くなることもあるので、あくまでも適切な量を摂ることが大切です。
健康な人でもウコンに含まれる鉄分を過剰に摂取することで、肝臓に負担をかけてしまうので、サプリメントなどで摂取する際は、説明書に書かれている容量を守って摂りましょう。
ウコンの力も清涼飲料水ですが、鉄分や糖分が入っているため飲み過ぎると健康によくありません。なんでも摂りすぎはよくないということですね。
参考:本当に怖い!急性アルコール中毒で気をつけたい後遺症と対処法
まとめ
ウコンの力だけでは酔いや二日酔いを防ぐことができないので、あまりアルコールを飲み過ぎないようにしましょう。
ウコンに含まれるクルクミンには肝臓を丈夫にする働きがありますが、大量に飲むとウコンに含まれる鉄分によって体に悪影響を与えてしまうので適量を心がけて下さい。
脂肪肝やC型肝炎の方は、ウコンを摂ることが病状を悪化させてしまうので、ウコンや鉄分を多く含む食品を控えましょう。
参考:周りが急性アルコール中毒になった時の症状や対処法まとめ