「稲花粉ってホントにあるの?!」
花粉症というと多くの人はスギやヒノキをイメージするのではないでしょうか。
冬の終わりから夏の始まりまで花粉症の人は辛い症状と戦っているかもしれません。
夏を越えてもう花粉症の時期は終わっているはずなのにまだ目がかゆい、鼻水が止まらない、そんな花粉症の症状がある人は稲の花粉症の疑いがあります。
今回はスギやヒノキだけでなない、稲の花粉についてその種類や飛散する時期、気をつけたい症状などをご紹介します。
目次
稲花粉のそれぞれの飛散時期
スギやヒノキは基本的には2月から5月ごろまでつまり春の時期に決まって飛散します。
稲の花粉の飛散時期は4月から10月ごろまでと言われていて、それに比べるとだいぶ長い期間飛散しているようです。
しかも種類によって飛散する時期は変わってくるので注意が必要となります。それぞれの種類によって変わる飛散時期を把握しておきましょう。
稲花粉と飛散時期
まずは稲花粉の名前の通り、稲については5月から9月ごろまでです。
日本には多くの米どころがあり、お米を作っているということは当然稲の花粉も飛散しています。そのため全国各地の水田が花粉の発生源となるのです。
特に秋になって稲刈りをした後脱穀やもみ殼から粉塵が舞うことによって症状が発生しやすくなるので注意しましょう。家の近くに水田があるという方は稲の開花時期と収穫時期にしっかりと対策を取る必要があります。
カモガヤ・ハルガヤの花粉と飛散時期
この二つはあまり聞きなれない植物かもしれませんが、稲科の植物の一つで川辺や道端などによく生息しています。
花粉の飛散時期は4月から8月ごろまでで、植物の高さは30センチから70センチ程度で生活圏に多く生えているので注意が必要です。
ススキの花粉と飛散時期
秋になるとあちこちによく生えているススキも稲科の植物で、日本各地に生息していて高さは1メートル以上にもなります。
花粉の飛散時期は8月から10月ごろまでで、夏から秋にかけて気をつけたい植物です。
山の方や野原などに多く生えているので花粉症の方は近づかない方がいいでしょう。
麦の花粉と飛散時期
麦はお米ほどではありませんが、日本各地で生産されている植物です。
小麦アレルギーとして小麦を使った食品を食べた時にアレルギー反応が出てしまう人はよく知られていますが、植物としての麦自体にも花粉症になる危険性があります。
花粉の飛散時期は6月ごろで麦の収穫と重なっています。特に栃木県や佐賀県では多く生産されているので気をつけましょう。
アシの花粉と飛散時期
アシは河川敷の中でも海の近くになると多く生えている植物で、全国各地に生息していて、2メートルから5メートルほどまで成長します。
花粉の飛散時期は8月から10月ごろまででススキと大体同じくらいです。特に夏の時期は河原でバーベキューを楽しむ人もいますが、花粉症の方は近くにアシがないかどうかに注意しましょう。
コヌカグサの花粉と飛散時期
コヌカグサは日本では雑草の一種として分類されていて、大体5月から7月にかけて花粉が飛散します。
特に6月から7月の二ヶ月間は飛散のピークで注意が必要です。
公園や道端などの雑草が多く生えているところに同様に生息していることが多いので気をつけましょう。
参考:ヒノキ花粉のアレルギー症状は何?スギ花粉との違いとは?
稲花粉が原因の花粉症の各症状
稲花粉が原因で引き起こされる症状には様々なものがあります。
基本的にはスギやヒノキの花粉症と変わらないので見分けが難しいのですが、その中でも稲花粉独特の症状もありますのでまとめて理解しておきましょう。
鼻水が止まらない
花粉症とはアレルギー反応です。
花粉が体に害を及ぼすものだと判断することであらゆる手段を使って体に入ってきた花粉を追い出そうとすることから様々な症状が引き起こされます。
その中でも代表的なのが鼻水が止まらないことです。
鼻に花粉が入ってくるとそれを退治するためにヒスタミンという成分を分泌しますが、ヒスタミンが多くなると粘膜や血管に刺激を受けて鼻水が出るのです。
風邪とは違って水のようなサラサラとした鼻水が出てくることがポイントとなります。
花粉を鼻水に乗せて追い出そうとしていることが原因なのですが、サラサラしているので口の方に入ってしまったり、鼻から流れつづけたりすることもあります。
効果的な対処法としては、鼻水が止まらなくて辛い時に鼻うがいをするのが効果てきめんです。
鼻から食塩水を入れて口から水を出すのを繰り返すのですが、正しい配合で食塩水を作れば痛くないですし、不安なら市販の鼻うがい液もオススメです。
鼻づまり
花粉症で鼻がつまる原因はアレルギー症状が起きることによって鼻の粘膜が腫れるからと言われています。
基本的に鼻水はサラサラしていますから鼻水が原因で詰まっているわけではないのです。特に夜になると鼻がつまるという方は、昼の間に溜まってしまった花粉が夜になって体に反応していることが原因です。
鼻がつまって眠れないという経験がある人は多く、鼻で呼吸ができずに口呼吸になると喉まで痛めてしまう危険性もあります。
鼻づまりがひどい時には薬を上手に活用しましょう。口呼吸がくせになる前に対処しておくことが大切ですよ。
くしゃみが止まらない
くしゃみも鼻に花粉が入ってしまうことで引き起こされます。鼻の奥についた花粉を追い出すために起こるのですが一度くしゃみするとその後連続してくしゃみが続くのが特徴的で、ひどい時には止まらなくなります。
くしゃみをすると周りの目も気になりますし、体力も奪われるのでできるだけ避けたいです。
くしゃみが始まったら鼻の下を刺激して神経の伝達を抑えたり、鼻の頭を掴んでくしゃみを抑えたりと様々な方法がありますが、根本的にくしゃみを防ぎたいなら花粉をブロックするのが一番です。
稲花粉の場合は対象の植物に近づかない、マスクをするなどが有効です。
目がかゆい
目のかゆみも鼻の症状と同様に体から異物を追い出そうとする免疫反応の一つとしてひき起こります。
ヒスタミンが目の神経を刺激して花粉を追い出そうとして活動することによって目にかゆみがおきたり、充血したりするのです。
特に涙が十分でないドライアイの方の場合には涙で花粉を洗い流すことができないので目がかゆくなりやすいと言われています。
目がかゆい時にゴシゴシこすってしまうと目の粘膜を傷つけることもあるので目薬をさしたり、目を洗ったりしてかゆみを抑えるようにしましょう。
稲花粉の独特の症状
ここまで紹介した症状はスギやヒノキの花粉でも現れることがおおき代表的な症状です。
稲花粉の場合それ以外にも植物アレルギーを合併して引き起こす危険性があります。
稲の花粉抗原と食べ物のアレルギー抗原に似ている点があることが原因で、喉の奥や耳などにかゆみを感じてしまうので、特に小麦やトマト、メロン、スイカ、オレンジなどの食物に注意が必要です。
稲花粉のアレルギー反応が出る方は一度病院で他にもアレルギー源がないか確認しておくといいでしょう。
植物ごとに違う症状
稲花粉症の中でも前述したように様々な植物があります。例えばハルガヤはせきが出やすいのが特徴です。
ススキは他の稲花粉症を併用しやすいなど植物ごとにも若干特徴があるので自分がどの植物にアレルギーを持っているのかを検査しておくとその植物を避けやすくなります。
稲花粉の予防方法
花粉症になってしまうと完全に治すことは難しく上手に付き合っていくことが大切です
そのため稲花粉の時期が来たらしっかりと予防できるように花粉症対策を身につけておきましょう。
マスク、メガネの着用
基本的なことですが花粉症の原因となっているのは花粉を体に取り込んでしまうことなので、外出する時には必ずマスクとメガネをしてなるべく花粉が入らないようにしましょう。
最近では花粉をほぼ入れないようなマスクもありますし、メガネをしていても曇りにくい仕組みになっているマスクがあります。
コンタクトの方は花粉症の症状が出る間だけでもメガネに変えると目を守ることができるのでオススメです。
帰宅時には花粉を家に持ち帰らないようにする!
家に帰って来た時には服に花粉がたくさんついている可能性があります。
家に花粉を持ち込まないように家に入る前に衣服についた花粉を払うようにしましょう。その後すぐに手洗い、うがい、目や鼻も洗って花粉が入らないようにします。
家の中ではなるべく窓を開けずに空気洗浄機を使うと花粉の侵入を防いで綺麗な空気を保つことができるのでオススメです。
薬や病院を活用する
どうしても辛い症状の時には我慢せずに病院に行きましょう。
病院に行くとアレルギーを抑える薬を処方してもらうことができますし、稲花粉の中でもどの植物にアレルギー反応を示すのか、食物のアレルギーはないかなどを事前に調べておくと対策もしやすくなります。
次の年からは花粉が飛散する時期の少し前から病院に通ってアレルギー対策をすることもオススメです。
危険な植物に近づかない
稲花粉の大きな特徴の一つはそれぞれの植物の飛散箇所が少ないことです。
スギやヒノキの場合にはかなり広範囲にわかって花粉が飛びます。
木の高さも高いので防ぐのも難しいのですが、稲の植物は30センチほどのものが多く、密集して生えていることが多いです。
河原や草むらなどの稲花粉を持つ植物が生えている場所には近づかないことも大切な予防法となります。
参考:ワセリンを鼻に塗るだけで花粉症に悩まされない!?効果的な方法とは?
まとめ
稲花粉は4月から10月ごろまで長い期間飛散していることが特徴です。
その中でも植物ごとに細かく飛散時期が違うので自分がどの植物にアレルギー反応を示すのか病院で検査しておくのがオススメです。
稲花粉の症状は基本的には他の花粉症と同じですが、食物アレルギーを合併して引き起こしやすいという特徴があります。
花粉が多く飛散しているような場所には近づかないようにして、マスクやメガネで花粉対策をして上手に花粉症と付き合っていきましょう。