冬場や気温が低くなったりすると、鼻水が出やすいのは誰でも経験があると思いますが、鼻血が出て困ると言う人も意外と多いんですよ。それを聞いて「自分だけじゃなかった!」と、ちょっと安心する人もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、鼻血=「暖かくなる」「のぼせる」ってイメージが付きものですが、それはひと昔前の話みたいですね。耳鼻科の先生によると、鼻血の患者さんが増えてくると冬の到来を感じるとか。それだけ、冬の鼻血は珍しい症状じゃないようです。
そんな冬にでる鼻血の原因など詳しくまとめて解説していきますね。
冬に鼻血が出る原因は?
冬に鼻血が出やすいとは言っても、突然出る鼻血、出るとなかなか止まりにくい鼻血、頻繁に鼻血が出たりすると、「病気じゃないか?」と考えがちです。
まずは、冬に鼻血が出る原因を見てみましょう。
外気の湿度が下がり鼻の粘膜が乾燥から
外気温度が下がる事で粘膜が乾燥して鼻血が出る場合、量的には少し滲む程度から、ドロッと出るほどの量などそれぞれ。
室内での暖房による鼻の粘膜の乾燥から
加湿なしの暖房が主な原因ですが、会社などの場合はパソコンなどのOA機器からの発熱も加わって、部屋全体が乾燥するため。
高齢によるもの
加齢により鼻の粘膜の潤いが損なわれたり、鼻の中の血管が薄くなるため。
女性の閉経後によるもの
更年期を境に体液を作り出す元となるエストロゲン(女性ホルモン)の減少のため。
風邪やアレルギー性鼻炎から
鼻水がでる度に鼻をかむ、鼻が詰まっているのに無理やり鼻をかむなどにより粘膜が傷つきやすくなっているため。
以上のような原因が考えられるんですけど、冬に限って言えるのは何といっても、外気温度の低下と室内の暖房が粘膜を乾燥させてしまうからなんですね。
乾燥が原因って言うことが分かった所で、他の原因もいくつかあるのでご紹介しておきますね。
その他に考えられる原因
鼻血の原因が冬場にひどくなる症状の中には、一年中起こるモノもあります。その原因を見てみましょう。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎を引き起こす花粉症やハウスダスト。冬場の花粉症の原因は杉・ブタクサ・よもぎ・稲・ヒノキ・ハンノキなどの花粉が考えられます。
ハウスダストは、ホコリ・ダニが主な原因ですね。これらが引き金となり鼻のカユミや鼻水により鼻をかんだり触ったり、いじったりして弱った粘膜を傷付けてしまった結果、鼻血が出る。
アレルギーは、ほとんどの場合いがくしゃみも一緒に出ます。もし自分が何のアレルギーを持ってるのか不明なときは、医療機関で一度キチンとアレルギー検査を受けて原因を特定したうえで、アレルギー対策をすると鼻血の症状も違ってくるかもしれませんよ。
血管運動性鼻炎
- 季節の変わり目
- 長時間の入浴
- 激しい運動
- 飲酒
などの温度変化によって、血管が拡張収縮を起こすことを血管運動性鼻炎も、鼻血の原因になります。
ストレス
ストレスが原因で自律神経の乱れや、血圧の上昇が起こる事で鼻血が出ることがあります。
症状がひどくなると鼻血のほかに、めまい・耳鳴り・動悸・息切れ・無気力・気分が落ち込む、などの症状が頻繁に起きる時は、自律神経失調症の可能性があるので、症状が治まらない時は心療内科を受診してみると良いですよ。
心療内科の認知度も高くなって患者さんも増えていますから気軽に受診してみましょう。
それじゃ、突然鼻血が出てきたらどんな方法で止血したらいいのか?よくやりがちなアノ方法、実は危ないやり方だったんですよ!どうしてなのか、合わせて説明していきますね。
参考:鼻血はストレスが原因の可能性も!?大人と子供それぞれの原因
参考:朝になると鼻血が出てしまう原因は?寝ている間に要注意!
鼻血が出たときの対処法
鼻血が出た時についやってしまうのが、鼻にテッシュを詰め込んで顔を上に向ける動作。
実は、慌てて顔を上に向けてしまうと、鼻血が鼻から口へと逆流した血が喉へと流れます。場合によっては固まった血が喉をふさいで窒息したり、胃の中にたまった血が固まって吐いてしまう事もあるんです!
ちょっと間違えると危険が伴うことを、知らないでやってた人多いともいますが、次からはやめましょうね。それから、鼻血が出ている時に寝かせる時も、上向きに寝かせるんじゃなくて必ず横向きに寝かせるようにしましょう。
では気を取り直して、鼻血が出た時の好ましい対処法をお伝えしますね。
鼻筋を上から下へ向かって手で触っていくと、硬い骨から軟骨に変わる「小鼻の部分」と言われるポイント部分を指でつまんで止血するという方法です。
この事を踏まえて・・・鼻血がでたら鼻の穴にガーゼやコットン、ティッシュペーパーなどを詰めて小鼻をしっかりとつまみます。その状態のまま椅子などに腰を下ろし少しうつむき加減に【考える人のポーズ(鼻をつまんだ方のヒジを片方の足の太ももの上に置く)】の姿勢をとり、約5分~15分ほど動かないでじっとしてしておきます。
ほとんどの鼻血はこのポーズで止めることが出来るんですよ!しかもこのポーズだと顔を下に下げるから血が喉に流れる事もないんです。さらに、冷やす事で血管が縮まり血流量が減少しますから、冷たいタオルやアイスバッグなどで冷やすのも効果的です。
もし、ワセリンが自宅にあるなら鼻への詰め物の先にワセリンを少し付けてから鼻に詰めると、乾燥予防、傷の治癒促進なども期待できるんです。肌や唇の乾燥にも使えますから、ワセリンを一つ常備しておくと良いですよ。
いつもと違う鼻血には病院へ
まれにゼリー状になった血の塊が鼻や口からドロッと出てくることがありますが、それは鼻血が固まり始めた途中の状態なので心配はいりません。鼻血は放っておくと習慣になってしまうので、再発しない様に対策をしましょう。
- 止血の処置をして15分以上経っても鼻血が止まらない
- 鼻血が出続けて顔色が悪くなる
- 大量に出血している
- 数時間おきに多めの鼻血が出る
自力で処置をしても「おかしいな?」と思ったら、迷わず耳鼻咽喉科を受診しましょう。
考えられる病気とは?
これまで見てきたような鼻血のほかに、何らかの病気が隠れている場合もあるようですから、具体的に見ていきましょう。
- 糖尿病や動脈硬化、高血圧といった血管が弱っている病気
- 白血病、血小板減少病など血液の病気
- 肝機能障害
- 脳の病気
- 腎臓の病気
- がん
などが考えられます。特に血液の病気の場合は、血管や粘膜がもろくなっているので突然大量の鼻血が出たり、歯茎からも頻繁に出血することがあります。肝機能障害の場合だと、皮膚や白目に黄疸が見られます。腎臓の病気の場合は、全身にむくみが出ることがあります。
もし、鼻血がよく出るという方は、他の症状と合わせてみて、自覚症状がある時は医療機関への受診をおすすめします。
知っておきたい再発防止の方法とは?
鼻血が出血した部分には「かさぶた」ができます。そのかさぶたが自然に剥がれて完治するまでに約1週間かかると言われているんです。
その間、鼻血が再発しないために、やってはいけない行動があるんですよ。
- 長風呂
- 鼻への刺激(鼻を触る・ほじる・鼻水をすする・かみ過ぎる)
- アルコールを飲む
- 激しい運動
どれも鼻の血管を拡張したり鼻への刺激が原因となって鼻血が再発してしまうんです。鼻血が出やすいと言う人はこの事に十分に気を付けて鼻血が出た後の1週間を用心して過ごして下さいね。
それでも鼻血が頻繁に出ると言う人は病気も視野に入れておきましょう。
そもそも鼻血はどこから出るの?
まず、鼻血の90%はキーゼルバッハ部位(左右の鼻の穴を隔てている、真ん中のかたい部分にある鼻腔隔”びくうかく”)と呼ばれる、鼻の入り口から1センチくらいの所にある小鼻のあたりから出血しているんです。
このキーゼルバッハ部位の粘膜は薄く、毛細血管が集中しているので少しの傷で出血してしまいます。鼻を強くかんだり、触ったり、のぼせたりして起こる鼻血の原因はこのキーゼルバッハ部位の刺激によるもので、基本的には心配いりません。
また、キーゼルバッハ部位の粘膜の弱い発育途中の子供達は大人よりも簡単に鼻血が出るという事だそうです。
そして残りの10%はどこからか?それは、鼻の奥の鼻腔の粘膜からの出血です。ここからの出血には高血圧や動脈硬化の方、がんや繊維腫による出血も関係があるので、注意が必要な鼻血なんですよ。
この鼻腔の粘膜からの出血には特徴があります。
刺激を与えていないのに突然出て来る
鼻の中は、柔らかく弱い粘膜でできていて血管の壁も薄いため、刺激に弱く傷つきやすく出血が起こりやすいんです。
特に入口から1cmほどの場所は、毛細血管が張り巡らされているから十分に注意したい所ですね。
予防はできるの?
一般的な乾燥が原因だったら、鼻の中の乾燥予防を心がけると良いですよ。
直ぐにできる簡単なものばかりですから今日からでも始めてみましょう。
部屋(寝室)の加湿
アレルギーがある人が加湿器を使う場合にはフィルターや開口部、タンク等のお手入れをこまめにして清潔を心がける様にましょう。
マスクをする
外出時は冷気による刺激を防ぎ、寝るときに付けると、鼻と喉の乾燥を防いでくれます。
ワセリン、馬油、オリーブオイルなどを鼻の粘膜に塗る
ワセリンを1日に数回、鼻の粘膜に塗ることで乾燥を防いで潤いも持続します。薬ドラッグストアなどで専用の商品もありあすから迷ったら薬剤師さんに相談してみましょう。
この様に、もしかさぶたが出来ている時は、加湿と合わせてワセリンなどを塗ると治癒が早くなるようです。
素朴な疑問・・・チョコレートで鼻血がでる!?
寒い冬に飲みたくなるホットチョコレートにショコラティエが作ったリッチなチョコ、女子は大好きじゃないですか?最近は甘いものが好きと公言しているスイーツ男子をテレビなどでよく見かけますけど、チョコを食べる機会が増えたんじゃないでしょうか。
子供の頃に親からよく言われた言葉に「チョコレートを食べすぎたら鼻血が出るよ!」と言う都市伝説的なウワサですが、これって本当なんでしょうか?
答えは、「NO」です!
上記で見てきたとおり、鼻血は「キーゼルバッハ部位(毛細血管)が傷つくことで出血する」でしたよね。だから、激しく鼻をほじったり、ひどく鼻をぶつけたりと何らかの刺激がない限り、そんなに頻繁に出る物じゃありません。
でも、まったく嘘ともいえない説があるそうなんです。
毛細血管がふやけて破れる説
チョコレートに含まれているカフェインには、神経を興奮させる働きが知られています。この働きを利用して眠気覚まにとし使う人も多いですよね。神経が「興奮状態」になると同時に、全身の血の巡りがとても良くなります。
鼻の毛細血管も、平常時より多量の血液が流れ込もうとするため、外的刺激による傷がついていなくても毛細血管が「ふやけて破れる可能性があり、出血しやすくなる」という説です。
植物性油脂により出血が止まらなくなる説
市販のチョコレートのほとんどに植物性油脂が使われています。この中に「酸化防止剤(ビタミンE)」が含まれていて「出血が止まりにくくなる」という副作用があると言われているんです。
ですが、その様な可能性として言えるのは、チョコレートやピーナッツなどに小児アレルギーや、鼻アレルギー(粘膜炎症など)を持っている人に限って、鼻血が出る可能性を否定できない言うことなんですね。
以上、冬のチョコレートと鼻血の因果関係について、こんな説もあるんだよ、と言うお話でした。
参考:カフェインアレルギーとは?コーヒーでアレルギー症状が出る可能性も!
まとめ
いかがでしたか?冬に出る鼻血には意外な理由があったんですね。
冬場の低温による冷気は鼻の中を乾燥させるだけじゃなく、屋外と室内の温度差によってアレルギー症状がひどくなったり、風邪をひきやすくなって鼻をかむ回数が増える事で、鼻の中の粘膜を傷つけてしまった結果、鼻血がでてしまう。
その上、冬は部屋を密閉して窓も中々開けることがありませんから、ハウスダストによるアレルギー性鼻炎の人も増えて悪循環に陥ってしまいます。この様に鼻血が出やすくなる条件が整ってしまうのが、冬場という訳なんです。
自分は他の人と比べると鼻血がでやすい体質だと実感していて心配なら、耳鼻咽喉科で診察してもらいましょう!
これといった病気が見つからなくても、医師からの指導や治療で症状が良くなる事もありますし、正しい対処法も慌てないですむように覚えてお久と良いですね。
参考:ワセリンを鼻に塗るだけで花粉症に悩まされない!?効果的な方法とは?