不足すると貧血を呼ぶ鉄分ですが、頭痛にも関係があるんですよ。
現代人に不足しがちなハッピーホルモンと呼ばれる脳内物質がカギのようです。生理痛ならではの頭痛・・・子宮との関係はあるのでしょうか?
鉄分不足と頭痛の関係って?
鉄分不足は貧血でしょ? たしかにそうですね。鉄を必要とするヘモグロビンが減少することで鉄欠乏性貧血になります。赤血球の中のヘモグロビンは血液の中で、体中を循環し、酸素を届ける働きをしています。この酸素が届かなくなることで、体は異常をきたし、体調不良を引き起こします。
これが貧血症状と言われ、疲労感や倦怠感。めまいや吐き気などにつながります。特に脳が酸欠になると自律神経にも影響し、一過性の脳貧血なども起こす事があります。この貧血症状の中のひとつに、頭痛があります。
自律神経には三つの重要な神経伝達物質があります。
- 快楽を作る=ドーパミン
- やる気を作る=アドレナリン
- 心を安定させる=セロトニン
です。このセロトニンはハッピーホルモンとも呼ばれ、痛みを和らげる効果を持っています。 脳が酸欠になると、このセロトニンが減ってしまうのです。そのため、激しい頭痛が起こります。
また、セロトニンの合成自体にも、実は鉄分が必要なのです。頭痛を起こすのは、貧血の二次的な症状と考えがちですが、鉄分不足は直接、セロトニン不足につながり、そのため頭痛が起こることもあるのです。
そして、これが生理痛からくる頭痛の場合、女性ホルモンの影響を大きく受けます。女性ホルモンは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の二つがバランスをとっています。
ところが、エストロゲンは排卵前に急激に増えピークに達し、排卵後に急減し、ふたつのホルモンのバランスが崩れます。このとき、バランスを調整してくれているのが自律神経なんです。これは、毎月同じように繰り返されます。
もし、これが貧血状態の体だと、脳の酸欠により自律神経が正常に機能せず、頭痛が起こります。
セロトニンが頑張りますが、鉄分不足がひどくなっていて、不足してしまったりしたら、激しい頭痛となってしまうのです。貧血に効果の高い食事をし、少しでも改善されることは、生理痛の頭痛を軽減する事にもつながるのです。
参考:生理前は食欲が止まらない!そんな悩みに食欲を抑えるポイントをご紹介
貧血を改善するための食事で、生理痛の頭痛を少しでも楽に!
鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄とに分かれています。ヘム鉄は動物性食品に多く含まれていて、体への吸収も早い鉄です。非ヘム鉄は植物性食品が多く、単体ではあまり体に吸収されません。
ところが、この非ヘム鉄は、ビタミンやタンパク質と一緒にとることで、何倍も吸収が良くなる鉄なのです。ビタミンやタンパク質も貧血を改善するためには欠かせない栄養素です。バランス良くとることが大切です。
☆鉄分を多く含む食品
ひじき・青のり・きくらげ・アワビ・ウナギ・イワシ・カツオ・マグロ・干しエビ・あさり・赤貝・ミル貝・ほっき貝・切り干し大根・納豆・レバー・小松菜・ホウレンソウ・卵・菜の花・海藻類、など
☆ビタミンを多く含む食品
緑黄色野菜全般・カツオ・マグロ・アナゴ・貝類・豚肉・サツマイモ・卵・鮭・牛乳・ジャガイモ・レバー・フルーツ(柑橘系に多い)、など
☆タンパク質を多く含む食品
卵・大豆・豚肉・レバー・牛乳・カツオ・マグロ・イワシ・鮭・牛肉・鶏ささみ・えび、など
まだまだ 栄養満点の食品はたくさんありますが、これだけでも十分なメニューは作れそうですね。単品で食べるのではなく、組み合わせて食べることが大切です。
貧血ぎみ?吐き気やめまいも生理痛でヒドイ。この場合の対処法は?
お肉と一緒に、必ず海藻のサラダを食べたり、あさりのお味噌汁やお吸い物を付けるなど、少しの工夫で、体調不良は改善するのです。また、すべてを兼ね備えている食品もあります。上手に組み合わせて、効率よく摂取しましょう。