感染力が非常に強いのが有名なノロウイルス。
もし、お家の中や自分の行動範囲で誰かが嘔吐してしまったら…
会社でノロウイルスの症状が出た人が使用していたトイレを利用する場合…
何もしないままでは最悪の場合、集団発生してしまいかねません。そうならないために、しっかりとノロウイルスは消毒していきましょう。
今回は正しく、そして安全に消毒していく方法を紹介していきますね。
目次
ノロウイルスの消毒はハイターが良い
ノロウイルスを消毒する場合には、ハイターを使用するのが良いと言われています。
「アルコールじゃダメなの?」
消毒と言えばアルコールをイメージする人が多いと思いますが、ノロウイルスはアルコール消毒が一切効きません。消毒できる成分が次亜塩素酸ナトリウムというものになります。
それは、キッチンハイターや塩素系漂白剤で使用されているハイターの中に入っているのですが、色物の漂白剤のワイドハイターなどは成分が違いますので間違えないようにしてください。
ただ、消毒の為にこのハイターをそのまま使用することはできません。次亜塩素酸ナトリウムの濃度が濃すぎるのがその理由です。
そこで、このハイターを薄めることで消毒用として使用できるハイターを作ることが簡単にスグできますので、次章ではそちらを紹介していきますね!
そのままでは使えない!消毒用ハイターの正しい作り方
そのままでハイターを使用してしまうと、使用した部分が変色したり、傷んでしまったりするので消毒用にハイターを作っていきます。
作り方は簡単で、だいたいのハイターの次亜塩素酸ナトリウムの濃度は5~6%なので、それを使用場所によって薄めるのですが、嘔吐物や便が付着している場所などに使用する場合には50倍に薄めて、便器やドアノブなど直接体が普段触れる場所には200~250倍に薄めたハイターを作りましょう。
水で薄めるだけで作ることができるのですが、次亜塩素酸ナトリウムは肌に直接触れると肌荒れなどの症状を起こすので、作る際は必ずゴム手袋を着用して作るようにしてくださいね。
消毒する方法
それでは作った消毒用ハイターを場所・目的別に消毒する方法を解説していきますね。
ノロウイルスは目で見えるものではありませんが、嘔吐や便からはかなりの広範囲でウイルスが拡散することが確認されているので、消毒にも細心の注意が必要です。
ノロウイルスは家庭内感染が一番多いと言われています。一人が感染してもその被害を最低限で止めるのはとても大事です。しっかり覚えてくださいね。
嘔吐した場合
ノロウイルスの感染経路としては、
- 経口感染
- 接触感染
- 飛沫感染
があると言われています。特に嘔吐した場所ではウイルスがかなりの広範囲に漂い、それが口にわずかにでも入ると感染してしまうこともあるのです。
ノロウイルスの感染力は非常に強く、僅かなウイルスが口の中に入るだけで感染します。
出典:国立感染研究所
嘔吐物がある場所には消毒をする人以外は絶対に近づいてはいけません。
消毒の方法としては、必ず
- マスク
- メガネorゴーグル
- 雑巾
- 消毒用に作ったハイター
- ビニール袋
- ゴム手袋(丈夫なもの)
を用意して、まずは嘔吐物を雑巾で拭き取ります。使用した雑巾はビニール袋に入れそれ以上飛散しないように密閉してください。
そして、嘔吐物があった場所だけでなく、半径3m周辺の床は必ず消毒用に作ったハイターで拭き取るようにしましょう。これでも不安な方は2,3回床を拭いてみると良いですよ。
便座や便器の場合
便器の便座では薄める量が違うのですが、まずは便器から説明しますね。
便器や床には大量にノロウイルスが飛散していると言っても過言ではありません。コチラでは50倍に薄めたハイターを使用して徹底的に拭き取るようにしてください。
用意するものは先ほどの嘔吐物の処理時と同じです。
ただ、便器と違い便座は直接肌が触れるものなので50倍に薄めたものではなく、200倍程度に薄めたハイターを使って消毒していきます。
少し多めの水分(作ったハイターのこと)を含ませた雑巾で拭き、数分濡れたままで放置しておくことでノロウイルスも確実に死滅しやすくなるので、薄めのハイターでも時間をかけて死滅させていきましょう。
服・衣類の場合
衣類に嘔吐物が付着した場合や、嘔吐物・トイレの掃除をした人は必ずその衣類を洗濯しないといけません。その方法は2通りあって、
- 85℃以上の熱湯で洗濯
- ハイターをそのまま使う
をすることによって、ノロウイルスを死滅させることが出来ます。85℃以上の熱を加えることでノロウイルスは死んでしまうのですが、そもそも85℃以上のお湯を用意することが大変かもしれません。
それだと、通常のハイターをそのまま使用して洗濯する方が現実的です。嘔吐物が付着した場所に直接ハイターを塗布して、化膿なら数分でもつけ置きしておきましょう。
初めにも述べたように、色物でも漂白できるワイドハイターではウイルスを死滅させることができないので、ここではキッチンハイターやハイターのことを指します。色落ちには充分ご注意ください。
布団の場合
トイレに駆け込むのが間に合わず、布団の上で嘔吐や下痢をしてしまった場合には、先ほどの処理の時と同じようにゴーグルなどの装備をして嘔吐物を掃除していきます。
ただ、布団を衣類と同じように洗濯機へ入れて…というのも少し現実的ではないので、ウイルスを熱で死滅させる方法を考えた方が良さそうです。
もちろん、薄めたハイターを使用しても大丈夫ですが、布団は分厚いので仲間でしっかり浸透させれるかどうかの不安が残りますよね。もし布団に85℃以上の熱を与える方法があれば…。
それは、スチームアイロンを布団に当てることでその条件に当てはめることができます。直接スチームアイロンを布団に当てるというよりは少しだけ距離を開けて熱だけを当てる感覚です。熱が布団の中まで届いてノロウイルスを死滅させることができますよね。
参考:ノロウイルスの疑いで検査が出るまで出勤停止?検査の費用はいくらかかる?
ノロウイルスを予防するために
- いつも以上に手洗いをちゃんとする
- 嘔吐物に近づかない(処理する立場なら装備はしっかりと)
- 加熱処理がしっかりできているものを食べる
があります。しかし、公共のお手洗いを使用したりする場合など、自分の知らない所でノロウイルス感染者が使用している場合があるので、できるだけ自分の管理できる所で用を足すようにしましょう。
ノロウイルスの潜伏期間
ノロウイルスに感染した場合、どのくらいの潜伏期間があって症状が表れるのでしょうか?
実は症状が表れるまでにそこまで時間はかからなくて、24時間から48時間くらいで発症すると言われています。そこから逆算して食中毒の場合は原因の食べ物を思い出してみましょう。
そして、自分が患者になった場合には周りへの配慮をできるだけしてあげて、感染者をこれ以上増やさないように気をつけてくださいね。
ノロウイルスにかかった時の対処法は水分補給
嘔吐と下痢が主な症状ですが、この2つの症状が続いてしまうと、体内の水分の多くが排出されてしまうので脱水症状に陥ります。
脱水症状を侮ってはいけません。重症化してしまった場合には命を落とす危険性もあるものなので、こまめな水分補給は必ずしましょう。
水分は水でも良いのですが、体への吸収がされやすい経口補水液やスポーツドリンクを飲むことで脱水症状をより防ぎやすくなりますよ。
まとめ
やはり一番の感染経路である家庭内での感染を防ぐことが重要です。
そのためには消毒の徹底はかなり重要になりますので、正しい知識を身に着けてください。
皆さんの参考になればと思います。
参考:ウイルス性胃腸炎を発症したら仕事は休むべき?いつから出勤できる?