なんだか胃腸の調子が悪いなと思ったら、急な嘔吐と下痢でグッタリ。もうこのまま私死んでしまうのかも。
なんて気弱になってしまうほど、辛い症状ですよね。下痢・嘔吐が頻繁に生じているときは食事なんて以ての外と思ってしまいますが、胃腸を正常な状態に戻すためにも食事を摂ることは大切です。
ここでは急性胃腸炎を改善するための良い食事と悪い食事を比較しながら、正しい対処法を説明します。
目次
急性胃腸炎の初期に食事はしても良いの?改善する良い食事とは
急性胃腸炎が生じたばかりの初期の段階や徐々に回復期へ向かう段階など、そのステージによって体に良い食事は変わってきます。
場合によっては食事をとること自体が負担になることも。段階別の対処法とそのときに積極的にとりたい食事について解説していきますね。
急性胃腸炎の発症初期段階 激しい下痢や嘔吐があるとき
基本的に食事はとりません。なぜなら食事をとるとその消化のために胃腸が動かないといけないためです。ただでさえ機能していない胃腸に、食べ物を入れることは危険です。
特に胃では消化のために胃酸が分泌されますが、これをさらに吐いてしまうことで強酸性である胃酸に食道や咽頭部分が荒れてしまいかねません。激しい下痢や嘔吐がある初期段階では絶食をするのが望ましいです。
ただし、下痢や嘔吐で水分とミネラル分が体外へ思いのほか出て行ってしまうので、脱水症状を引き起こさないためにも水分補給をするようにしましょう。
これも冷やし過ぎた水などでは逆に刺激になってしまいます。常温の、経口補水液などのミネラル飲料水を少量ずつ飲むようにしましょうね。
まとめ
- 胃腸炎初期は下痢嘔吐が盛んな場合絶食が基本
- 脱水症状を生じさせないために常温のミネラル飲料素を少量ずつ
急性胃腸炎の回復段階 下痢嘔吐の回数が減って来たら
徐々に回復してくるとともに、食事の内容も少しずつバージョンアップさせましょう。まずは水分。ミネラル飲料水が基本ですが、お茶や味噌汁の上澄みなども取り入れてみましょう。ただし水分の中でも炭酸がきついものや合成甘味料が大量に入ったものは避けるようにしてください。
次に流動食です。お粥でも米粒が見えるか見えない程度の七部粥や柔らかいゼリーなどがオススメです。食事に関しても温度には注意してください。熱すぎたり冷たすぎるものは刺激になり下痢嘔吐をぶり返す原因になります。
これらの流動食を食べて24時間以上急激な症状の悪化などがみられなければ、次の段階へ進みましょう。
まとめ
- 症状の回復とともに食事をバージョンアップ!24時間以上経過観察をしながら徐々に水分→流動食へ
- 食事の温度にはくれぐれも注意!冷たすぎても熱すぎても刺激になります
参考:ウイルス性胃腸炎を発症したら仕事は休むべき?いつから出勤できる?
急性胃腸炎の回復後 嘔吐が出なくなったら
嘔吐の症状がやっと治まってくれたからといって、すぐに脂っこい食事なんて食べることは無いと思いますが、この時期に食べるもので胃腸の回復に大きな差が出てきます。
食事を再開させる目安としては嘔吐が少なくとも3時間は全くでなくなったときです。このとき下痢症状はまだ完全に回復していなくても大丈夫。出来る限り栄養をとることが先決なので、嘔吐症状がある程度治まっていれば回復後とみなしてください。
またいつもの食事量をいつもの回数食べるのではなく、まずは少量から一日5、6回に分けて食べるのもポイントです。胃腸を早く回復させるためにも次の食事をこころがけましょう。
炭水化物
消化され易くエネルギーになり易い炭水化物は積極的に選びましょう。ただし体に良いですが消化に時間がかかる玄米や全粒粉パンなどは避けるように。
また、通常は腸の調子を整えてくれる食物繊維が豊富なものも、胃腸炎の回復後では刺激となってしまうので控えましょう。
オススメ食材:白米(お粥など柔らかいもの)、うどん(柔らかく煮込んだもの)、食パン(全粒粉やライ麦などでないもの)
タンパク質
胃粘膜の修復などの役立つタンパク質ですが、代表的に思いつくお肉は消化にかなりの時間がかかるためオススメできません。
あくまでも消化に良いタンパク質をとるようにしましょう。オススメは植物性のタンパク質です。日本人になじみ深い大豆製品は積極的にとりましょう。
オススメ食材:大豆製品(豆腐、納豆、味噌汁など)、卵(生でないもの)、白身魚
野菜
体の回復を早めてくれるビタミンが豊富なお野菜はしっかりととるようにしましょう。
しかし繊維質の多いものは刺激になるため避けるように。色が濃い野菜を煮込むなどで柔らかくしたものがオススメ。ペースト状にしてスープとして飲むのも消化が良いです。
オススメ食材:ほうれん草、大根、じゃがいも
参考:下痢が続いている時の食べ物は何が良い?理想の食事メニューも
急性胃腸炎のときに避けたい悪い食事
下痢や嘔吐が激しいうちは食事を摂りたいとすら思わないかもしれませんが、回復すると同時にいつもの食事に戻してしまうのは症状を長引かせることにつながるため危険です。
特に避けたい悪い食事について説明します。出来る限り避けるようにこころがけましょう。
脂の多い食事
脂分の多い食事は消化に時間がかかり胃腸にかなりの負担をかけます。また脂を分解するために膵臓などの他の臓器も活発に働く必要があるため、体力の消耗にもつながります。
胃酸の分泌を過剰に引き起こすことで、せっかく症状が落ち着いて来たのが胃もたれにより逆戻り、なんてことも。特に次に挙げるような食事はしばらくのうちは摂らないようにしましょう。
- 揚げ物、フライ(トンカツや唐揚げなど肉類の揚げ物は特に注意)
- スープが脂っぽいもの(ラーメン、もつ鍋、ビーフシチューなど)
- スナック菓子、揚げ菓子(ポテトチップス、おかきなど)
- バターや生クリームが豊富な洋菓子
砂糖や合成甘味料が多く使われている食事
急性胃腸炎のときはとにかく甘いものは控える方がベター。お砂糖は消化に時間がかかるばかりか胃に対して刺激物になります。
また、合成甘味料が多く含まれているジュースやゼリーなども、胃を刺激する他大量に摂取すると下痢を引き起こしてしまいますので避けましょう。特に甘いうえに脂で揚げているものは、胃腸への負担が大きいので絶対やめるように。代表的なものが以下のとおりです。
- チョコレート、揚げドーナツ、ケーキ、芋けんぴなど(糖分+油)
- カロリーゼロなのに甘いジュースやゼリー(合成甘味料が使用されています)
香辛料がたっぷりの食事
言わずもがな、香辛料が多く含まれる食事は胃腸を刺激して回復を遅らせます。
唐辛子や胡椒、わさびなどもしばらくは避けるようにしましょう。
- キムチ、カレー、お寿司など
食物繊維が豊富な食事
特に不溶性の食物繊維を多く含むものは、消化されにくく胃腸炎の際には負担になります。
腸内細菌が正常に働いてない状態で食物繊維を摂りすぎると、腸内でガスが多く発生してしまい更なる下痢を招く恐れもあります。特に注意したい食品を次に挙げますのでご参考にしてください。
- ごぼう、タケノコ、とうもろこし、アボカドなど
- いんげん豆、ひよこ豆などの豆類
- キノコ類、海藻類
- 玄米、ふすま粉(全粒粉)など
参考:食後からどのくらいで腹痛・下痢になる?原因の特定方法も
まとめ
急性胃腸炎での基本的な治療法は、下痢止めや吐き気止めを使わないことがほとんどです。
そうなるとうまく症状と付き合いながら、下痢・嘔吐が治まるのを待つほかありません。そんなときに少しでも早く回復させるために、紹介した食事法を参考にしてみてください。
そしてどうしても食事が摂れないという状況であっても、水分補給はこまめにするようにしてください。
参考:睡眠中の夜中に突然腹痛がやってくる!夜中にお腹を壊す原因は?