爪には健康状態が出るので、爪が薄くなってきたり白い線が入ってきたら、体に不調が出ている場合があります。
また、縦に走る線と横線では原因が違うので、それぞれの症状をしっかり把握して、きれいな爪の維持と、病気のサインを見逃さないようにしましょう。
今回は、爪に白い線ができる原因と対処法について詳しく解説していきますね。
目次
爪の白い線は縦線と横線がある
爪は根本にある爪母(そうぼ)で作られ伸びてきますが、乾燥によって白い縦線が入ったり、栄養不足や病気により横線が入ることがあります。
爪は皮膚の一部が硬くなったものですので、乾燥もしますし、老化によって弱ってくることもあるんです。
老化と言っても年齢だけではなく、栄養不足や生活習慣にも影響を受けるため、きれいな爪を維持するためには、毎日の食生活が大切となります。
縦に白い線が入るのは、爪に十分に栄養がいかないことや加齢が原因の場合が多く、さらに、洗剤や石鹸の使用で油分がなくなり乾燥すると縦の線が目立ってしまうので、こまめに保湿することが大切です。
横に入る白い線は体内の異常
爪は根本にある爪母で作られるため、白い線が横に入っている場合には体内で異常が起こっている可能性があります。
爪の原料となるのはケラチンというタンパク質の一種なのですが、爪は体の中でも末端にあるので、体内で消費されてしまうと後回しにされてしまい、栄養不足で爪を作れない、または、不完全な状態になってしまうことがあり、これが爪に白い線が横に入る大きな原因です。
また、ケラチンは多くのアミノ酸によって構成されていますが、その中には体内で合成できないメチオニンやリジンという必須アミノ酸も含まれるため、内蔵が病気などでダメージを受けて修復するために多くの栄養素が使われる、又は、お酒の飲み過ぎやストレスでも爪にも影響が出やすくなります。
- 栄養不足
- 病気
- 飲み過ぎ
- ストレス
爪に白い線ができる原因
爪に縦や横に白い線ができる原因には、ぶつかった衝撃や乾燥、又は、爪が作られる過程での体内の異常が考えられます。
爪を作っている爪母(そうぼ)は皮膚の下に埋まっており、目で見ることはできません。(甘皮のさらに奥に隠れている部分です)
しかし、指先をドアなどにはさんだ際に、上からの刺激で爪母が潰され、一時的に爪を正常に作れない状態になると、横に白い線が入ることがあります。
他にも爪に白い線が入る原因は沢山ありますので、順番に見ていきましょう。
爪母への衝撃、栄養不足
まず、直接的な爪母への衝撃ですが、爪は常に伸びているので衝撃を受けてから(爪に白い線が)目で見えるまで時間がかかるので、いきなり現れたように感じますが、この場合は一時的なものですので、特に心配する必要はないです。
爪が伸びる速さ(スピード)は、手の爪が1か月に3mm程度、足の爪が1か月に1.5mm程度とされています。
引用元/育爪サロン ラメリック
そして、次に多いのが栄養不足によるもので、特に大きな手術をした後などは体内の修復に沢山の栄養素が使われるため起こりやすいです。
栄養不足が原因の場合には白い線だけではなく、爪がもろくなり割れやすくなるので、怪我や病気をした後には十分にビタミンとタンパク質を摂るようにして下さい。
他に爪に横に白い線が入るのには、鉄分が不足する貧血が原因の場合もあります。
糖尿病や腎臓病などの病気
糖尿病や腎臓病になると血液の流れが悪くなり、末端の爪に十分に栄養が送られなくなり横に白い線が現れたり、爪が薄くなってしまいます。
横の線は爪の発育が悪くなったときにできるもので、体調の波が激しいと多く生じます。
ただ白い横の線が表われた場合は要注意。血液中のタンパク質が減っていることを示し、腎臓病などの心配があります。
引用元/シオノギ製薬
糖尿病と腎臓病に共通するのはすい臓が作るインスリンの働きが鈍くなるということで、インスリンはタンパク質(爪の主成分)を合成する役割があるため、爪に白い線が入ったり、全体的にもろくなってしまうのです。
また、ネフローゼ症候群という腎臓の機能障害を起こす病気にでも爪に白い線が入ることがあるため、注意しましょう。
- 爪母への衝撃
- 栄養不足
- 貧血
- 糖尿病
- 腎臓病
- ネフローゼ症候群
縦線は加齢によって現れる
年齢を重ねると30歳を超えた辺りから自然と縦線(縦のすじ)が入ってきますが、白い線の場合には栄養不足や乾燥、ストレスが関係している場合が多いです。
爪は本来透明で、下にある毛細血管が透けてピンク色に見える状態が健康な爪となります。しかし、爪は指先にあり、水や洗剤に触れることが多いため非常に乾燥しやすいのです。
そして、爪は3つの層が重なってできていますので、乾燥によって上の層が浮き上がると白い線が入り、割れやすくなってしまいます。
他には、栄養不足で爪の主成分であるケラチン(タンパク質の一種)を合成できない、または、ストレスによって血液の流れが悪くなり、栄養が爪を作る爪母へ送られないことも原因の1つです。
- 加齢
- 乾燥
- 栄養不足
- ストレス
参考:足の指にできた水虫にオロナインは効果あり?その他の市販薬は?
白い線が爪にできた時の対処法
爪に白い線ができた時には、栄養バランスのいい食事を摂り、乾燥を予防するためのケアをこまめにしましょう。
爪に白い線ができる一番の原因は栄養不足ですから、タンパク質とビタミンをバランスよく摂ることが重要です。
縦線は加齢が原因だと書きましたが、栄養バランスのきちんととれた食生活をしていると、目立たなくなります。そして、爪の乾燥を予防するためには油分の補給が大切です。
ネイルケアをしない方であればハンドクリームを爪に塗るだけでも効果的ですし、ネイルケアでマニキュアをされる方は、特に除光液(リムーバー)が爪の油分を溶かしてしまうため、専用のキューティクルオイルをこまめに塗ってうるおいを与えてあげて下さい。
十分なケアをしていても改善しない場合や、他に体調の異変がある場合には、糖尿病や腎臓病などの病気も考えられるため、病院で検査をしましょう。
- 十分な栄養
- 保湿
黒い線はメラノーマという病気かも?
もし、爪に縦に黒い線が入っている場合は、爪甲色素線条(そうこうしきそせんじょう)という爪のほくろ、メラノーマという皮膚がんの可能性があります。
まず、爪甲色素線条ですがこれは爪を作る爪母にほくろがあるために、その色素が爪に混ざってしまうことが原因で起こるものです。
爪に黒い線(黒い縦線)が生じる事があります。 これは爪の根元にホクロがあるためです。
引用元/西田医院
爪甲色素線条の場合は、ただのほくろなので大丈夫なのですが(手術で取り除くことができます)、メラノーマは皮膚がんのためすぐに治療を始める必要があります。
メラノーマとは、悪性黒色腫と呼ばれ、皮膚のメラニンという色素を作る色素細胞(メラノサイト)ががん化した腫瘍と考えられています。
引用元/公益社団法人日本皮膚科学会
メラノーマは進行してしまうと治療が難しいので、爪に黒い線がある方は念のため一度病院で検査して下さい。
他には、まれですが難病指定されているアジソン病という病気の場合も爪に黒い線が出ることがあります。
- 爪甲色素線条
- メラノーマ
- アジソン病
爪が凸凹が!でこぼこの原因と対処法
爪がでこぼこになってしまう原因は、爪白癬(つめはくせん;爪の水虫)、窮屈な靴(ハイヒールなど)や、栄養不足などです。
常に指先が締めつけられていると爪は真っ直ぐに生えることができず変形してしまい、その結果でこぼこになってしまうことがあります。
女性の場合にはハイヒールが原因の場合が多く、男性でもサイズの合わない革靴を履いていると足の爪がでこぼこになることがあるため、指先になるべく負荷をかけない靴を履くようにしましょう。
- 爪白癬
- 窮屈な靴
- 栄養不足
全体が白っぽい場合は爪の水虫の場合も
爪が全体的に白っぽい、または黄色になって徐々に広がっている場合は爪白癬(つめはくせん)という爪の水虫の可能性があるので、早めに皮膚科で診察を受けて下さい。
爪白癬とは、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種に爪が感染して、爪の主成分であるケラチンを食料にして増殖し、爪の変色や変形(厚くなる、デコボコになる)を起こす病気ですが、初期にはかゆみなどがないために見逃しやすいので注意しましょう。
白癬菌はどこにでもいる菌なので、スポーツジムや銭湯でも感染する可能性もあります。とにかく、足を清潔にすることが感染を予防することとなります。
栄養不足やストレス
爪母が健康な爪を作るためには、十分な栄養が血液によって運ばれてくる必要があるため、栄養不足(ビタミン、鉄分、タンパク質など)や、ストレスによってビタミンが大量に消費されることでも、爪を作る機能が低下して爪に凹凸が出ることがあるのです。
また、爪に横溝が入ることを爪甲横溝(そうこうおうこう)といい、上から見ると横に潰れたような跡があるように見えますが、これは、主に栄養不足によって爪が正常に作られなかったことが原因で起こる症状ですので、栄養を補うことで解消されます。
ビタミンを多く摂るには生野菜が一番効率良く、鉄分は大豆製品(納豆、豆乳など)、タンパク質は肉の赤身や魚類に多く含まれるので、毎日の食生活にバランスよく取り入れて爪の健康を保って下さい。
また、疲労が溜まっているとストレスも溜まるため、生活リズムを整え、夜間はしっかりと睡眠をとることも重要です。
参考:爪の根本にある白い部分がないのは異常?健康状態は関係ある?
爪を正方形に切ることで変形を予防する
爪を切りすぎると、物を持つ際に負荷が大きくかかるので、サイドを残した正方形に近い形でカットしましょう。
爪を切りすぎると、伸びる際に外からの圧力で巻き爪や変形してしまうことがあるため深爪を避け、全体的に四角形に近い形を保つことで、指の両サイドから力がかかっても変形しづらくなりデコボコ爪を予防できます。
市販の爪切りはU字型になっており、どうしてもサイドが丸くなってしまいがちなので、爪専用のハサミを使うか、こまめにヤスリがけすることがおすすめです。
特に爪の状態が良くない時には、爪は指の形に沿って少しカーブがかかって生えているので、爪切りで上下に挟み込んで切ることが割れや爪の間に空気が入る二枚爪の原因となるため、爪やすりを使って短くしましょう。
でこぼこが気になる場合には、なめらかになるように表面にヤスリを軽くかけてもいいですが削り過ぎに注意することと、原因の根本的な解決にはなりませんので、あくまでも、栄養補給などで健康な爪が作られる環境を整えることを優先して下さい。
そして、保湿をこまめにすることで、乾燥して割れるのを防ぎましょう。
- 栄養補給
- 十分な睡眠
- 爪は正方形に切る
- 保湿
参考:巻き爪の矯正は自分でできる!今スグやっておきたい方法は?
まとめ
爪に白い線が横に入る原因は、栄養不足や糖尿病や腎臓病などの病気など体内の不調が考えられます。
爪に縦に線が入るのは加齢や乾燥が主な原因ですが、黒い線はメラノーマという皮膚がんの可能性もあるため早期に病院で診察を受けましょう。
でこぼこになるのには、栄養不足やストレスの場合が多いですが、爪の水虫である爪白癬の場合があるため注意が必要です。