低血圧には、朝の目覚めが悪い、午前中は力が入らないなど、生活に支障が出る症状があります。改善する方法は、良質なタンパク質の食事と適度な運動。
低血圧を治しておくと、高血圧にならずに済むのです。今回は低血圧を改善する方法を解説していきますね!
低血圧は改善した方がいいの?
低血圧とは、一般的に「本能性低血圧」の事を言います。この本能性低血圧は、生まれつきや遺伝、低血圧体質や原因となる病気がない低血圧を言います。その基準は、収縮期血圧=最大値が100mmHg以下の人を指します。
低血圧は体に良いと言われることもあり、不快症状がひどくない限りは、特に治療もされない病気です。実際に、顔色も悪くないし、朝も元気に起きれるし、食事もパクパクと美味しく食べるけど、計測すると、低血圧だ、と言う人も少なくありません。
このような人は、本人の体調が良い限り、改善の必要はありませんね。基準とは言っても、人の体は個々に違いがあるため、血圧もその人にあった状態があるのです。改善の必要があるのは、不快症状に悩む、低血圧症の人です。
毎朝、起きるのがとても辛い、常に倦怠感が付きまとう、気力がない、午前中はぼーっとしてしまう、など日常生活に支障が出てくる場合は、改善が必要です。低血圧だから仕方がない、と諦めてはいけません。低血圧の不快症状のある人は、慢性的になってしまい、その状態のまま過ごすことに慣れてきてしまいます。本来、朝は、誰にとっても公平に気持ち良いものなのですよ。
また、若い時は低血圧でも、そのほとんどの人が年齢とともに血圧が上がり、40歳を過ぎたあたりから、高血圧の心配をするようになります。「私は低血圧だから」と思っていても、加齢とともに、血圧をチェックする必要があります。
低血圧の時点で、良質なタンパク質を意識してとり、簡単な運動を続けていると、血圧が上がり過ぎることなく、加齢することができます。低血圧を改善しようとした事で、体内が活性化しているためと、体に良い生活が身についているためです。「低血圧だから~」とそのままにしてしまった人は、年齢を重ねた時、今度は高血圧に悩むことになります。低血圧も高血圧も血流障害に変わりはないためです。
低血圧の改善方法!どんな食事をとれば良い?
低血圧を改善するためには、血液、皮膚、筋肉、爪など、全身を作るための良質なタンパク質をとりいれることが一番の近道です。タンパク質を構成するのは、アミノ酸です。人の体は20種類のアミノ酸で出来ていると言っても過言ではないのです。そのうち、9種類は外から取り入れなくてはならない、必須アミノ酸です。
必須アミノ酸を意識して取り入れることで、それぞれの効能と、良質なタンパク質の両方を体内に入れることになります。必須アミノ酸の種類と、それを摂取できる食べ物、効能を見てみましょう。
◎ロイシン(http://hinketu.jp/archives/510)
- 食べ物→レバー・牛乳・チーズ・とうもろこし・鯵・ほうれん草など。
- 効能→タンパク質の合成・筋肉強化。
◎イソロイシン
- 食べ物→鶏肉・牛乳・チーズなど。
- 効能→血管拡張・疲労回復・筋肉強化・肝機能強化。
◎バリン
- 食べ物→鶏肉・魚・チーズ・ゴマ・ピーナッツなど。
- 効能→タンパク質合成・肝機能向上。
◎リジン
- 食べ物→鰆・サバ・豆腐・納豆・大豆・ほうれん草など。
- 効能→免疫力向上・ホルモン生成・酵素生成。
◎メチオニン
- 食べ物→牛肉・牛乳・にんにく・レバー・野菜・果物など。
- 効能→抑うつ効果。
◎フェニルアラニン
- 食べ物→肉類・魚介類・大豆・あずき・高野豆腐など。
- 効能→精神安定・鎮痛効果。
◎トレオニン
- 食べ物→チーズ・卵・ゼラチンなど。
- 効能→新陳代謝促進・肝機能向上。
◎トリプトファン
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- 食べ物→鰹・ブリ・サバ・バナナ・タラコ・高野豆腐・牛乳・コーヒーなど。
- 効能→セロトニン生産促進・安眠効果。
◎ヒスチジン
- 食べ物→鶏肉・イワシ・鰹・チーズなど
- 効能→神経機能向上・成長促進・ストレス軽減。
以上が体内で作ることのできない必須アミノ酸です。このうち、バリン ロイシン イソロイシンの3つを合わせて、分岐鎖アミノ酸(BCAA)と言われます。Branched Chain Amino Acidsの頭文字をとって、BCAAという訳です。
個別の効能のほかに、BCAAならではの効能もあります。それは、筋肉の合成促進、やる気や集中力の向上です。低血圧を改善するには、ぜひとりたいアミノ酸ですね。低血圧は、高血圧と違い、すぐにでも治療をしなければ死んでしまうような事はありません。そのため、ゆっくり、じっくり改善させましょう。
上記の必須アミノ酸が入った食材は、低血圧だけではなく、体を健康に保つために必要なものなので、気にしながら、なるべく食べるようにしましょう。また、必須アミノ酸が入っている食材には、必須ミネラルも入っているので、両方同時にとることができます。
そして、アミノ酸のサプリを飲むのが効果的です。サプリを選ぶ時は、「低血圧に効く」などの物ではなく、純粋に必須アミノ酸が豊富に入っているものの方が良いです。低血圧は、ただ血圧を上げれば良いわけではありません。
基準より多少低くても、それが自分にあっているかもしれないのです。そのため、血圧を上げる効果をサプリに求める必要はありません。
必須アミノ酸によって、良質なタンパク質が体内に充実してくると、自分に一番良い状態が出来上がってきます。その時、計測してみれば良いのです。
低血圧の改善方法!どんな運動が効果的?
低血圧を改善しようと思った人は、かなり辛い不快症状に苦しんでいるからです。そのような状態の人に、「朝ランニングをしろ」や「スポーツジムに通え」などと言えるわけがありません。まして、低血圧の人には、運動不足が原因と言うこともあるので、運動が得意分野だと言う人はあまりいないのです。
内容より、ストレスにならない程度に、毎日続けられることから始めましょう。イスに座った状態で、足を浮かせたり、そのまま膝を伸ばしたりする程度で良いのです。これは、デスクワークの人なら、会社でもできますね。疲れない程度に何度か繰り返してください。
自宅でやるなら、100均で売っているビーチボールを足に挟んで、何回か上げ下げしてみます。テレビを観ながらでも出来ます。休みながら、5分くらいやってみてください。足の運動をするのは、まず足の血液を心臓に送り返す筋力をつけるためです。むくみの防止にもなります。
自信や意欲が湧いてきたなら、少し遠いコンビニまで往復してみるなど、ウォーキングに近いお散歩くらいの気持ちで、出かけてみましょう。最初から遠出したり、速足で歩くと、疲れて続かなくなります。
まとめ
食事も運動も、無理をせず、ストレスにならない程度に始めましょう。続ける目的ももちろんですが、本能性低血圧の人は、神経質だったり、生真面目な性格が多いと言われていて、新しいことを始めると、まずストレスを感じてしまうのです。
ストレスは、低血圧の不快症状を悪化させてしまいます。そのため、無理のない程度から、始めてほしいのです。
また、低血圧の朝が辛い症状には、朝日が有効です。防犯上問題がないようなら、雨戸を閉めず、朝の明るさがわかるようにして、寝るのも効果的ですよ。そして、布団の中で、寝た状態のまま、片足づつ引きつけて、軽く叩いていきます。
足からお尻、お腹、胸、、両肩、首、顔、頭と全身を軽く叩きます。最後に腕は片方づつ布団から上に突き出してもう片方の手で軽く叩きます。さすっても良いですよ。たったこれだけでも、起き抜けのめまいが軽減されていきますので、ぜひやってみてください。
必須アミノ酸を気にした食生活は、体を充実させることが目的なので、年齢を重ねて血圧が正常範囲にまで上がったとしても、高血圧になることはありません。低血圧の改善をしながら、高血圧の予防までできてしまう優れものなのです。