赤ちゃんの耳掃除ってただでさえ大変ですよね。じっとしていないし間違って鼓膜を突いてしまったらどうしよう。。。
なんて心配をしながら恐る恐る耳掃除をすると、ビックリ!耳垢が真っ黒!
何かの病気かと不安になってしまう方も多いはずです。この黒い塊がいったい何なのか、また赤ちゃんの耳垢についても徹底解説致します!
目次
赤ちゃんの黒い耳垢の正体は?そもそも耳垢って何?
生まれたばかりの赤ちゃんから耳垢が出てくることに驚いてしまいそうですが、生きて行くなかで耳垢が生じるのは当たり前、生きている証なのです。
黒く変色した耳垢の正体はいったい何なのか、そもそも耳垢とは何なのかを説明します。
黒い耳垢の正体
色が黒い耳垢の正体は、実はお母さんのお腹の中にいた証です。
赤ちゃんは子宮の中で生きている際、周りはお母さんの羊水にあふれています。それが耳の穴に入るのも不思議ではないですよね。その羊水が生まれてきてから耳の中で固まったものが、黒い塊となって現れるのです。
赤ちゃんを守ってきた羊水が耳から出てくるなんて、神秘的ですよね。病気を心配されるお母さんもいらっしゃいますが、まったく心配はいりません。
そもそも耳垢とは何か
耳垢とは耳の中の皮膚が新陳代謝によってはがれ落ちた皮膚片、耳の中に入った埃などの異物、そして耳の中に張り巡らされている「耳垢製造機」である耳垢腺からの分泌物とが混ざり合ってできた代謝物です。耳垢にもきちんとした役割があり、その主なものが
- 耳垢に含まれる脂肪分により耳の中に膜を張るバリア機能
- タンパク質を分解する殺菌作用
などがあります。すなわち見た目が汚いとか、気になるからといって安易に除去する必要はないのです。
また、生まれたての赤ちゃんは新陳代謝が活発ですから、この耳垢が豊富にできてしまっても仕方の無いことです。
病気の可能性も?耳垢の色や臭いで判断できること
説明したように、赤ちゃんに耳垢が頻繁にできてしまうことは生きている上で不思議ではないですが、その色や臭いによっては病気を疑うことも。
ほとんどの場合が問題ないですが、以下に記すような耳垢が気になったときは要注意してください!
黄色や茶色の耳垢
もっとも一般的な赤ちゃんの耳垢の色が、黄色や茶色です。
ただし赤ちゃんの場合新陳代謝が活発であるだけに、びっくりするような大きな耳垢の塊が出てくることもあります。耳の中の方で見つけてしまうと耳かきを駆使して取り出したくなりますが、自然と出てくるのを待ちましょう。
大きな塊で耳が聞こえにくくなってしまうのでは?という心配も無用です。大人と同じく、赤ちゃんの耳垢も新陳代謝の一環できちんと外にでてきます。
湿った耳垢が少量出る
大人でも耳垢の種類として乾燥した耳垢(粉耳)と湿った耳垢(飴耳)とが存在します。
しかし、赤ちゃんの耳垢は湿っていることが多いとのこと。その理由として考えられるのは、赤ちゃんは肌の水分量が多い上に睡眠時片側を向いて眠ることが多く、耳が塞がった状況になります。
そうすることで耳の中が蒸れてしまい耳垢も水分をたくさん含んだ飴耳のような状態になるのです。
また、そもそもの体質として耳飴である可能性も。この場合耳垢腺であるアポクリン腺が活発であるため生じるので、脂っぽい臭いがすることも。
黄色いネバネバした耳垢が大量に出る
黄色など色の強い耳垢がダラダラと耳から大量に出てくる場合、耳の病気である可能性が考えられます。
このときの耳垢を耳垂れと呼びますが、臭いがきついこともしばしば。また、耳垂れと同時に高熱やぐったりとした症状を訴える事が多いため、異変に気付けばすぐに病院へ行きましょう。
赤ちゃんがかかる耳の病気
耳垂れや熱などの症状があるとき、耳の病気にかかっていることも。
ここでは赤ちゃんのかかりやすい耳の病気と症状や治療法について解説します。
中耳炎
風邪の症状から中耳炎を併発してしまうことがほとんどで、鼻水が耳へ移行し細菌やウイルス感染を生じさせ膿がたまった状態です。
39℃を超える高熱や激しい耳垂れなどが主な症状で、膿が耳の中に貯まり過ぎて鼓膜が破れてしまうこともあります。風邪で鼻水が多量に出ているときはこまめに鼻水を吸い取ってあげることが大切です。
治療としては細菌感染であれば抗生剤の投与や、膿を取り除く外科的治療をすることもあります。中耳炎はくせになることも多いので、風邪を引いた際は注意深く耳の症状を観察しましょう。
外耳道炎
耳の穴の比較的浅い部分が炎症を起こしてしまうことで生じます。症状は微熱〜高熱、耳垂れ、耳の臭いなどがあります。
原因は耳の中を触ることで傷ついてしまったところに、内部が蒸れる状態が続くなど細菌やウイルスが感染しやすい状態になると可能性が高まります。
また、良かれと思ってやっている耳掃除のし過ぎが外耳道園の原因になることも。赤ちゃんの敏感なお肌には綿棒での耳掃除は全く必要ではありません。
耳垂れが気になるときもティッシュで軽くぬぐう程度にしましょう。治療法は炎症部分への塗り薬や点耳薬の使用などがあります。
耳介湿疹
まだ首が座っていない赤ちゃんに多い病気で、横になっているとき一方向しか向かないことで耳の中が蒸れたり寝具とこすれたりして、耳の内側の目に見える部分に湿疹が生じてしまう病気です。
湿疹は自然に治るとかさぶたとなって剥がれますが、これを耳垢と勘違いしてしまうお母さんも多いとのこと。熱が出るなど緊急を要する症状ではないため、自然治癒を待ちましょう。
ただし細菌感染などしないように、寝具はいつでも清潔にしてあげましょう。
参考:耳垢が湿ってるのは何が原因?湿りを治す方法と耳垢の取り方まとめ
赤ちゃんに耳掃除は必要?正しい耳掃除の方法
今まで説明したように、耳垢は大人でも赤ちゃんでも、新陳代謝により自然と外に出て行くものなので、頻繁に耳掃除をする必要はまったくありません。
ただし、耳垢が何らかの原因で耳の外に出なくなり、耳垢づまりとなってしまうことがあるのも事実です。ここでは正しい赤ちゃんに対する耳掃除の方法を紹介します!
赤ちゃんの耳掃除について
自宅でお母さんがしてあげることに抵抗がある方は、耳のプロである耳鼻咽喉科の先生に診てもらうこともひとつの方法です。
頻繁に通う必要は無く、よほど耳垢がたまっている場合に限りましょう。
また、自宅で定期的なメンテナンスをしてあげたい方のために、自宅でできる赤ちゃんの耳掃除方法をお教えします!
赤ちゃんの耳掃除方法
用意するもの:綿のガーゼ
タイミング:お風呂上がり
方法
- ガーゼで優しく耳の裏側を水分をぬぐうように拭く
- ガーゼの届く範囲で淵や耳の周りを拭く
- 市販の赤ちゃん専用の綿棒で耳の中5mm以内を優しくなでる
- その他のくぼみ部分もやさしく拭き取る
これを月に1回程度のペースでおこなうと良いでしょう。お分かりの通り、耳垢をかき出そうという感覚では全くありません。
無理に耳垢をかき出すことは耳を傷つけることにしかなりません。あくまで優しく水分をぬぐうことを心がけてください。
参考:乳幼児が突発性発疹になったら不機嫌の理由は?症状の対処法も
まとめ
繊細な赤ちゃんにとっては耳掃除ですら刺激になるもの。
赤ちゃんの耳垢を気にしているのは赤ちゃん自身ではなく大人であるということを忘れないでください。また耳垢の種類によってはお医者さんに診てもらう必要がありますが、日々赤ちゃんの耳の中のチェックをしてあげることはいい習慣ですね。
耳を触ると嫌がるなどの状態も、耳の病気の可能性があります。日頃の観察で赤ちゃんの異変にいち早く気付いてあげましょう。