健康な人でも貧血の人でも風呂上りの不調は感じたことがあるはず。立ちくらみ、めまい、頭痛、ひどいと吐き気も起こります。症状の理由は“一時的な貧血”にあったんです。
これは貧血の人もそうでない人も気をつけなければいけません。お風呂はとても気持ち良くてリラックスできる場所ですが、とても危険なところでもあるんです。
風邪をひいてつらい時や、年をとって思うように体が動かせなくなった時、真っ先に「厳しい」と感じるのがお風呂です。
みなさん、熱を出した時に「気持ち良くお風呂に入ろう!」と思えますか?つらくてお風呂に入る気にはなれないでしょう。
それにはお風呂の寒暖差が影響しているのです。その辺りを詳しくまとめてみました。
健康な人でも一時的に脳が貧血を起こすのが、風呂上り!
お風呂に入る手順は、お湯を沸かし、お湯が沸いたら服を脱ぎ、お風呂に入って、順番は人によって違いますが体を洗ってお湯に浸かり、そして出てきますよね。
このように、お風呂に入る時は“寒い”と“暖かい”を短時間で繰り返しているのです。
脱衣所で服を脱ぐ時は“寒い”。お湯を沸かしていたとしても冬場はお風呂の中も非常に寒くなっています。ぶるぶると震えながらお風呂に入り、熱いシャワーを出して浴びると、今度は“暖かい”になります。そして暖かいお風呂を終えて出てくると、再び脱衣所が“寒い”のです。
お風呂はだいたい30分で済ませる人が多いでしょう。たった30分の間にこれだけ激しく温度が変動するのです。
寒いと血管が収縮してしまいますが、暖かいと今度は血管が膨張するんです。温かいお湯に浸かって血管が膨張すると、立ちあがった時に末端まで血液が勢い良く流れて行ってしまうんですね。するとてっぺん(頭のあたり)の血液が少なくなり、脳が貧血状態になってしまうんです。これを脳貧血(起立性低血圧)と呼びます。
参考:貧血の人が朝のシャワーを浴びると気持ち悪くなる?その理由と対策について
また、暖かいお風呂から出てきて寒い部屋で過ごすと、体が冷えてしまうため“湯冷め”をします。この湯冷めでも具合が悪くなってしまうので気をつけましょう。
症状は立ちくらみやめまい、そして吐き気など
どのような症状が起こるのかと言いますと、よく聞くのは「立ちくらみ」です。あとは「めまい」もありますね。湯船から立ち上がった時、フラっとしたなら脳が一時的な貧血状態になったということ。
もともと貧血の人ですとさらに症状がひどくなり、加えて頭痛や吐き気などの症状も起こるんです。ただし、風呂上りの症状があからさまに重い場合は別の疾患があるかもしれませんのでお医者さんに相談して下さい。
脳貧血でもっとも恐ろしいのは意識を失い転倒してしまうこと。お風呂で倒れてしまったら大変ですよね。床が滑りやすいですし、狭いところなので頭もぶつけやすいんです。
打ちどころが悪ければただ「転んでしまった」では済みません。お風呂では異常が他の人に気づかれにくいというのも問題です。
そして湯冷めをしても体が冷えて頭痛や吐き気が起こります。何事もなくお風呂から上がってきても油断しないようにしましょう。
どうすれば症状を防げるの?予防や対策はできるの?
風呂上りが怖い理由について、わかっていただけたでしょうか?でも、お風呂が怖いと思うとリラックスして入れなくなってしまいますよね。そこでお風呂に入る前にはしっかり対策をし、症状が起きないように予防しましょう。
まずは脱衣所を暖かくしておくこと。脱衣所に続く扉を開けて暖かい部屋の空気を送り込んでも良いですし、もしくは小さなヒーターを置いてお風呂に入る時だけスイッチを入れるのも手です。
とにかく「部屋、脱衣所、風呂場」の温度差が激しくなり過ぎないようにするのがポイント。冬と夏はどうしても温度差が開いてしまいますから要注意ですね。
そしてお風呂の中ではゆっくりと動くこと。立ち上がる時も“焦らずゆっくり”にしましょう。お風呂に入って汗をかくと水分が失われて血液がドロドロになってしまいますから、水分をあらかじめ補給しておくのも良いでしょう。
湯冷めの対策は、部屋を暖かくして寒い思いをしないようにすること、お風呂から出たら体温が奪われないようきちんと水分を拭き取る&髪を乾かすこと。体を温めてくれる飲み物を口にするのもオススメです。
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まとめ
風呂上りによく調子が悪くなる…と悩んでいるならお風呂の入り方を見直してみて下さい。
とっても簡単な方法で予防できるので、ぜひ試していただければ幸いです。風呂上りの不調がなくなれば安心してお風呂に入れるようになるでしょう。
今まで以上にリラックスできる入浴時間を作れると思います。