立ちくらみを起こしているのは、「脳貧血」と言われる「起立性低血圧」です。これは、自律神経が正常に機能しなくなることで起こります。悪化すると意識を失うこともある起立性低血圧。
改善するためにしたいことや、食べ物はどんなものがあるのでしょうか?
立ちくらみを改善するための対処法は?
そもそも立ちくらみを起こしている原因を知らなくてはなりません。「起立性低血圧」とは、単に立ちくら みを起こすものではなく、血圧が急降下したために、様々な症状が出る状態の事です。その中でも、立ちくらみは代表的な症状と言えます。
その他にも、吐き気、めまい、冷や汗、眠気、倦怠感、 脱力感などがあり、ひどい場合は意識を失うこともあります。「起立性低血圧」が起こったら、まずは自分の生活を振り返って見なければなりません。
ストレスを抱え ていませんか?睡眠時間は十分ですか?ほとんどの人が、思い当たる節があるはずです。この起立性低血圧は、強いストレスや睡眠不足から起こる自律神経の異常が起こしているのです。
自律神経は、運動や行動をつかさどる交感神経と、休息や安静をつかさどる副交感神経が、バランスを保つ ことで、正常に機能しているのです。自律神経が機能しているおかげで、血圧の調整、体温調節、心の安定など、安全で健康な毎日を送ることが できています。
起立性低血圧を起こさないためには、自律神経を安定させること!
このように、交感神経と副交感神経がバランスを崩すことで、立ちくらみ、吐き気、冷や汗を伴う起立性低血圧が発生してしまいます。これらの打開策としては、とにかく睡眠不足を解消すること。副交感神経の優位に立つ時間をたくさん作る ことです。
副交感神経は、美味しい食事をした時の満足感や、マッサージを受けた時の幸福感など、リラックスしてい ることで、働く神経なのです。幸福な時間を取り入れることで、ストレスの解消にもなっています。ストレスの解消とは、もとのストレス対象を無くすことだけが解消ではありません。
自律神経を安定させることで、打ち勝つ力や、新たな気力がストレスを跳ね飛ばし、乗り越えていけるのです。そうは言っても、辛い時や、仕事上でも悩みを抱えると眠れない日々を送ったりしてしまいますね。そんな 時は、何をやってもそのことが頭から離れず、リラックスなんて出来ないこともあります。
そんな時は、交感神経を安定させる薬もありますので、神経内科を訪れてみましょう。何より、体を壊さな いことが大切です。ストレスに押しつぶされてしまわないように、手を打たなければなりません。
自律神経を正常に保つために取りたい食べ物とは?
食べ物は薬ではありませんので、ピンポイントでそれだけを治す効果はありません。しかしながら、毎日続けることで、薬以上の効果を発揮することもできるのです。 自律神経を正常に保つためには、心身の健康を取り戻す食生活を送ることが、大切になります。
結局のところ、バランスのとれた食事と言うことになりますが、まずは、体力、免疫力、気力をつけることで、体を活性化させ、前向きな気持ちを作り出すことから始めてみてはいかがでしょうか。
そのためには、全身に影響のある、良質なタンパク質を取り入れることが、近道です。タンパク質を構成しているのは、アミノ酸です。体内に必要なアミノ酸は20種類ですが、食べ物からしか取り入れることが出来ない、9種類の必須アミノ酸があります。それらを中心に取り入れてみましょう。
必須アミノ酸の種類と、それを摂取できる食べ物、効能を見てみましょう。
ロイシン
- 食べ物(レバー・牛乳・チーズ・とうもろこし・鯵・ほうれん草など)
- 効能→タンパク質の合成・筋肉強化
イソロイシン
- 食べ物(鶏肉・牛乳・チーズなど)
- 効能→血管拡張・疲労回復・筋肉強化・肝機能強化
バリン
- 食べ物(鶏肉・魚・チーズ・ゴマ・ピーナッツなど)
- 効能→タンパク質合成・肝機能向上
リジン
- 食べ物(鰆・サバ・豆腐・納豆・大豆・ほうれん草など)
- 効能→免疫力向上・ホルモン生成・酵素生成
メチオニン
- 食べ物(牛肉・牛乳・にんにく・レバー・野菜・果物など)
- 効能→抑うつ効果
フェニルアラニン
- 食べ物(肉類・魚介類・大豆・あずき・高野豆腐など)
- 効能→精神安定・鎮痛効果
トレオニン
- 食べ物(チーズ・卵・ゼラチンなど)
- 効能→新陳代謝促進・肝機能向上
トリプトファン
- 食べ物(鰹・ブリ・サバ・バナナ・タラコ・高野豆腐・牛乳・コーヒーなど)
- 効能→セロトニン生産促進・安眠効果
ヒスチジン
- 食べ物(鶏肉・イワシ・鰹・チーズなど)
- 効能→神経機能向上・成長促進・ストレス軽減
以上が体内で作ることのできない必須アミノ酸です。このうち、バリン ロイシン イソロイシンの3つを合わせて、分岐鎖アミノ酸(BCAA)と言われます。個別の効能のほかに、BCAAならではの効能もあります。それは筋肉の合成促進、やる気や集中力の向上です。
必須アミノ酸が入っている食材には、必須ミネラルも入っているので、両方同時にとることができます。また、自律神経が異常を起こす病気に、「自律神経酢失調症」や「うつ病」があります。
起立性低血圧は自律神経からのサインと考え、進行してしまう前に、早めに対処しておくと良いですね。ストレスは、絶え間なく襲ってきます。そんな毎日を乗り切るためには、体力、精神力ともに必要なのです。
自律神経の強化や、抑うつ効果にビタミンB12が良いと言われています。ただし、ビタミンB12は単体では効 果がなく、常に葉酸とセットで働いています。葉酸も不足しがちな栄養素のため、一緒にとることにしましょう。ビタミンB12が多く入っている食材は、主に魚介類です。必須アミノ酸のフェニルアラニンと一緒に取るこ とが出来ます。
また、レバーや牛肉、鶏肉などにも豊富なため、必須アミノ酸を意識していると、自然に取れる栄養素なのです。葉酸は、緑色の葉物野菜に多く入っています。ロイシン、リジンも入っている、ほうれん草やブロッコリー、 アスパラガスや枝豆にも豊富に含まれています。
スーパーフードと言われる、ケールには驚くほどたくさんの葉酸が入っています。手に入れにくいこともあ るので難しいかもしれませんが、機会があったらぜひ試してみると良いかもしれません。
まとめ
起立性低血圧を起こした時は、すぐに治療をする必要はありませんが、自分に起こった事は、忘れないよう にしましょう。ストレスを抱えていることや、睡眠が足りていない状態だと受け入れなければなりません。
そして、食生活の改善も、「少し気にする」くらいのことから始めれば良いのです。がんじがらめに考える のは、ストレスを増やすだけですよ。
少し気にして、「この食事には必須アミノ酸が入っているな 良し良し!」くらいの変化から楽しんで続けましょう。必須アミノ酸の中の「トリプトファン」の効能に、セロトニン生産促進とありますね。
このセロトニンとは、 ストレスを軽減したり、心の安定に欠かせないホルモンで、幸せホルモンやHAPPYホルモンと呼ばれています。このセロトニンが不足すると、ストレスに弱くなったり、眠れなくなったりしますので、どんどん増やさな ければなりません。
セロトニンを増やすためには、日光を浴びること!これは、わざわざ長時間の日光浴をする必要はなく、通常の生活の中で、少し外にいるくらいで十分です。朝から晩まで室内に閉じこもっているような生活では増や すことはできません。
外へ出て少しの時間でも、日光を浴びるようにしましょう。日中、セロトニンを増やしておくと、夜ぐっすり良い眠りにつくことができるようになります。
また、リズミカルな運動がセロトニンを増やすと言われています。同じリズムを繰り返すような、ジョギン グやウォーキング、室内なら、リズミカルに階段を昇降するだけでもセロトニンを増やすことができます。トリプトファン!日光!運動!でセロトニンを増やし、ストレスを減らして行きましょう。