みなさんの中に、「病気になってでも、仕事を休みたい!」という日はありますか?
ほとんどの場合は、「休みはほしいけど、病気にまではならなくてもいいや」と感じるのではないでしょうか。こんな病気にかかったら、仕事を休むべきかもしれない話です。
毎年、冬場にはやっていて、
「予防のために手洗いを!手指の消毒を!」
と大騒ぎになる、あのウイルス。とても感染性が強く、学校が休みになるほど流行します。
ウイルスに感染することで発症する胃腸炎を、ウイルス性胃腸炎といいます。
「こういうウイルスにかかり、ウイルス性胃腸炎を発症すると、どうなるの?」
毎年私たちを騒がせる、ウイルス性胃腸炎。ニュースになる前に、ちょっと勉強しましょう。
目次
感染性は強力?!ウイルス性胃腸炎
ウイルス性胃腸炎の怖いところ。それは、インフルエンザのように『感染性』がとても強いこと。
感染を防ぐために、冬になると毎年
「手洗い、うがいの徹底!」
「手指の消毒もせよ!」
と、大騒ぎになると思いませんか。しかし、それだけでは感染は防げないのです。
仕事に行くべきではないのです!
そう、ウイルス性胃腸炎は、先ほど話したように、とても感染性が強いのです。ということは、会社側は、
「あの人が出社したら、他の人にうつるよね・・・?!」
「それは困る。あいつを休ませよう!!」
という具合に、すでに感染した人から、別の人にうつる(二次感染といいます)ことを、何が何でも避ける手段をとるのです!
ただ、ウイルス性胃腸炎にかかったら、(このあとで説明しますが)仕事どころではない症状にみまわれて、本当に仕事どころではないのでは、とも思います。
原因のウイルスとは?!
ウイルス性胃腸炎と一言でいっても、ウイルスの種類はたくさんあるんです。
毎年聞くノロウイルスをはじめ、ロタウイルス、アストロウイルス、アデノウイルスなど。聞きなれないものばかりですよね。
まず、この胃腸炎が、どんな病気か説明しましょう。ウイルス性胃腸炎は、飲食物を調理したときに、調理した人の手から食べものを介してウイルスに感染する、または、病院や介護施設などで、汚物の処理をした、看護師・介護士の手や、手を触れたものから感染する、ということがあります。
ノロウイルスを例に挙げると、ウイルスが体内に入り込んでから、1~3日で発症します。
また、一般的に、「カキなどの二枚貝を調理せず生で食べる」感染すると言われますが、カキ自体が絶対に感染の原因とは言い切れません。
ノロウイルスは、海水に含まれているので、カキ以外の魚や貝を食べたり、海水を大量に摂取したりすると、ノロウイルスに感染する可能性もあるのです。
いつ、仕事に戻れる?
ウイルス性胃腸炎にかかると、職場でも「しばらく休め」、病院に行ったとしても「仕事に休んで家で安静に」のように言われます。
「このまま、一生仕事に行けないのかな・・・」
なんて、悲しいことが頭に浮かんでくるかもしれません。
安心してください、「一生仕事はダメ」ということなんて、ありません!
完治するまで
症状によって、もちろん差があるとは思いますが、普通は3日ほどで症状がおさまり、完治にいたります。
もちろん、仕事に復帰する前には、病院へ行き、医師からの「OK」をもらわなければいけませんよ!
今は、「一瞬でノロウイルスをやっつける!」というような、ウイルス性胃腸炎に効果のある薬がないので、治療といっても、「現れている症状をやわらげる」ものになります。
それでも、3日ほどで治るなら、万々歳ですね!
参考:風邪のときに胃痛が激しい場合の対処法!その他の病気の可能性は?
こんな症状が出たら、注意!
みんな心配な、「いつ仕事にもどれるか」がわかったところで、ノロウイルスを例に、感染した場合の症状をみていきましょう。
嘔吐
ほとんどの場合、腹痛と同じ時期に起こります。
嘔吐は、12時間くらいでおさまりますが、それでも胃の中身を出し切るまで吐き気が続くので、とてもつらい、ということが想像できますよね。
下痢
この症状は嘔吐の症状と同じような時期に起こることがあります。
下痢止めを使用しても、症状が治まるまでの時間が短くなることはありません。
苦しくても、体内にウイルスが状態を続けるより、止めずに出してしまう方が治りが早いと言われています。
発熱
ウイルス性胃腸炎は、一種の感染症です。ですから軽い発熱が起こることが多いようです。
また、嘔吐や下痢による脱水症状によって、頭痛や倦怠感が現れることもあります。この症状のひどさ。吐き気12時間です!仕事どころじゃないと思いませんか?
ノロウイルスが人にうつるまで
少しお話ししたように、ノロウイルスは「人から人へ」感染する可能性が高いウイルスです。仕事に行っても、ほとんどの時間をトイレで過ごすことになってしまいますよね。
先に話したように、ノロウイルスへの感染は、汚物の処理で起こることが多いのですが、処理することだけが、感染経路ではありません。例えば、まわりに飛び散っている汚物があった場合は、時間が経って乾燥してしまうと、空気中にウイルスが漂いはじめるのです!
職場でこんなことがあったら、社員全員ノロウイルスでダウンなんてことも考えられると思いませんか?だからこそ、自分と会社のためにも、仕事に行くべきではないのです。
ウイルス性胃腸炎の予防のために・・・
せっかく完治したのに、気がゆるんでまたウイルス性胃腸炎に、なんてことがあったら、嫌ですよね。
そのために、いますぐ出来る!予防法を紹介します!
使い捨て手袋を!
汚物の処理をする必要がある場合は、必ず使い捨て手袋を使用し、直接触れないようにしましょう。
また、マスクをつけて空気中のウイルスを吸わないようにする、使い捨てのエプロンを着用して、衣服にウイルスが付着しないようにすると、なお予防になります。
人混みを避ける
通勤の満員電車、休日のデパート・・・。人混みの中に、感染性のウイルスがいないわけがありません!
特に、ウイルス性胃腸炎がはやる冬場は、インフルエンザもはやる時期です。人混みを避け、感染を防ぎましょう!
マスクを使う
通勤のためにどうしても乗らなければいけない満員電車。そうでなくても、1日中家の中で過ごすというのは、なかなかできないものです。
外出時のウイルス対策として、マスクを使いましょう!ウイルスは、せきやくしゃみで外に飛び出します。
自分が誰かにうつすことも、誰かからうつされることも、マスクで防止するのです!
手洗いうがい
調理や食事の前、トイレのあとは、手についたウイルスを、洗い流すとき。石けんと流水でしっかり手を洗いましょう!
方法を紹介するので、参考にしてください。
<手の洗い方>
- 時計など、手のまわりにつけているものをはずす
- 流水で手をしっかり洗う
- 石けんを泡立てて、手の平・甲・指(指と指の間も)をしっかり洗う
- 手首から肘まで洗う
- 爪の間や、手のしわもこすって洗う
- 石けんをしっかり洗い流す
- 洗い終わったら、タオルなどで水気を取ります。
※手拭タオルは、他の人と共有しません!
ここまで気をつければ、感染は避けられるのでは?!
まとめ
原因をノロウイルスに代表される『ウイルス性胃腸炎』は、特に冬に感染のリスクがとても高くなります。ひとり感染したら、まわりの人にどんどん広まる可能性があります。
感染を防ぐために、一人ひとりが「どうすることで感染してしまうのか」、「感染を避けるにはどうするのが良いか」を考え、対応していくことが大切です。
予防策には、「手洗いうがい」のような日々行うことも含まれています。
「感染して、仕事を休まないといけなくなった
」ということが起こらないように、いまからしっかり対策しましょう!
参考:ノロウイルスの疑いで検査が出るまで出勤停止?検査の費用はいくらかかる?