嘔吐や下痢症状でただでさえしんどい中、高熱まであるなんて…。すぐにでもどうにかしたいですよね。

 

でも実はその熱、単純に解熱剤を服用しない方がいい場合もあるんです。しっかりと症状を見極めて、正しい改善方法を学びましょう。

 

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急性胃腸炎での高熱とは 何故生じる?

急性胃腸炎 熱

急性胃腸炎の主な症状は下痢と嘔吐です。そもそも胃腸炎とは症状によって診断されますが、その原因は様々で確定診断をするに至らないことがほとんどです。

 

すなわち急性胃腸炎といえども、下痢嘔吐だけが激しく出る場合や高熱をともなう場合など、様々です。

 

ではなぜ高熱が出るのでしょうか。原因を正しく知って対処しましょう。

急性胃腸炎で何故高熱がでるのか

急性胃腸炎と聞くと、感染性が強く激症型の症状に陥ってしまうノロウイルスを想像しますが、もちろんすべてがそうではありません。

 

しかし、90%以上の急性胃腸炎が、原因は特定せずとも何かしらのウイルス性であることは間違いありません。ウイルスに感染してしまいそれを体外へ排出するために下痢や嘔吐を繰り返しているのです。

 

熱に関しても同様のことが言えます。人間は熱をだすことにより体の化学反応を活発化させ、免疫力を高めていくのです。熱が出ているということは、体の免疫機能が頑張っている証拠で、持っている免疫機能を駆使してウイルスと戦っている、ということです。

熱を生じさせる代表的な感染性の胃腸炎

特に代表的な、熱がでやすい感染性胃腸炎は次の通りです。

ノロウイルス

潜伏期間は24〜48時間ほど、主な症状は嘔吐・下痢・腹痛の他に37〜38℃の発熱がある場合も

 

感染経路は食中毒の場合生ガキなどの二枚貝の生食であり、または感染者の汚物との接触などによる感染があります。ノロウイルスは特に嘔吐症状が酷いことが多く、同時期に水様下痢が生じてしまうので一日中トイレにこもりっぱなしになってしまうことも。

 

また感染力がとてつもなく強力で、殺菌消毒で一般的に使われるアルコールが効果を示しません(細菌ではノロウイルスにも効果的な消毒用アルコールが販売されています)。

カンピロバクター

潜伏期間は2〜5日間で、主な症状は下痢・腹痛・嘔吐・全身倦怠感、そして多くが40℃以上の発熱をともなうと言われています

 

カンピロバクターは特に1日最高便量が多く、血便を伴う場合も。感染の原因は鶏肉や牛レバーなどの生焼き・生食で、熱に弱いためしっかりと加熱処理をすれば予防できます。

腸炎ビブリオ

潜伏期間は10〜20時間と短く、発症すると腹痛・下痢・嘔吐、そして40℃近い発熱をともないます。腸炎ビブリオは他の感染性胃腸炎に比べ死亡例が多く、その理由として毒素が心臓の筋肉を破壊する心臓毒であることが挙げられます。

 

一般的には2、3日もすれば自然治癒するとされています。感染経路はサバ、アジ、イカなどの魚介類で、調理器具の汚染により二次感染の可能性もあります。

 

予防として、腸炎ビブリオは海水に強く真水に弱いため、海でとれた魚は必ず水道水で洗うようにすることです。また調理器具は洗剤でこまめに洗うようにし、二次感染を防ぎましょう。

 

参考:睡眠中の夜中に突然腹痛がやってくる!夜中にお腹を壊す原因は?

熱があるときの改善方法 薬は使って大丈夫?

急性胃腸炎 熱

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下痢・嘔吐に加えて熱症状が酷い場合に懸念されるのは、体力の消耗による衰弱です。熱を発散させることは体のエネルギーを多大に消費します。

 

ただでさえ下痢・嘔吐により食事が摂れず、栄養不足に陥っている中でエネルギーを大量消費するので、普段体力がある人ですら弱ってしまうのは言うまでもありません。だからといって症状を抑える薬を使ってもいいのでしょうか?

 

そのあたりについてわかりやすく解説していきますね。

急性胃腸炎の治療方法

胃腸炎で下痢や嘔吐、発熱の症状があり病院を受診したとします。ここで施される治療とは、残念ながら根本治療ではなく対症療法に過ぎません。

 

なぜなら、原因となるウイルスや細菌を特定する時間や手間が無駄であることと、たとえ確定されてもその特効薬となる抗菌剤や抗ウイルス薬が無い可能性があるからです。そして重要なことは、対症療法と言えども、症状を止めるようなことはしません!

 

何故なら、その症状によってウイルスが体外へ排出され回復に繋がるからです。病院でされる処置として考えられることは、

 

  • 脱水症状への対策
  • 栄養補給のための点滴
  • 整腸剤の投与

 

などです。下痢止め、吐き気止め、解熱剤が欲しいところですが、これにより症状が長引いてしまう可能性があるのです。特に熱に対しては、普段頭痛のときに使っているようなロキソニンなど、ドラッグストアで気軽に手に入るだけに自己判断で服用してしまいがちです。

 

ですが、熱が何故出ているのか、というところをしっかりと理解して服用しないようにしましょう。

 

※ただし、40℃以上になる高熱があまりに続くなど、脳症の危険性があるため病院にて処方されることもあります。この場合も自己判断での解熱剤服用は絶対にやめ、医師の指示を仰いでください。

自宅で出来る熱への対処法

解熱剤を用いて体温を下げてしまう事は、原因となる細菌やウイルスへの対抗力を弱まらせてしまうものである、と説明しました。

 

しかし、熱による不快感を取り除いてあげることで、かなり気持ち的に楽になることができます。自宅でできる対処法を紹介しますので、試してみてください。

外から冷却シートなどで体を冷やしてあげる

おでこに貼るイメージの強い冷却シートですが、リンパが集まっている部位に貼ることで体が冷めていく感覚を味わえます

 

脇の下、首の裏側、太もものつけねなどです。ただしお腹の近くはさらなる下痢を催す可能性があるので避けるようにしましょう。

熱による大量の汗を取り除き清潔にする

熱を発散させる際に大量の汗をかきますが、これが体にまとわりつくことで不快感が増します

 

疲れていて着ている服や布団のシーツなどに気が回らないかもしれませんが、せめて下着をこまめに変えるなどして対策してください。

水分補給をこまめにする

もちろん脱水症予防という意味でも水分補給は大切ですが、体のなかに体温よりも冷たい水が入ることで体にとって清涼感を味わうことができます。

 

それほど長期的な効果はありませんが、一瞬でも気が楽になると安心しますよね。注意すべき点は、冷たすぎる飲み物や食べ物は胃腸を刺激して消化器症状を悪化させるので、必ず常温程度のものにすること。

あまりに長引く熱の場合

自宅療養で解熱剤など薬を服用せず、どれだけ時間が経っても症状が改善されない…。

 

まれなことですが、免疫力が弱ってしまっている場合はこういった可能性もあります。目安としては3日間の熱は敵と戦っているため、4日以降も熱が続くようならば医療機関を受診しましょう。

 

参考:ウイルス性胃腸炎を発症したら仕事は休むべき?いつから出勤できる?

まとめ

急性胃腸炎のときに体に生じている症状は、体を守るためのものだ、ということはお分かりいただけたでしょうか。

 

一般的には自然治癒可能なものですが、極度に体の免疫力が落ちている場合や子どもやお年寄りなど体力の無い人にとっては命の危険につながることもあります。時と場合を見極めて、病院に行くタイミングを逃さないようにしましょう。

 

また、自宅で療養する場合にも体調変化などが著しい場合は、勝手な自己判断をせず医療機関を受診してください。

 

急性胃腸炎で最も重要な自宅で出来るケアは水分補給です。いざという時のためにも、経口補水液などミネラル飲料水をストックしておくといいかもしれませんね。

 

参考:つらい!急性胃腸炎を改善するための良い食事・悪い食事