耳が詰まっているような気がしてついつい耳掃除をしてしまうと、なんだが、
「私の耳垢が、臭い?!」
臭いや色が濃いものは、細菌感染が原因になっているかも。耳垢が臭い時に考えられる病気と、正しい改善方法について説明します!
目次
どうして?!耳垢が臭い原因と疑う病気
耳垢が臭い場合には2つの可能性が考えられます。
ひとつは細菌感染などの病気が疑われる場合、もうひとつが病気では無い体質による場合です。ここでは病気が疑われるときを中心に、耳垢が臭う原因を解説します。
耳垢が臭くて疑われる病気
中耳炎
鼓膜よりも奥のところが細菌感染などにより炎症をおこしてしまうものです。
症状としてはリンパの腫れ・痛み・まれに発熱をともなうこともあります。中耳炎になる原因は様々ですが、原因となる菌が鼻や口から侵入し耳で炎症をおこしてしまうことがほとんどです。
風邪などの際に免疫力が低下し、鼻水がでるたびに中耳炎の症状をおこしてしまうことも。耳垢は耳垂れと混ざって湿っているネバネバしたものが特徴で、これは膿として体外に細菌を出してしまおうという生体反応によるものです。
外耳炎
目で見える耳の穴の部分、鼓膜までの道を外耳道といいますが、この外耳道に炎症が生じたものを外耳炎といいます。
外耳炎の原因は中耳炎とは違い、手で触れる部分であるために耳掃除のしすぎやプールの水からばい菌が入ってしまうなど、体調や免疫機能が正常でも生じてしまうことがあります。特に耳掃除のし過ぎは耳を傷つけ、その傷に細菌や真菌が感染してしまいます。
症状は耳垢が色濃く臭う・耳垂れがある・触ると痛むなどの他、リンパが腫れたり熱が出ることも。厄介なのは耳垢や耳垂れが貯まりやすいので、それをさらに掃除してしまい症状が悪化することです。
耳垢の臭いの原因となる体質
耳の中には皮脂の分泌される【皮脂腺】でめぐらされています。
そもそも耳垢には乾燥タイプとしっとりと湿ったベタベタタイプがありますが、普段からベタベタタイプの耳垢であれば、皮脂腺からの皮脂の分泌量が多いことによる臭いかもしれません。また、臭いを放つ汗を分泌する【アポクリン腺】により耳の中が湿りさらなる臭いを放つことも。
中耳炎や外耳炎が疑われるときの改善方法
まずは病気が考えられる際の耳垢に対する対処方法を紹介します。
耳垢の特徴としては耳垂れを伴っているものが多く、また痛みや炎症、熱を伴う場合は以下の対処法を参考にしてください。
自宅でできる対処方法
自宅で対処する条件としては、
- 高熱を伴っていないこと
- 耳の外耳道にのみ炎症があること
- 腫れや痛みがそれほど酷くないこと
などが挙げられます。特に内耳や中耳からの耳垂れが疑われる場合や高熱などの著変があるときは迷わずに専門医を受診するようにしましょう。治療が遅れてしまうことで細菌感染が拡大する可能性があります。
さて、上記の条件を満たしている場合に自宅でできることは、とにもかくにもそれ以上耳をいじらないこと!!!
これに限ります。外耳炎のほとんどが耳掃除のしすぎによるものですが、出てくる耳垂れや耳垢が固まることで巨大な耳垢となり、さらなる耳掃除をしたくなる衝動が出てきます。
ここで、絶対に耳掃除をしないこと!耳掃除を繰り返すことで症状が悪化するということを肝に銘じておいてください。ただし、不潔にした状態で置いておくことも悪化につながりかねません。次に正しい耳掃除の方法をご紹介します。
正しい耳掃除の方法
- 用意するもの
一般的な綿棒(掻き出すような形状でないもの)
- 方法
- 綿棒を入れるのは耳の入り口から1センチまでの範囲で
- 掻き出すというよりぬぐうような感覚で
- 普段から耳垢が乾燥しているタイプの方は耳が濡れているお風呂上がりがオススメ
- 耳掃除は月2回まで
以上のことを守りながら耳掃除をしていらっしゃる方、とても少ないのではないでしょうか。
特に先の長い耳かきを使って奥の方にある耳垢を掻き出すように使用している方が多いと思いますが、実は間違った方法です!耳の奥の方には突くととてつもなく気持ちの良い「ゾ—ン」がありますが、ここを何度もいじってしまうことで耳を傷つけ細菌感染の原因となるのです。
日本人の半数以上が乾いた耳垢ということで、ぬぐうようにしても耳垢が取れていると感じないかもしれませんが大丈夫。実は勝手に外に出ているのです。耳の衛生環境を整える、ということを目的に耳掃除をするようにしましょう。
病院で行われる対処方法
中耳炎が疑われる場合や外耳炎で熱や炎症を伴う場合は病院を受診しましょう。その際に行われる治療や処方される薬について解説します。
中耳炎のとき
激しい痛みや熱を伴うことが多く、この痛みや熱に対する対処がまず始まります。処方された解熱鎮痛剤はしっかりと服用してください。
耳垂れが酷い場合は病院でぬぐってくれます。自宅に帰っても出続ける場合は耳の奥まで綿棒を入れず外に出た分だけをぬぐうようにしましょう。細菌感染が原因ですが、抗生剤は特に酷い場合のみ処方されます。もし処方されたら処方された日数分、用法用量を守って飲み切ってくださいね。
また、中耳炎の原因は風邪などで鼻水がたまり耳の方へと影響したことによります。病院ではこの鼻水を外に出す吸引機で鼻水を取り除く処置がされます。自宅でも鼻水が残っていると感じたら、こまめにかむようにしましょう。
外耳炎のとき
外耳炎の場合も熱やリンパの腫脹が酷い場合は解熱鎮痛剤が処方されます。病院では外耳の傷がついた部分を消毒洗浄して、処方薬としては炎症を抑える点耳薬や軟膏剤が用意されています。
正しい使用法を守り、数日すれば痛みや炎症は治まりますが、この後も耳をいじりすぎないことと正しい耳掃除の方法を心がけるようにしましょう。
体質が原因の耳垢の臭い改善方法
体質が原因であるときは、皮脂の分泌量を減らすことが大切です。
野菜中心の食生活を心がけ規則正しい生活にしましょう。普段から脂性肌の場合はこの改善にもつながります。ただし、即効性があるものでは無いので続けることが大切です。
ここでは皮脂量とうまくつきあいながら清潔に保つ耳の洗い方について紹介します。
正しい耳の洗い方
洗顔するとき、洗髪するとき、耳に触れる機会はあるのになかなかしっかりと洗うのを忘れてしまいがちな耳や耳周囲ですが、形状からも汚れがたまりやすい場所です。
しっかりと洗うことを習慣づければ、顔周りの体臭予防にもつながります。正しい耳の洗い方は、
- 洗顔のついでに洗う
- 加齢臭の原因にもなる耳の裏を特に重点的に
- 耳の中に泡や水が入ることが心配ならばタオルを濡らしてぬぐうように
シャンプーは洗顔料よりも洗浄力が高く、刺激になる可能性があるので洗顔時に洗うようにしましょう。耳の裏には特に汚れがたまりやすいので優しく丁寧に洗うようにしてください。
まとめ
耳垢が臭う場合には中耳炎や外耳炎などの病気が疑われることがあります。
それぞれ原因が異なりますが、どちらにも共通して大切なことは気になるからといって過剰に耳掃除をしすぎないことです。
また、現代病とも言われるように大音量でイヤホンを使い音楽を聞いたりを続けると、耳垂れや難聴の原因にもなります。耳を清潔に、そして刺激を与えすぎないことで健康な耳ライフを送ってくださいね。
参考:耳垢が湿ってるのは何が原因?湿りを治す方法と耳垢の取り方まとめ