生まれつきできるあざに、脂腺母斑と言う頭に出やすい母斑があります。黄色いブツブツが集まったようなあざで、その部分には毛が生えません。
新生児期、思春期、成人期と3期に分かれて症状も変わってきます。詳しく見ていきましょう!
頭の皮膚に出来てる黄色いブツブツのあざは何?
毛根のすぐ近くにある脂腺が異常に増殖して起きます。頭には、脂腺が多く集まっているので、ほとんどの脂腺母斑は頭の皮膚に発症します。まれに顔に出ることもあります。
この脂腺母斑の特徴は、3期にわたって、症状が変わるあざなのです。
- 新生児期 表面がザラつき、薄くデコボコと広がっている。黄色。
- 思春期 頭が大きくなるにつれて広がる。細かいイボのように盛り上がる。褐色。
- 成人期 脂腺母斑の上に腫瘍が出来やすい。ほとんどが良性である。
脂腺母斑があったらどんな治療法があるの?
頭の小さなうちに、切除手術によって治療すると傷跡も小さく済みます。ただ、乳児期~幼児期は全身麻酔下での手術になるため、家族や先生との信頼関係が成り立っていることが大切です。納得がいくまで質問や確認をし、手術の時期を決めましょう。
女の子は成長するにつれて、髪の毛のない部分が気になってきます。また、あまり大きくなってからだと、手術の際、周囲の髪の毛を剃る場合があり、ショックを受けてしまいます。 心にまで傷跡が残らないようにしてあげたいですね。
脂腺母斑は、痛みもないからといって、放っておいて良いわけではないのです。成人期になると、皮膚がんになる場合があるためです。脂腺母斑の上に、おできのような腫瘍ができます。
腫瘍ができる確率は20%です。そのうち悪性化した基底細胞がんになるのは0.1%です。いたって低い数字ですが、ゼロではないのです。
また、大人になれば範囲も広くなり、手術痕も大きくなるため、思春期までに切除を勧められることが多いです。
出生時はブツブツも平たく、毛のない部分も小さいですが、思春期くらいになると、ブツブツも大きくなり、全体的に盛り上がり、形状は虫が卵を産み付けたように見えます。お子さんにとって一番負担の少ない方法と時期を考えてあげましょうね。
黄色いあざで脂腺母斑以外のものは?黄疸?
肝臓を悪くすると、皮膚が黄色く変色して、あざのように見える「黄疸」を起こします。この場合、皮膚の変色とともに、白目も黄色くなっていたなら、肝硬変など肝臓の病気の疑いがあります。
血液中の色素「ビリルビン」の濃度が濃くなったために黄疸が現れます。そして、このビリルビンがどの場所にあるかを検査することで肝臓の病気を確認できるのです。
また、肝臓の病気には、黄疸の症状が出ないものもあります。定期健診を必ずうけ、早めに病気に気付くことが大切です。
まとめ
脂腺母斑は生まれつき赤ちゃんについているものです。可愛い我が子についているものならすべてが愛しくなります。でも、子供は成長して行きます。大きくなった時に悲しい思いをするなら、早いうちに取り除いてあげるのは親の責任と愛情ですね。
幼い子供に麻酔やメスを入れるなんて、痛くてかわいそうになりますが、子供の方が皮膚の再生も早く、傷の治りも良いのです。そして、何よりその痛みを忘れてしまえるうちに手術を終わらせてあげたいですね。
また、黄疸が出たなら、すぐに病院に行きましょう。ほぼ間違いなく、肝機能に問題があるのです。男性は特に、怖くて検査に行かない人がいますが、その方がよほど怖いのですよ。あの時、行けば良かった・・なんてことになっては手遅れです。