貧血になると氷が食べたくなる、これを「氷食症」と呼びます。妊婦さんによく見られる病気のひとつです。氷食症は母体にも胎児にも悪影響を及ぼすので早めに治しましょう!
「最近、やけに氷を食べたくなるな」「このところ氷が食べたくて食べたくて仕方ないな」「どれだけ食べても氷が足りない…」そんな風に感じるようになったら気をつけて下さい。
今回は貧血と氷の関係性だけでなく、氷食症の見分け方を紹介していきます!そして氷食症と一緒に、氷の食べ過ぎがお母さんの体と赤ちゃんにどう影響するのかも知っておきましょう。
なぜ貧血になると氷を食べたくなるのか?
“貧血になると氷が食べたくなる”というのはわかっているのですが、実は未だ詳しいメカニズムが解明されていないのです。いくつか説はありますので、ちょっとだけ見てみましょう。
まず貧血によって脳に十分な酸素が届かなくなるため、という説です。脳に十分な酸素が届かない=脳が正常に働かないことになります。すると体温調整がうまくできなくなってしまうので、外部から体温を調整しようとするんです。
冷たい氷を食べると体が冷えますから、無意識のうちに氷を食べて体を冷やし体温を調節しようとしているんじゃないか…そんなお話ですね。
もうひとつは口の中が熱くなるため、です。氷を食べたくなった時、口の中の状態をちょっと確認してみて下さい。
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もしかしたら熱くなっていませんか?熱いほどではなくても普段より暖かい感じはしませんか?これは口の中を冷やそうとして氷を求めているのではないか、という説なんです。どちらの説にしても“体を冷やそうとしていること”には間違いありませんね。
妊婦さんに多い理由は?いったいどのくらい食べちゃうの?
妊婦さんが貧血になりやすいのは有名なお話です。赤ちゃんに必要な栄養を与えているのですから、貧血になるのも無理はないでしょう。妊婦さんの氷食症は主に妊娠中期からよく見られるようになると言われています。ちょうど貧血になりやすくなる時期とかぶっていますね。
では、氷食症になるといったいどうなるんでしょう?氷食症になってしまった妊婦さんはどれくらい氷を食べているんでしょうか?暑い夏になると誰でもかき氷を食べたくなったり、アイスコーヒーに入っている氷まで食べたくなったりするものですが、それとは量が比べものにならないんです。
氷食症の妊婦さんは夏ではなくても1日に氷を10個とか20個とか、そのくらいの単位で食べています。1日中氷を食べ続けたり、お皿に盛られた氷をぺろりと平らげてしまう妊婦さんもいるほど。氷食症かどうかの判断は製氷皿の氷を1日に1皿以上食べるかどうか、で決められます。
1個や2個程度なら大丈夫なので、製氷皿を基準に考えてみて下さいね。
お母さんの体や赤ちゃんへの悪影響は?
「氷を食べるくらいなら別に平気なんじゃないの?」いえいえ、そんなことはありません。氷食症はどんどん体を冷やしていってしまうので、とっても良くないことなんです。妊娠していない人でも氷をたくさん食べると手足が冷え、冷え性の症状が出てきます。
頭が痛くなったり、下痢をしてしまったり、肩や首がこったりもするんです。あんまり体が冷えると寝つきにくくもなりますし、下痢をするものですからお腹も痛くなっちゃいます。
妊婦さんですと、逆子や難産の確率が高くなってしまいます。逆子や難産となると出産がすごく大変になりますよね。「もしかしたら氷食症かも…」そう思ったら、まずはかかりつけの医師に相談して下さい。貧血を改善することで氷食症も改善できますから、先生と話し合って治していきましょう。
それから、もともと氷が好きで妊娠する前からいっぱい食べていた、という場合。昔から氷が好きだったとしても、やはり氷をたくさん食べるのは良くありません。
まとめ
氷食症は貧血以外にストレスが原因になる可能性もあると言われている病気です。日頃からストレス発散を心がけてイライラをためないようにしましょう!好きなことをしたり、好きな音楽を聴いたり、リラックスできる時間を作るだけでストレスはかなり違ってくるんです。
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また、貧血の治療をしたとしても1日や2日でパっと治るわけではありません。氷を食べたい欲求が治まるまでは数を減らしたり、口の中に入れたらガリガリ噛んでからガムみたいに出したりと、とにかくお腹の中に入れないように気をつけましょうね。
実際に氷食症を経験した妊婦さんは「異常なほど氷が食べたくなる」と話しています。氷に限らず異常な食欲を抑えるのは大変ですが、赤ちゃんを守れるのはお母さんしかいないんです。同じ悩みを持つ妊婦さんはたくさんいますから、頑張ってみんなで氷食症を克服していきましょう!