日本では「特定疾患」、いわゆる難病に指定されている再生不良性貧血。難病に指定されている理由はその治りにくさから。
しかし、早期発見できれば、完治は難しいことではありません。ただ、再生不良性貧血のその独特のメカニズムゆえに、治療中に気をつけたいことがあります。それは、あなたの体の負担を減らすためのもの。
再生不良性貧血のメカニズムを知ると共に、治療中に日常生活で気をつけたいことを一緒に知っていきましょう。
再生不良性貧血ってどんな病気なの?
『貧血』と聞くと、赤血球が減っていくイメージが強いのではないでしょうか。「再生不良性貧血」の大きな特徴は、赤血球だけが減少するのではなく、白血球や血小板までもが減少してしまうこと。これが他の貧血と大きく違う点です。
また、『貧血』は女性に多いイメージがありますが、「再生不良性貧血」の男女比は男性:女性=1:1.16と言われています。割合的には女性の方が多いのですが、男性にも珍しくない貧血です。
再生不良性貧血のメカニズムのカギって?
「再生不良性貧血」は、赤血球も、白血球も、血小板も、減少してしまう病気であるとお伝えしました。ではどうして、赤血球も、白血球も、血小板も、減少してしまうのでしょうか。このカギを握るのが『造血幹細胞』という細胞です。
実は赤血球、白血球、血小板は、全て、この『造血幹細胞』という細胞から成長していきます。成長過程である細胞は赤血球になり、ある細胞は白血球、ある細胞は血小板…、という風に分かれていきます。
そう。「再生不良性貧血」の原因は、この『造血幹細胞』にあるのです。『造血幹細胞』が何かの理由で少なくなってしまうために、そこから作られる赤血球、白血球、血小板の数が少なくなってしまうのです。
再生不良性貧血はどんな治療をするの?
- 免疫抑制療法
- 骨髄移植
- 蛋白同化ステロイド療法
- 支持療法
再生不良性貧血は検査を行って、その重症度をステージ1からステージ5に判定していきます。この重症度の判断がとても重要で、それによって治療の内容が大きく変わってきます。そして、その治療中に体の負担を減らすため、『日常生活で気をつけたいこと』がいくつかあるんです。
治療中に気をつけることって?
これまでお伝えしたように、「再生不良性貧血」の特徴は、「赤血球」だけが減少する貧血ではないということ。「白血球」や「血小板」までもが減少してしまう疾患のため、気をつけなければならないことがあります。
赤血球が減少するため、気をつけなければならないこと→赤血球の大きな役割は体中に酸素を運ぶこと。その赤血球が減少しているため、体が酸欠状態になっています。そんな状態で運動をすると、ますます酸素不足に…。心臓に負担がかかってしまいます。再生不良性貧血の治療中は、激しい運動は避けましょう。
白血球が減少するため、気をつけなければならないこと→白血球の役割のひとつは、体の中に入ってきた細菌やウィルスをやっつけること。その白血球が減少しているため、感染症にかかりやすくなっています。人ごみや埃っぽいところに行くのを避けたり、外出時はマスクを着用したり、手洗いやうがいをしっかりして、感染症を予防することが大切です。
白血球が減少するため、気をつけなければならないこと→血小板の大きな役割は、止血作用です。その血小板が減少しているため、出血しやすくなったり、血が止まりにくくなったりしています。ですから、なるべく出血や内出血が起こりやすい環境を避ける必要があります。例えば、歯ブラシは歯茎を傷つけない柔らかいものを使ったり、体をぶつけたりするような狭い場所で作業するのを避けたり、日頃から気をつけましょう。
まとめ
再生不良性貧血は、赤血球も、白血球も、血小板も全て減少してしまうという、その独特な症状ゆえに治療中に気をつけなければならないことがあります。
貧血の原因に運動不足は関係ある?運動のしすぎも危険!?オススメの運動は?
日常の習慣を見直し、少しでも体の負担を減らしましょう。