やけどをしてしまった後、治療も終えて落ち着いたのに…どうしてもヒリヒリとした痛みが取れない事ってありませんか?ヒリヒリが気になって仕事や趣味に支障をきたしてはいけません。
今回は治療を終えた後もヒリヒリが続く場合の、痛みを止める方法を紹介していきます。やけどのヒリヒリは治せるものなので安心してください。やけどの基礎知識として、
- 1度…軽いヒリヒリ、皮膚が赤くなる
- 2度…強い痛みと共に皮膚が真っ赤に腫れる
- 3度…皮膚が灰色に変色し、細胞が壊死を起こす
この3段階にやけどは分類されます。2度からは重度なやけどと判断されるので、すぐに病院へと行きましょうね。
目次
やけどのヒリヒリの痛みを止める
やけどは間違った対処法をしてしまうと、患部から細菌感染を起こして更に酷い症状に陥ります。
ヒリヒリを止める適切な処置の仕方を知りましょう。
やけどのヒリヒリの痛みを止めるには
では早速やけどのヒリヒリの痛みを止める方法を紹介していきます。
- 冷水で患部を冷やす
- カットバンやサランラップで患部を包む
冷水で患部を冷やすのは定番ですが、何故サランラップで指を巻くとヒリヒリした痛みが和らぐのでしょうか?理由について次項で迫っていきます。
サランラップで患部を包むと何故痛みが和らぐの?
一見意味がない上に、余計に傷口を痛めそうなこの処置ですが、意外と効果があると試した人達からは絶賛の声が上がっています。
方法は簡単で、やけどをして十分に冷やした患部にサランラップを巻き付けて、輪ゴムなどでずれないように軽く固定するだけ。
何故こんな方法で簡単に痛みが治まるかというと、やけどの傷口に理由がありました。ヒリヒリと痛むのは、やけどの傷口が空気に触れるからです。空気から遮断するように指に撒いてあげると痛みも和らぎます。あまりに症状が長引く時は病院へと行くようにしましょう。
冷水を当てるとヒリヒリした痛みがなくなる理由
では、冷水はどうなのでしょう。冷水もサランラップと原理は一緒です。冷水で冷やしている間は水によってやけどの傷口が密閉され、空気に触れないので痛みを感じないのです。
濡れた指にサランラップを巻くと、密封性も高まるので水で冷やしたらすぐにサランラップで巻いて固定し、そのまま病院へと行きましょう。
よく、この時に患部に油を塗るという民間療法がありますが、細菌感染を引き起こす可能性のある行為なので絶対にしてはいけません。
やけどをするとヒリヒリする理由
では、何故やけどをするとヒリヒリとした痛みが出るのでしょうか。今度はその原因について調べていこうと思います。
ヒリヒリする理由とは?
やけどをしてヒリヒリするのは、血管が関係しているのです。
やけどによって血流が悪くなり、血流に乗って酸素が運ばれていたものが絶たれてしまいます。そこで脳に対して、「酸素が行き届いていません」と信号を出し、その結果酸素が運ばれていない場所に痛みが起こる訳です。
ですから、「酸素来てませんよ!」と脳に信号を出す前に、冷水で冷やして神経を麻痺させてしまう事で痛みを抑える事が出来ます。
ヒリヒリを防ぐ為に乾かさない
ヒリヒリ痛みには乾燥も大敵です。乾燥させてしまう事で傷の治りも遅くなってしまうので、保湿は大切です。保湿として使えるのが、
- オリーブオイル
- ワセリン
- はちみつ
です。はちみつに関しては、除菌効果もあるので、傷口から細菌が入るのを防いでくれます。家にあるのであればはちみつを使いましょう。
ヒリヒリするのって重症?
痛みが出るという事は、やけどはかなりの重症なのでしょうか?
大丈夫です。ヒリヒリする痛みは、やけどのレベルでいうと一番軽い1度であると分類されます。冷やして保湿をし、一晩様子を見ても良いでしょう。
数時間しても明らかに異様な腫れをしていたり、ヒリヒリが全く引かずに更に痛みが増えた場合はすぐに病院へと駆け込みましょう。
基本的に成人であれば、赤く腫れて痛みが強くなるのが2度、皮膚が灰色に変化してしまって細胞が壊死してしまっているのが3度、そして全身の約1/3がやけどを負うと命に関わる症状だと判断される4度に分類されます。
皮膚移植が必要となるのは、2度の重度~4度です。しかし、殆どの場合1度と違って痕が残ってしまいます。
様々なやけどのヒリヒリの対処法
やけどと一口で言っても、原因は様々です。
お湯を被ってしまった、熱々の鍋を触ってしまった、湯気が当たってしまった、化学物質、感電でやけどをしてしまった…。
そんな時、どんな対処法が正しいのか紹介していきます。
感電やけどの応急処置
感電やけどの怖い所は、外傷がある場合とない場合があるのです。
ない場合、体内に重篤なやけどを負っている事もあるのです。その特徴として、やはりやけどによって血流が邪魔されるので、手足が腫れ上がったり、やけどした部分が腫れ上がる特徴を持ちます。
やけどが軽い場合は、他のやけど同様に冷やした上で保湿をする方法で大丈夫ですが、問題は重度の場合です。重度の場合は素人に殆ど出来る事はありませんから、脈拍と呼吸を確認してから、必要に応じて人工呼吸を行い救急車をすぐに呼びましょう。
化学薬品のやけどの応急処置
化学薬品でやけどをしてしまった場合はどうすればいいのでしょうか。
化学薬品はちょっとだけ厄介で、対処法が薬品の種類によってそれぞれで異なります。
基本的に薬品がかかってやけどをしてしまった場合は、無理に衣服と皮膚を引き離そうとすると皮膚を剥がしてしまう事があります。そのままの状態で流水で薬品を流しつつやけどを冷やしましょう。
ここで気を付けたいのが石灰とマグネシウムの扱いです。
石灰とマグネシウムは水を掛ける事によって化学反応を起こし、更に熱を帯びてやけどを悪化させてしまいます。石灰やマグネシウムを含む物質が腕にかかってしまった場合はすぐに払って病院へと駆け込んで処置をしてもらいましょう。
様々な箇所に同時にやけどをした時の応急処置
鍋をひっくり返して体の至る部分にやけどを負ってしまった場合などは、ちまちまと冷やしていても埒があきません。すぐにお風呂に水を張り、水風呂で全身を冷やしてください。
至る所にやけどを負ってしまうと、血流がほぼ全身悪くなっていると考えて間違いありません。ですから、全身を冷やす事で神経を麻痺させて、少しでも痛みを取り除くようにします。
ヒリヒリする水ぶくれの対処法
ヒリヒリする箇所に水ぶくれが出来ている場合、絶対に触ってはいけません。中には膿が溜まっており、それが破れる事で化膿し、周りの皮膚にまで影響してしまうからです。
水ぶくれが出来た場合は刺激せずに医療機関へと駆け込みましょう。
うっかりと破ってしまった場合は、中の液体を全て流し出して、そのまま医療機関へと行ってください。水ぶくれにはやけどの応急処置であるはちみつやオリーブオイルを塗布してはいけません。余計に刺激を与えて化膿を早めてしまいます。
まとめ
ヒリヒリする痛みは、やけどの箇所を脳に伝える大切なプロセスの中で生まれる痛みだったのです。全く無駄な物ではありませんし、私達が知らない内にやけどをしてしまい、皮膚が壊死してしまうのを防ぐ為に教えてくれるものだと意識しておきましょう。
やけどは早く対処すればするだけ予後が良くなる症状です。女性は特に痕を残したくないという意識が強いでしょう。
流水は最低でも10分以上続ける事で熱を下げる効果がありますので、冷やしたからオッケーではなく、しっかりと患部を冷やすように注意してください。
参考:やけどの辛さを止めてくれる最適な痛み止めは塗り薬?飲み薬?