生理前になると、気分が不安定になることが多いと思いますが、その他にも生理前には決まって寝汗をかくという症状があるのをご存知でしょうか?
女性にとっては毎月のことなので、生理前の寝汗はなんとか改善したいものですよね。
今、生理前に寝汗をかいて困っている方も、まだ、症状がない方も原因と対処法を知っておけば、防ぐことができるのでぜひ覚えておいて役立ててください。
今回は、生理前に寝汗をかく原因と具体的な対処法を詳しく解説していきます。
目次
生理前に寝汗をかく原因は黄体ホルモンのせい
女性ホルモンの1つである黄体ホルモンの分泌が生理前には多くなるので、体温が上がって寝汗をかきやすくなるのです。
女性ホルモンは、女性らしいボディラインや肌のバランスを整える働きがあり、精神的に安定させる役割のある卵胞ホルモン(別名;エストロゲン)と、受精卵が子宮に入った時に着床(一定の場所に定着すること)するのを助けることで、妊娠を助ける黄体ホルモン(別名;プロゲステロン)の2種類のホルモンがバランスをとって機能しているのですが、生理前になると、黄体ホルモンの分泌が多くなるのでバランスが崩れてしまいます。
また、黄体ホルモンは元々体温を上げる働きもあるので、女性ホルモンのバランスが崩れて黄体ホルモンの分泌が多くなることによる体温の上昇が生理前に寝汗をかきやすくなる原因の1つです。
月経前症候群(PMS)が原因
生理前に、卵胞ホルモンと黄体ホルモンのバランスが崩れて、体調不良や精神的に不安定になることを「月経前症候群(PMS)」といい、これによって寝汗をかきやすくなってしまうこともあります。
排卵のリズムがある女性の場合、排卵から月経までの期間(黄体期)にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されます。
この黄体期の後半に卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが、月経前症候群の原因と考えられています。
しかし、脳内のホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響を受けるため、月経前症候群は女性ホルモンの低下だけが原因ではなく多くの要因から起こるといわれています。
引用元/日本産科婦人科学会
生理前の排卵期から症状が始まるのが特徴で、人によって差はありますが、生理前の3日から10日頃から症状が出て生理が始まると症状はなくなるのです。
多くの女性は、自覚がなくても女性ホルモンのバランスが崩れることで、「月経前症候群(PMS)」を発症していますが、その症状は様々で、全ての女性に重い症状が出ることはありません。(寝汗以外にも、頭痛やむくみ、肌荒れなど様々な症状があります)
また、「月経前症候群(PMS)」が起こる原因はまだハッキリとはわかっておらず、通常の生理前の体の変化とも違うので、見逃されがちですが毎月訪れるものなので、しっかり対策をしておくことが症状を緩和するのに非常に大切なのです。
生理前にひどいストレスを抱えていたり、バランスが悪い食生活や、運動不足だと症状が重くなりやすいので注意が必要です。
参考:生理前は食欲が止まらない!そんな悩みに食欲を抑えるポイントをご紹介
生理前に寝汗をかいた時の対処法
寝汗をかいた場合には、乾いた衣服に着替えてしっかり水分補給をしましょう。
寝汗をかいたまま放置すると、汗の水分が蒸発する時に一緒に体の体温を奪っていき、体が冷えてしまうので、衣服を着替えることが大切です。(内臓が冷えると細菌やウイルスに対する免疫力が低下してしまいます)
また、水分補給をしっかりすることで、体内の水分バランスを維持することも重要で、水分が不足すると脱水症状によるだるさや、むくみの原因となるのでこまめに水分を摂りましょう。
月経前症候群(PMS)が原因の場合には
自分の症状を記録しておき、ビタミンの豊富な食生活と適度な運動を心がけることで、症状を緩和することができます。
月経前症候群(PMS)は、女性なら誰しもがなる可能性があるものですから、一度かかってしまっても落ち込む必要はありません。
まずは、しっかりと自分の症状を記録しておくことで、病院で診察を受ける時に適切な診断を受けることができ、診察もスムーズにいくので楽になります。
月経前症候群(PMS)には、ストレスや自律神経の乱れが関係していることもありますが、一度に全てをコントロールしようとすると、余計にストレスが溜まってしまうため、まずは食生活から見直していきましょう。
毎日、体の健康に気を使っていれば、女性ホルモンのバランスが崩れてもある程度耐えることができるので、症状も軽く収めることができます。おすすめなのは、生野菜を食べること。
緑黄色野菜には、豊富なビタミンや食物繊維多くが含まれているので、内蔵を活発に動かし体内の老廃物(不要となった死んだ細胞など)を体外へ出すのに役立つので、体を丈夫にするには一番効果的です。
ジュースやタブレットでもビタミンは摂れますが、よく噛むことで唾液の分泌がうながされて、消化が早く進みますし、噛むこと自体がストレス解消にも繋がります。
さらに効率的に野菜を摂るなら、スープにするか少量の油で軽く炒めるとより沢山の量を摂ることができるでしょう。
野菜に含まれるビタミンは水溶性といって水に溶けやすいので、そのままスープごと飲むか、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンKは油に溶けやすい脂溶性なので、油と一緒に摂ると吸収率が高まります。(油にとけるので、揚げ物ではなく少量の油で調理するのがポイントです)
また、生野菜には体温を下げる効果があるので、体が熱っぽくて食欲がない時には、サラダにして食べるのもいいでしょう。(冬はあまり体を冷やさないように、温かいものと一緒に摂りましょう)
そして、軽い有酸素運動をすることで、体の血流を改善しストレスも軽減することができます。
家の中で軽いストレッチをするだけでも十分で、全身の筋肉を伸ばして上げることで、血液の流れが良くなり、肩こりの解消にもなるので、無理のない範囲で行ってください。
アルコールや暴飲暴食には注意
月経前症候群(PMS)は精神的にも不安定になり、アルコールを大量に飲んだり暴飲暴食をしてしまいがちですが、余計に症状を悪化させてしまうので避けてください。
体内の状態が悪くなれば、ホルモンの急激な変化に対応する力がなくなりますので、自分の生理周期を把握しておき、生理前には健康的な生活習慣を維持するようにしましょう。
また、アルコールの飲み過ぎが寝汗の原因となることもあるので、寝汗をかいている時に飲むと、余計にひどくなるので気をつけて下さい。
参考:貧血ぎみ?吐き気やめまいも生理痛でヒドイ。この場合の対処法は?
生理前の寝汗で注意するべきこと
月経前症候群(PMS)が原因の場合には、寝汗だけではなく色々な症状が同時に出ることがあるので、あまりに症状がひどい場合には病院で診察を受けましょう。
月経前症候群(PMS)の起こる原因はまだハッキリとは分かっていませんが、病院で治療をすれば症状を和らげることができるので、きちんと栄養をとって軽い運動をしているのに改善されないようなら、ぜひ病院で診察を受けてください。
毎月のことですので、いったん症状が収まっても、次の月には再発してしまい精神的にも肉体的にもつらくなっていきますので、症状が軽いうちに診察に婦人科か産婦人科でお医者さんに診てもらうことをおすすめします。
風邪などと重なると症状が重くなる場合も
月経前症候群(PMS)は風邪などの病気と重なると症状が重くなるので、体調が悪い方は早めに診察を受けるのがベストです。
特に働いている方は、疲労やストレスが溜まっていると重い症状となってしまうことがあるので、無理をせずに病院を受診してください。
また、薬を使いたくないという方も、漢方薬など様々な治療法がありますし、初期の段階であれば、薬を使わないで生活のリズムを改善することで症状を軽減するという方法もあるので、お医者さんと相談してみましょう。
まとめ
生理前になると寝汗をかく場合には、黄体ホルモンの分泌が多くなることで体温が上がることや、月経前症候群(PMS)による症状である可能性が高いです。
ビタミンと食物繊維が豊富な野菜で栄養バランスを保ち、適度な運動でストレスを解消することを心がけ、アルコールを飲み過ぎないようにしましょう。
また、体調が悪いと症状が重くなるので、無理をせずに病院で診察を受けてください。