うっかりやかんを触ってしまって、「あちっ!」これだけでも、やけどしてしまいますよね。
やけどは、ちょっと熱いものに触ってしまった程度の軽度から、こぼした熱いお湯がかかった、または低温やけどのような重度のものまでさまざま。程度には関係なく、ジンジン痛くて、「早く治したい!」と思いませんか?
そこで、やけどを最短期間で治す方法、お教えします!
目次
やけどを早く治したければ冷やすことが大事?
思い出してみてください。過去にやけどをしてしまったときは、どうやって治しましたか?
消毒してから、軟膏を塗って、ガーゼで傷口を覆う。こんな感じでしょうか。
おばあちゃん世代は、軟膏の代わりにアロエを塗ったものです。しかし、この方法はNGだったんですよ!
やけどをしたら、すぐ冷やす!
やけどをしたとき、すぐに軟膏を塗っていませんか?
薬を塗れば治ると考える人もいるんですが、実はやけどをしたときは、すぐに冷やすことが一番大事な処置なんですよ!
すぐに冷やせば、次のような効果があります。
やけどの進行を止める
やけどには、レベルがあることを知っていますか?
- 1度…熱いやかんにちょっと触れてしまった
- 2度…水ぶくれができてしまった
- 3度…皮膚の深いところまで、熱傷が達してしまった(低温やけどなど)
度が上がれば、それだけ治るのに時間がかかり、痕も残りやすくなるんです。
やけどをしたのに、放置していれば、自然と熱傷の度合いが上がってしまいますから、「あちっ」と感じたらすぐに冷水で冷やすこれが鉄則です!
やけどの痛みを和らげる
やけどをしたら、ジンジンした痛みがあるのは当然。そこで、強い痛みが出てくる前に、すぐに流水で冷やすんです!すると、痛みが少し和らぎますよ!
氷や保冷材などで冷やしても、ある程度は痛みが治まりますが、流水で冷やした場合と比べると、痛みが再発しやすいので、注意が必要です。
また、流水で冷やすのは、重症化を防いだり、痛みを多少取り除いたりする効果がありますが、完全に痛みを取るわけではなく、あくまで応急処なので、これも覚えておきましょうね。
やけどの痕を残りにくくする
すぐに冷やすことで、やけどの重傷化を防ぐ、とお話ししましたよね。これがポイント!
やけどの痕が残るのは、2度や3度の重い熱傷のときなんです。すぐに冷やして、進行を防いでしまえば、どうでしょう?痕が残るような重い症状には、ならなりませんよね!
いかがでしょうか。やけどをしたとき、患部を冷やすというのは、最もやらなければならないこと。そして、最も簡単にできることなんです!
今日から、やけどの治療は冷やすところから始めましょう!
他にも、やけどを早く治す方法はあるの?
やけどをしてしまったらすぐに冷やすことが一番大切。これは、上記でお分かりいただけたでしょうか?
さて、ここからは冷やしたあとの処置のお話です。しっかり患部を冷やしたあと、どうすれば早く治るのでしょうか?
傷を乾かさないこと!
単刀直入に言いましょう。消毒などで傷を乾かさないようにすることが大切なんです。
最近は、傷をスプレーで乾かして治す、という商品も販売されていますが、乾かさずに治す・モイストヒーリング(湿潤療法)の方が、早く、かつ傷跡を残さずに治せるということが判明したんですよ!
モイストヒーリングとは
怪我をしたとき、傷口から透明の液が出ているのを見たことはありませんか?それは、滲出液(しんしゅつえき)というものなんですよ。
モイストヒーリングに必要なのは、怪我をしたとき、私たちの体から出てくる滲出液だけ。滲出液には、傷を早く治す効果のある成分が含まれているので、やけどを治すのにも役に立つんです!
この滲出液をできるだけ失わないようにして、傷口をほどよく潤わせることで、皮膚が自然に治りやすくなります。できるだけ薬に頼らずに、私たちの体に備わっている力で治すという方法です。
やけどに関しても、このモイストヒーリングの効果が高いと話題になっています!
モイストヒーリング、どうやってやるの?!
やけどを早く治す方法として、モイストヒーリングの手順をお話ししますね。
安心してください、難しいことは何もありません!
①やけどした部分を、きれいに洗う
モイストヒーリングでは、なんと消毒をしません!だからこそ、優しく洗ってキレイにすることが大切ですよ。
石けんなどを使うのが望ましいと言えます。
②傷の水気をよく拭きとる
やわらかいタオルで、しっかり拭きましょう!
タオルが軟らかくても、あまりゴシゴシこするのは良くありません。あくまでも優しく、ですよ。
③傷口を保護する
ここで活躍するのが、家にあるラップ!傷口をしっかり覆うことができる大きさにラップを切って、当てますよ。
もしも、モイストヒーリングに適した軟膏があったら、軽く塗ってからラップでOK。
④ラップを固定
せっかく保護するために貼ったラップが外れてしまわないように、しっかり固定しましょう。
ただ、最初のうちは、浸出液がラップから漏れ出てくることが考えられるので、清潔なハンカチやタオルなどを当てておくのをおすすめします。
そして、その上からさらに包帯で固定して、完成です!
お風呂に入るときは、ここで巻いた一式を外します。そのとき、イヤなニオイがあることがありますが、それはラップと包帯で傷口を密閉してしたところに、浸出液が出ていたから起こるものなので、心配はいりませんよ!
いかがでしょうか。
「体にラップを貼るなんて…」
と思った人も、きっといますよね。でも、上から包帯を巻けば、人にはラップは見えません!安心して、やってみて下さいね。
参考:やけどの辛さを止めてくれる最適な痛み止めは塗り薬?飲み薬?
モイストヒーリングにおすすめのグッズとは?!
家にあるラップでできるモイストヒーリングですが、
「どうしてもラップはイヤだ!」
という人はいませんか?ラップ以外で、モイストヒーリングができるグッズがちゃんとありますよ!
プラスモイストP3(瑞光メディカル)
もともとは、医療の現場で使われていた商品。それを家庭での治療に応用してできたのがプラスモイストP3です!
「ラップを使って、やけどの周りが汚れた!」
という人はいませんか?プラスモイストP3なら、滲出液をコントロールしてくれるので、傷口以外に浸出液を広げません!
また、ラップと違って蒸れにくいので、肌がかゆくなったり、イヤなニオイがするのを防いでくれます。
キズパワーパッド(ジョンソンエンドジョンソン)
こちらは、バンドエイドで有名なメーカー・ジョンソンエンドジョンソンの製品なので、知っている人が多いですよね。
キズパワーパッドも、滲出液が乾いてしまうのを防いでくれます。
サイズや、指用・ひじひざ用などの傷の場所別に商品が展開されているので、手間なくモイストヒーリングができるオススメの商品ですよ!
ここでは、モイストヒーリングを助ける、市販の商品についてお話ししました。ラップを使うより割高かもしれませんが、試してみる価値はありそうですよ!
参考:やけどでできた水ぶくれに最適なのはキズパワーパッド?絆創膏?
まとめ
やけどをしてしまった場合には、まずは冷やすことが大切です。すぐ冷やすことで、やけどの進行を防いだり、痛みを軽減する効果がありますよ。
やけどが重症化すると、傷跡が残りやすくなってしまうので、その点考えても冷却は必須なんですね。
また、氷や冷却シートなどで冷やすよりも、流水で冷やすのが適しています。
傷を早く治す方法として、注目なのはモイストヒーリング。軟膏などに頼らず、体から出てくる浸出液で潤いを保ち、傷を治す方法です。
家にあるラップを使って簡単に行うこともできますが、市販でもモイストヒーリングができるパッドが販売されているので、試してみると良いでしょう!
やけどをしたら、モイストヒーリング。これがわかったらもう大丈夫!安心して、治療に励みましょう!
参考:指をやけどして水ぶくれができちゃった!一日でも早く治す方法は?