何だか足の裏に違和感が…。見てみると、足の裏に水ぶくれができていた、なんてことはありませんか?
水ぶくれができると、痛かったり、かゆかったり、心地が悪いですよね。どうして、足の裏なんかに水ぶくれができるのでしょうか?
「気持ち悪いから、潰してしまいたい!」
と思っているあなた、水ぶくれの原因と、処置の方法を読んでからにしませんか?
目次
足裏の水ぶくれ。どうしてできるの?
足の裏に水ぶくれがあったら、
「え?水虫なの?!」
なんて不安になりませんか?でも、水虫とは違う病気の可能性が高いんですよ!
これから、水虫以外の症状の説明をしていきますね。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
足の裏にできる水ぶくれは、この病気である場合が多いんです。この病気になると、手のひらや足の裏に水泡ができ、次第に膿(うみ)の入った黄色っぽいふくらみに変わっていきます。
そして、この水泡ができはじめると、かゆみがあるので、水虫と間違われてしまうんですよ!
掌蹠膿疱症は、長い間原因不明だったのですが、最近では、金属アレルギーがきっかけで発症するのではないか、ということがわかってきました。
この病気になる人のほとんどがタバコを吸っている人なので、タバコに含まれるニコチンが原因とみて、研究も進んでいますよ!
慢性可能性病巣(まんせいかのうせいびょうそう)という、細菌による感染がずっと存在している場所が、掌蹠膿疱症を起こす約3割の原因になっているようです。
まだはっきりした原因は不明のままですが、3年~7年ほどで、自然に治ることが多いと言われています。
足の裏の水ぶくれはどう治療するの?
掌蹠膿疱症は、細菌やウイルスが直接の原因ではないので、抗真菌剤や抗生物質では効果が期待できません。対症療法で炎症を抑えることが、唯一の治療と言えます。
症状のレベルによりますが、治療はステロイド剤やビタミンD3の軟膏(外用薬)で炎症を抑えることから始まります。外用薬で効果が出ない場合は、免疫抑制薬やビタミンA誘導体に内服薬も使います。
これら内服薬は、高い効果が期待できますが、強い副作用も出るので、注意が必要ですね。
あなたの足の裏の水ぶくれは、黄色っぽくなっていませんか?よく観察して、一度皮膚科を受診することをおすすめします!
水泡が黄色ではない。これって・・・?
ここまで、足の裏にできる掌蹠膿疱症についてお話ししました。特徴は、水泡がだんだん黄色っぽくなって、かゆみもある、ということ。
「私の足の裏の水泡、水泡はあるけど黄色っぽくなっていないな…」
と思った人はいるでしょうか?その場合は、異汗性湿疹の可能性がありますよ。
異汗性湿疹(いかんせいしっしん)
異汗性湿疹は、汗疱(かんぽう)状湿疹とも言い、要するにあせものことです。
「ただのあせもなのか、良かった!」
と思った人!安心するのはまだ早いですよ!
どんな病気なの?
異汗性湿疹は、汗が皮膚から完全に外に排出されないまま、皮膚の下に溜まった状態なんです。
この汗疱が破れて、皮膚がはがれてしまうと湿疹化して、異汗性湿疹(汗疱状湿疹ともいいます)を発症するのです。
湿疹化してしまうと、強いかゆみがあったり、痛みがあったりするので、かかずにはいられない状態なり、皮膚を自分で傷つけてしまう可能性があるので注意が必要なんですよ!
手のひらや、足の裏に汗をかきやすい人がよく発症し、季節が変わる時期に出たり消えたりを繰り返すという特徴があり、この症状を繰り返すと、皮膚が固くなってしまう(角化といいます)ことも例としてあります。
異汗性湿疹の原因は?
多汗症の他に、金属アレルギーが原因であると考えられています。皮膚が金属と触れることで、ニッケルやコバルトのような金属が皮膚から吸収されてしまいます。
そのわずかな金属が、粘膜や腸管からさらに体の中に吸収されて、汗などに交じって体の外に出ていきます。その金属を含んだ汗に反応して、異汗性湿疹になると言われているんです。
このほかに、アトピー性皮膚炎も関連があるのではないかという説もあります。
どう対処すれば良い?!足裏の水ぶくれ
水ぶくれができたとき、皮膚科では、潰さないようにしなさいと言われることがほとんどです。潰さない方が、衛生上清潔なので、当然の指導ですね。
しかし、足の裏は例外なんです!歩くとき、足の裏には体の全体重がかかります。すると、足裏の水泡が潰れてしまうかもしれませんよね。歩いているうちに潰れてしまったら、そこから他の雑菌が入りこんでしまう可能性があるんです!
これほど不衛生なことはありません。足裏にできた水泡は、正しい方法で潰しておくべきなんです!
水泡を潰す正しい方法
「正しい方法で潰すと言われても…」
と思っている人がほとんどですよね。これから説明しますので、安心してください!
<必要なもの>
待ち針、消毒液または熱湯、清潔な布、ラップ(水ぶくれより少し大きいサイズ)、サージカルテープ
- 待ち針を消毒液が熱湯につけて、殺菌し、布で軽く拭き取ります。
- 水ぶくれの中心を針で刺し、中の液体を出します。このとき、出てきた液体も布で拭きます。
- 水ぶくれの中身が全部出たら、ラップをあてて、サージカルテープで固定します。
これで、ひとまずの工程は終了です。しばらくすると、水ぶくれのあったところからまた液体がでてきてラップが汚れます。
そのときは、ラップとテープを取り換えましょう。
「潰すとき、どうして待ち針?待ち針じゃなきゃだめなの?」
と思ったあなた。もちろん、指以外なら縫い針でも良いんです。指で潰すと、指についている雑菌が患部に入りこむ可能性があるので厳禁です!
また、潰そうとして針を取り出したけど、落としてしまったとき、縫い針だと見つけにくいことがあると思いませんか?
待ち針なら、頭に目印になる飾りがついているので、落としてしまったときも見つけやすく、間違って足に刺さる、なんてことが防げます!裁縫以外で針を使うときは、こんなことにも注意しましょう。
水ぶくれに効く薬は?
水ぶくれでも、潰すのが怖いという場合は、塗り薬を塗るのも良いでしょう。患部の炎症を抑えてくれ、入ってくる細菌などもブロックしてくれますよ。
オススメの塗り薬は、ゲンタシン軟膏。薬局では購入できないので、病院で処方してもらいましょう。
成分が似ている市販薬に、ドルマイシン軟膏(ゼリア新薬)というものがあるので、「病院に行く時間がない!」という人は、試してみるのも良いのでは?ただし、歩いていて潰れないよう、保護するのは忘れずに。
足の裏に水ぶくれができたとき、一番の治療が潰すことなんで、少し意外ですよね。潰してしまうことで、不快感も少なくなるので、やってみませんか?
まとめ
足の裏に水ぶくれができてしまったときは、掌蹠膿疱症や、異汗性湿疹の可能性があります。
原因はまだはっきりしていませんが、金属と汗の接触で、皮膚に炎症が起きるというのが2つに共通して挙げられている原因です。水ぶくれが足裏にあり不快感がある場合は、殺菌消毒した針を使って潰してしまうのも一つの手です。
潰したあとも、その部位は清潔にしておくようにしましょう。潰したくない場合は、効果のある塗り薬が市販されているので試してみるのも良いでしょう。
ただし、何か変だと思ったら、受診しなければいけませんよ。
汗は止めることが難しいもの。水泡ができたときの対処方法を知って、うまく付き合っていきましょうね!