花粉症の嫌な症状を和らげてくれる強い味方!そうです、それがワセリンです。高額なものではなく、誰でも手軽にドラッグストアで購入できますよね。
実は花粉症対策にワセリンの効果が話題になっているんです!
そんなワセリンを使って、効果的に花粉症対策を試みましょう。
目次
ワセリンが花粉症に効果アリ!
ワセリン対策をやっている花粉症の方が、確かにワセリン使用前とは違うと言っています。
ひどい鼻水が軽減したそうです。効果に個人差はあると思いますが、試してみる価値はあるでしょう。
その方法について詳しく解説していきますね。
ワセリンについて
「ワセリンって何?どんな成分で出来ているの?」
まずはワセリンについて知りましょう。原料は石油です。
「えっ!石油!?」
と驚かれたかもしれませんが、『石油の炭化水素類の混合物を脱色して精製したもの』と、日本薬局方(厚生労働省の定めた医薬品の規格基準書)で定義されています。厚生労働省認可の医薬品なのですね。
乾燥から皮膚を保護する効果があるため、医薬品の軟膏の基材として使われています。病院で処方される軟膏にも、ワセリンは使われているのです。
切り傷の止血にも使われます。ボクシングの試合中、選手が目の上を切って流血などというシーンがありますね。そんなとき、トレーナーがせっせと選手の顔に塗り込んでいるのがワセリンなのですよ。
保湿成分があるので、化粧品の基材としても使われています。あなたが日常使っているクリームにも、ワセリンが使われているかもしれませんね。
なぜワセリンが花粉症に効果があるのか
花粉症の原因となる花粉を、じっくり観察したことはありますか?
多いところでは地面の色が変わるほど降り積もっていますが、一つ一つは小さな粉末です。葉っぱなどなら簡単に払い落とせますが、粉末をすべて払い落とすのは至難の業でしょう。花粉症の季節の外出は、そのせいで気が抜けません。
厄介なことに微細な粉末だからこそ、どんなに予防していても、風にのって飛んできて人の体に貼り付きます。目や鼻に付いたら、そこから花粉症の症状が始まるのです。
その花粉を防ぐために、花粉症予防にはマスクを着用が欠かせなくなるのです。
視力が悪くなくても眼鏡をしたり、帰りが夜になると分かっていてもメガネやサングラスをしたりして、侵入を予防しますよね。それでも完璧に防御するのは難しいのです。
ではどうするのがいいのか。花粉を体内に入れない、入る前に防げばいいのです。そこでワセリンの登場となります。ワセリンを鼻の入り口などに塗ると、皮膚の上に薄い保護膜を作ることができるのです。
しかも、油分が埃や花粉をしっかり吸着してくれるので、一度ワセリンの膜に貼り付いてしまった花粉は、もう体内に入ることは出来ません。それで症状がかなり軽減されます。
花粉を吸着したワセリンは、簡単にぬぐい取ることが出来ます。塗り直せばまた同じ効果が期待出来ますので、鼻水や目のかゆみなどに悩まされることも減るでしょう。
ワセリンの種類
ワセリンを購入する際、何種類かあるので気を付けてください。
世界中で利用されているアメリカ生まれの『ヴァセリン』。
こちらは黄色ワセリンといって、精製純度が低いものです。乾燥したかかとのひび割れなどに使用するのには最適ですが、黄色ワセリンを鼻や目などの敏感な部分に塗るのは、あまりおすすめしません。
現在の日本では、この黄色ワセリンはほとんど製造されていません。もう一つの白色ワセリンは、精製度をより高くしたものです。
医療品などに使われているのは、すべてこの白色ワセリンになります。白色ワセリンの中にも、特に純度が高いものは医薬品として扱われます。
それ以外のものは化粧用油に分類されているので、購入するときはパッケージに書いてある分類を確認してみてください。
医薬品でなくても、白色ワセリンなら効果に大きな違いはありません。ただ、アトピー性皮膚炎や特別皮膚が弱いという人は、医薬品の表示のあるものをおすすめします。
参考:鼻水が止まらない!透明でサラサラな鼻水の原因や対処法は?
花粉症を防ぐワセリンの正しい塗り方
ただベタベタとワセリンを塗るのではなく、適切な塗り方で無駄なくワセリンを活用しましょう。
うまく使えばその日1日の不快感がかなり軽減します。
メイクする女性の場合、ワセリンを塗る前に化粧水で肌を整えることを忘れないようにしてくださいね。
目の周り
指先に少量取り、目に入らないように注意して塗っていきます。自分の顔をパンダ風にメイクしているとイメージすると、塗りやすいかもしれませんね。
花粉を貼り付けて、目に入らせないのが目的ですから、あまり少なすぎても効果がありません。かといって多すぎると、べたついて不快感に繋がってしまいます。
効果があるのは3時間くらいです。そこで塗り直したいところですが、メイクをしている女性には難しいかもしれません。そういった場合は、朝出かける前にしっかり塗り込み、帰宅してからただちに洗顔して塗り直しましょう。
鼻に塗る
鼻は内部と鼻の下に塗ります。
内部には綿棒を使って、たっぷり塗り込みましょう。奥まで塗る必要はありません。
入り口1センチから2センチで十分です。マスクをすると、さらに予防効果は高まります。やはり効果は3時間くらいですので、ワセリンと綿棒を携帯して、塗り足しましょう。
鼻の下は、大量の鼻水のせいで荒れていると思います。肌荒れにもワセリンは効果があるので、丁寧に塗れば一石二鳥です。
それに良質の白色ワセリンは唇に塗っても大丈夫です。口への侵入を防ぐためにも、鼻下から口の周りに塗っておくといいです。
参考:花粉症は鼻水の色でわかる!?花粉症と鼻炎の違いや対処法まとめ
ワセリンの副作用や気をつけたいポイント
ワセリンは副作用が少ないことで多くの人が使っていますが、花粉症対策にも良いことばかりなので、
「良いことばかりで、怖い副作用とかってないの?」
と、心配も出てきますよね。ワセリンは副作用が少ないと言われますが、まったくないわけではありません。ワセリンについての副作用や注意点を解説していきますね。
ワセリンの副作用について
現代のような精製技術のない時代、ワセリンの中に含まれていた不純物のせいで、接触性皮膚炎(かぶれ)になることがたまにありました。
精製技術の発達した今、その心配はないのですが、アトピー性皮膚炎などで肌が異物に対して過敏な人は要注意です。
そういった場合は、医薬品表示のある不純物がもっとも少ない製品を利用されるようおすすめします。
それとよく問題視されるのが、日焼けの問題です。
日光の下、肌を黒く焼くのに使われる日焼けオイル、あれは油が使われています。ワセリンも同じように油だから、塗っているだけで日焼けしやすくなってしまわないか心配する人もいるでしょう。
油焼けと言われる日焼け問題ですが、現代の純度の高い白色ワセリンでしたら、ほとんど問題はないと思われます。
ただ長時間紫外線にさらされる海水浴や、戸外でのスポーツ、日中の長時間ドライブなどには、多少の配慮が必要かもしれません。まれにですが肌が赤くなったり、湿疹が出たりすることもあるようです。
花粉症対策が目的でワセリンを塗るので、サングラスやマスクでワセリンを塗った箇所を保護するか、その日だけ使用を控えるのもいいかもしれません。
気をつけたいのはここ
ワセリンを塗るにあたって注意したいことは塗りすぎです。
何しろ花粉だけでなく、余計な埃なども吸着してしまうワセリン。不純物が付着したまま長時間そのままにしておくと、やはり肌荒れの原因になってしまいます。
適量を使い、一度拭き取ってまめに塗り直す。そうすれば皮膚トラブルは避けられます。
保湿効果の期待されるワセリンですが、注意しなければいけないことがあります。皮膚というのは本来皮膚呼吸をしていて、28日周期で古い角質がはがれ落ちるようになっています。
ワセリンを長期間使用していると、肌に蓋をされたような状態になってしまい、皮膚が本来持っている保湿因子がうまく働かず、新しい皮膚への入れ替わりが阻害されるのです。
そのため軽い皮膚炎のような症状が出るようですが、数日塗らずにいれば自然と治ります。ワセリンは開封すると酸化し始めます。花粉症対策として目の周りや鼻に塗る場合、古くなったものは使用しないほうがいいです。
ワセリンは保湿クリームとして全身にも使えますし、革製品の手入れなどにも使えます。高価なものではないので、上手に使い切って、常に新しいものに入れ替えるようにしてください。
参考:ヒノキ花粉のアレルギー症状は何?スギ花粉との違いとは?
ワセリンと合わせて行えばさらに効果アップ!花粉症対策&予防
ワセリンで効果的に予防出来るようになったと同時に別の対策を取り入れて、さらに軽減することを考えてみましょう。
すでに実行済みのものもあるかと思いますが、おすすめの方法がいくつかあります。
目を洗う
ワセリンで目の周りはしっかり保護しましたが、全ての花粉をワセリンで抑えることができたわけではないので、洗顔して汚れを落とします。
すでに目に入ってしまった花粉も洗い流さないといけませんが、痒みが強くなったからといって、水道水で洗い流すのはいけません。
水道水に入っている塩素などのせいで、目を保護している大切な涙の成分まで流されてしまうので、毎日洗うようなことは絶対にしないでください。本来、涙だけで目の保護は十分なのですが、やはり花粉症がひどくなると涙だけでは異物を流せなくなってしまいます。
花粉症用の目薬でも効果がありますが、おすすめは人工涙液の点眼薬です。成分は人の涙と全く同じなので、安心して使えますよ。
鼻を洗う
鼻の洗浄をやったことがないと、抵抗感があるかもしれませんが、花粉症対策としてかなり有効ですし、慣れればそんなに難しくないですよ。
専用の容器などもありますが、洗面器やボウルを使用してもいいです。
まず37度に温めた生理食塩水を用意します。生理食塩水は薬局で売っていますが、自分で作るなら、一度沸騰させた湯を体温程度まで冷まし、1リットルに対して大さじ半分の精製塩を加えて出来上がりです。
容器に生理食塩水を入れ、片一方の鼻の穴を指で押さえて吸い込みます。
何度か吸っては出し、吸っては出しと繰り返し、反対の鼻の穴に移りましょう。仕上げに静かに鼻をかんで、残った液を出せばすっきりしますよ。毎日習慣にする必要はありません。鼻がぐずついてひどいときでも試してみてください。
参考:花粉症からの眠気はどうにかならない?薬なしでも眠い原因と対処法
まとめ
みなさんは『がまの油』などというものをご存じですか?
ワセリンなどない江戸時代、万能傷薬として売られていたものですが、現在売られている『がまの油』の主成分は、なんとワセリンなんですよ。
現代では皮膚トラブルの万能薬と呼べそうなワセリン、花粉症対策としてぜひ利用してみてください。