低血圧の症状に「めまい」「しびれ」があります。ただし、自己判断が難しく、めまいと、しびれが同時に出た場合、重篤な病気の前触れかもしれません。
特に、脳の病気はしびれを伴うものが多いため、注意が必要です。ではいざそうなってしまったらどうすれば良いのでしょうか?
低血圧の症状のめまい、しびれは何が原因?
本能性低血圧の人に、もっとも多い症状が、ふらふらするような、「めまい」です。朝、ベットから起き上がろうとしたら、クラッときて座り込んだり、通勤電車でめまいを起こすなども良く聞きます。これは、低血圧の人は、血液循環量が少ないため、立ち上がるとさらに頭部の血液が少なくなり、クラッとしたり、ふらふらしたりします。
本能性低血圧とは、一般的に低血圧と言われる人のことで、主だった原因病もなく、計測したときの数値の最大値が100mmHg以下の人のことです。本能性低血圧の人が、それに伴う不快症状を発症すると、低血圧症と言います。
クラッとめまいが起きるようなら、低血圧症です。同時に、いくつもの不快症状が起きてくる可能性があります。
本能性低血圧の症状は、倦怠感、疲労感、めまい、立ちくらみ、頭痛、動悸、息切れ、胃もたれ、しびれ、食欲不振、便秘、膨満感など
低血圧症は、原因病がないため、判断しにくいことが多く、症状もこれ以外にも起きる可能性があります。また、低血圧自体は、特に問題がないとされているので、治療も特にはありません。
本能性低血圧の人の中には、まったく無症状で、1年に1回の健康診断の時だけ思い出すような人もいるのです。そのような人は、かえって健康だと言われ、病院の先生から褒められることもあります。
ところが、低血圧症を発症してしまい、上記のほとんどすべての症状が当てはまるほど、辛い状態になってしまう人もいるのです。とくに、めまいは、低血圧症の人に起こりやすく、午前中を中心に注意が必要です。また、本能性低血圧の人は、起立性低血圧を併発しやすいため、ひどいめまいや、時には意識を失うことのあるのです。
起立性低血圧は、低血圧でなくても起こる、急性低血圧です。「脳貧血」とも呼ばれます。この起立性低血圧は、ストレス性のもので、自律神経の異常から起こります。朝礼で倒れたり、長時間立っていて突然倒れたりするのは、起立性低血圧です。
起立性低血圧の症状は、本能性低血圧より、激しく起こることが多く、激しいめまいや、冷や汗、吐き気、悪寒、呼吸困難、意識喪失などがあります。
また、「しびれ」に関しても、起立性低血圧に見られます。起立性低血圧は自律神経が正常に機能せず、血圧が一気に下降してしまう症状です。
そのため、細部の末梢血管に血液が行き渡らなくなり手足にしびれが起きます。悪寒が起こることがあるので、激しく震えが起き、判断が付かないこともあります。本能性低血圧で起こる「しびれ」は、ほとんどが血行不良が原因で起こるもので、寝ている間に血流が滞り、手足が冷たくなり、しびれが起きます。
めまいと、しびれが同時に起こったら要注意!
起立性低血圧の人は、普段は低血圧とは限りません。むしろ、高血圧の人に多く起きると言われています。そのため、「めまい」と「しびれ」が同時に起きたら、まず重大疾病を考えます。この2つの症状は、特に脳の病気の症状に出やすいためです。
- 脳梗塞→片側の手足にしびれが起きる・同時に口もしびれる
- 閉塞性動脈硬化症→手足が冷たくなりしびれる
- 一過性脳虚血発作→急激に片側の手足がしびれる・数分でおさまる・言葉が言えなくなる
また、起立性低血圧は、高血圧の高齢者に多く、全体の20%にいたります。中でも、食後低血圧と言って、食事のあと立ち上がった時に、起こすことが多いのです。この食後低血圧は、若年層にはほとんど見られません。
食事をすると、消化を促すために、血液が胃腸の周りに集まります。通常はこの時、自律神経の作用で、血圧を調整するため、脳の血管に影響が出ないのですが、高齢者は加齢により自律神経が正常に機能しなくなっているため、脳の血液が下がってしまい起立性低血圧を起こしてしまうのです。
このように、高齢者が起立性低血圧を起こすと、クラッとしただけでも転倒してしまう事が多く、そのことがきっかけで、寝たきりになったり、ひどい骨折を起こしてしまうことにつながるため、高齢者の施設などでは、大変注意している点です。
まとめ
本能性低血圧のめまいとしびれは、朝起きた時の血行不良から起こることが多く、循環が良くなってきた昼くらいには、治ります。起立性低血圧のめまいとしびれは、自律神経の機能低下により、血液が一気に下がってしまうため、細部に血液と酸素、栄養素が行き渡らなくなり、起こります。
また、めまいと、しびれが同時に起こった場合は、重大な病気が隠れていないかを確認する必要があります。すぐに病院へ行き、診察してもらいましょう。