ぶつけた訳でもない、歩き過ぎた訳でもないのにふくらはぎを押すと何故か痛みを覚える…そんな事ありませんか?
今回はそんな何故起こるか全く心当たりのないふくらはぎの痛みの原因と対処法を紹介していきます。
なぜ痛いか分からないのが非常に不安だと思いますが、この記事を読んでその不安を解消してくださいね!
目次
ふくらはぎを押すと痛い原因は?
まずはそのふくらはぎを押すと痛い原因を調べていきます。ふくらはぎが痛む原因は以下の事が考えられます。
- 糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)
- 過度な運動
- ウイルスや癌細胞が原因
- 下肢静脈瘤
- 放射線治療
日常でもよくある事から、恐ろしい病が原因の場合もあるのです。では、次項からはその原因を詳しく確認していきましょう。
糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)
一見難しそうな病名ですが、簡単に言ってしまえば糖尿病を発症した際に起こる合併症の一種です。
この病気には段階があり、足のむくみやふくらはぎを押すと痛い症状が出るのは糖尿病の第4期~5期の末期状態です。
糖尿病性腎病はいまだにはっきりとした発症原因は見つかっておらず、糖尿病が悪化していく過程で発見される場合があるとしか分かっていません。
過度な運動
自分ではそんなに運動をしていないと思っていても、意外と体に無理をさせてしまっている事はあります。その気付かない運動量があだとなってしまい、足に負担を掛けてしまった事で押すと痛みを覚えるのです。
ふくらはぎには実は大切な役割があり、心臓から送り出される血液を心臓の方へと再び循環させる為に押し戻す役割を果たしているのです。
その役割を果たす中で、過度な運動などで負担がかかってしまうと、元々の弾力が弱くなってしまい押すと痛みを覚えてしまいます。
ウイルスや癌細胞が原因
ふくらはぎにもリンパ管は通っており、その中にあるリンパ管は常に体に害があると判断した物質を全身に回らない様に止めてくれています。その害がある物質は、ウイルス細胞や癌細胞であったりもします。
通常ならば問題なくろ過されていきますが、体が弱っているなど悪条件が重なった場合は上手くろ過されず、慢性的なふきらはぎのむくみや痛みを覚えます。
あまりに長い間(一週間~1か月)ふくらはぎを押しても痛い症状が取れない場合は何らかの病気にかかってしまっている事が考えられます。
下肢静脈瘤
この難しい病名の病気も、原理は上記のウイルスや癌細胞とほぼ同じです。
足の筋肉は、深部静脈と呼ばれる静脈で体の中の老廃物を心臓の方へと押し上げる役割を果たしています。しかし、妊娠や立ち仕事など極度に足の筋肉に負担がかかってしまった場合、この足の筋肉がうまく機能しなくなってしまいます。
その結果、心臓に押しやられるはずだった老廃物が逆流を起してしまい、結果として足にむくみやふくらはぎを押すと痛む症状を引き起こすのです。この症状は残念ながら自然治癒はせず、更には肉体の老化と共に誰しも発症してしまう可能性のある病気なのです。
放射線治療
癌を発症してしまった場合などに、三大療法を適応します。
その一つが放射線治療なのですが、残念ながらこの治療の為に行った放射線治療で足に影響が出てしまう場合もあるのです。これはリンパ浮腫と呼ばれ、リンパ管が放射線治療によって傷つけられ、流れが悪くなる事で足に腫れやふくらはぎの痛みを覚えてしまう症状を指します。
残念ながら浮腫も発症条件がはっきりしておらず、きちんとマッサージなどを行っていても現れてしまう場合もあります。根気強いケアや、発症後の迅速な対処が鍵となります。
ふくらはぎを押すと痛いときの対処法
では、上記の原因に対してどんな対処法を取る事が最善なのかを今度は詳しく見てみましょう。
見てわかる様に、同じふくらはぎの痛みでも様々な原因が疑われます。まずは自分で判断するのではなく病院へと行き原因を探りましょう。
元々放射線治療を行っている人などは、主治医に相談すれば良いのですが、原因が分からずに病院に行く場合には何科にかかればいいかなかなか検討がつきませんね。
そこで、どの病名がついてもすぐに専門医にかかる事の出来る総合病院に行くと良いと思います。
糖尿病性腎症の場合
原因が糖尿病性腎症だった場合は、まずは自分がどのステージにいるのかの把握から始まります。
第一期:血糖のコントロール(※食事制限や必要に応じて薬物治療)第二期:血糖のコントロールに加えて血圧を下げる治療(※食事制限や薬物治療)
第三期:上記に加えて更にタンパク質の制限が始まる
第四期:上記に加えて必要に応じ透析治療を行う
第五期:透析治療又は腎移植で対応する
糖尿病になってしまった際に、早期に治療を行えば糖尿病性腎症の発症を防ぐ事が出来る可能性が高まります。
糖尿病になってもなかなか元の食事から離れられずに悪化させてしまう人もいるので、まずは薄味に慣れる事から始めるといいと思います。
ウイルス細胞や癌細胞が原因
ウイルス細胞や癌細胞が原因でふくらはぎが痛んでいる場合、こちらも自然治癒はほぼ不可能になります。
病院に行く前にするべき対処法、それは触らない事です。癌細胞は刺激する事で更に増殖してしまいますので、とにかく触らずにすぐに病院へと行く事が対処法です。
癌が発覚した後はその状態によって、手術・放射線・化学療法の三大治療法で対処していきます。その過程で痛みは段々と緩んでくる筈です。
下肢静脈瘤
この病気も段階によって治療法は異なってきます。それぞれの治療法は以下の通りです。
保存的療法
手術を必要としない人に適応されます。弾性の強いストッキングや原因となった生活習慣を改める療法です。
ほとんどの人が入院は必要とせず、日常生活も普通に送る事が出来ます。
硬化療法
これは注射で静脈瘤を固めてしまう療法です。
しかし、この療法には使える静脈瘤の形状が限定されており、網目状やクモの巣状になっている静脈瘤に効果的と言われてよく使われています。
手術療法
どうしても手術でなければ対処できない場合は手術療法を行います。
ここで行われる手術法が「ストリッピング手術」と呼ばれる静脈にワイヤーを通して、そのワイヤーを抜き去る際に同時に静脈も一緒に引き抜いてしまう手術です。
驚くべき事に日帰りも可能な病院が増えてきています。
血管内治療
こちらは上のストリッピング手術と似ていますが、血管を焼いて塞ぐ方法です。
血管の内側から問題の起きている静脈を焼いてしまうのです。
また、血管内治療は焼くだけではなく、レーザーでの治療を行うレーザー治療と、高周波を使う高周波治療の二種類があります。
この対処法は全て医師が診断の上で患者に提案をしてくれます。
放射線治療の対処法
放射線治療が原因でふくらはぎに痛みを感じてしまった場合、マッサージをしてしまうと余計に浮腫を悪化させてしまう場合があります。
なので、すぐに病院に行き医師に相談してください。
病院に行くまではやたらと刺激はせず、保湿をしながら合併症の炎症を防ぐ事に加えて、重い荷物を持たない、立ちっぱなし・座りっぱなしで足のリンパの流れを更に悪くしない様に気を付けなければいけません。
1~2時間座るとしたら、その間に足を揺らしたり歩き回ったりと足をとにかく動かしておく事が必要です。
まとめ
ふくらはぎの痛みから重病が見つかったり、逆に重病の治療でふくらはぎの痛みを発症してしまったりと、原因は様々ある事を知ってもらえたと思います。
しかし、いずれにしてもふくらはぎの治療には時間がかかってしまいます。
そして、いい加減な治療をしてしまうと後遺症を発症したりする場合もあります。医師にしっかりと相談し、軽く考えずに真剣に治療に取り組む事がいずれにしても必要です。
参考:ふくらはぎがしびれているなら病気の可能性も!考えられる病気とは?