妊娠検査薬を購入するのは緊張する、という人もいるのではないでしょうか?
「予定日から時間が経つけれど、生理が来ない…」
というような、不安に駆られたとき、自分で検査することができる、便利な薬と言えますよね。でも、妊娠検査薬は万能ではないということを知っていますか?
使用する時期によって、誤った結果を出してしまうことがある薬なんですよ!知っておくだけ知っておきたい、妊娠検査薬のお話し、聞きたくありませんか?
目次
生理中、妊娠検査薬は使えないって本当なの?!
生理が遅れている、体温が高い、などの妊娠初期症状が現れたら、自分で手軽にチェックできる妊娠検査薬。
「でも、どういう薬なのかよく知らない…」
「結果の味方が、よくわからない…」
という人は多いのではないでしょうか。そこで、妊娠検査薬を正しく使う方法をお話ししましょう。
妊娠検査薬の仕組みとは?
まず、妊娠検査薬がどういう仕組みなのか、お話ししますね。妊娠検査薬は、妊娠したことで初めてつくられる、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG;human Chorionic Gonadotropin)を検出する薬です。
このホルモンは、妊娠の状態を維持するために、胎盤が完成するまで(2~3ヵ月程度)生成され、出産するまで分泌されます。元々は、体の中にはないホルモン。
このホルモンが検出されれば、ほぼ100%妊娠していると言えるんです!
生理中は、使ってはいけない?!
生理中は、妊娠検査薬の反応が陽性になることは本来ありえません。
「じゃあ、どうして使っちゃいけないの?」
と思ったあなた。それは、生理中に陽性反応が出る、また生理と勘違いして、実は妊娠していたということがあり得るからなんです!都合の良し悪しは別として、妊娠すると生理予定日あたりに少し出血することがあります。
医学的に着床出血と呼ばれるものですが、予定日と重なることから「生理が来た」と勘違いしやすいんですね。妊娠しているのに、出血は生理が始まったから、と勘違いして、無理をしてしまったら…。大変なことになりかねません!
勘違いを避けるためにも、生理中は妊娠検査薬の使用を避けるべきなのです。妊娠検査薬は、生理予定日から1週間経ってから使うもの。しっかり覚えておきましょうね!
フライングに注意!
妊娠検査薬は、生理予定日から1週間経っても生理が来ないのを確認して使うものですが、1日でも生理が遅れると心配になるからなのか、一歩も二歩も早く検査薬を使う人がいるようです。
フライングで検査をして、陽性が出ることもありますが、検査の確実性を求めるにはやっぱり時期は守るのが良いでしょう。
また、検査薬を使った後、すぐに自分で判断してしまうのも危険です。検査薬を使って、薄い線で陽性反応が現れて、時間が経ったら線が濃くなりはっきり陽性を示す、ということがありますが、この場合は99.9%陰性で間違いありません。
妊娠している場合なら、時間が経たなくても濃く線が出てきますよ!フライングで判断するのも、NGなんです。
まだある!?妊娠していないのに陽性反応が出る場合
ここまでお話しした勘違いなど以外にも、下記のような場合には、妊娠していないのに妊娠検査薬で陽性反応が出る場合がありますよ!
- 不妊治療中で、性腺刺激ホルモン剤などの投与をされている
- 子宮外妊娠などの異常妊娠
- がん(卵巣や子宮頚などのhCG産生腫瘍)
- 糖尿、蛋白(たんぱく)尿、血尿で尿に糖やたんぱく質、血液が混じっている
いかがでしょうか。妊娠は、女性にも相手の男性にとっても一大イベントです。勘違いがあってはいけませんよね。
妊娠していなくても、陽性が出て慌てたり、妊娠しているのに気づかなかったり、こんな勘違いをしないよう、今からしっかり勉強しておきましょう!
参考:生理前は食欲が止まらない!そんな悩みに食欲を抑えるポイントをご紹介
妊娠検査薬で、正しい結果を調べるには?
ここまでで、妊娠検査薬を使う時期によって、誤った結果が出て、勘違いすることがある、ということはお分かりいただけたでしょうか。
ここでは、勘違いしてしまって一喜一憂しないよう、手順を追って正しい結果を調べる方法を確認しますよ!
検査の条件
生理中など、正しい結果が出ない時期に検査をしても、意味がありません。検査は、生理予定日の1週間後を目安に行うこと!
時期の算出は、生理開始日(前回)+生理周期+1週間。前回の生理開始日や生理周期がわからない場合は、性交渉があった日+3週間で算出してみましょう!
検査のやり方
市販の妊娠検査薬では、メーカーにより使用方法が違う可能性があります。ほとんどの場合、
- 検査薬(棒状)の先に尿をつける、またはコップに尿をとって検査薬に付ける。
- 平らな所に検査薬を数分間置いておく。
これで結果が出ます。使用の前に、必ず説明書を読みましょう!
婦人科を受診!
検査薬の結果が、陽性・陰性どちらの場合でも、必ず婦人科を受診するようにします。妊娠検査薬の結果は、参考程度のもの。
妊娠が確定されるのは、エコー検査(超音波検査)でお腹の中の赤ちゃんと、その心拍が確認されたときなのです!エコーで赤ちゃんの姿が見えるのは妊娠4週間から、心拍は6週頃から確認できます。自分で判断せず、必ず医師の診断を受けましょう!
本当に妊娠しているかどうかを判断するのは、あなたではなく、専門家である婦人科の医師です。特に妊娠している場合は、定期的に婦人科にかかることになりますから、信頼できる婦人科の先生と出会うことも重要なポイントになりますね。
自分で判断するのは危険!こんな病気があるんです!
妊娠している場合の検査の手順は、もうバッチリですよね。
上記を熟読して、妊娠検査の使用手順がわかっていただけたと思いますが、特にこんな場合は、危険なんですよ!
胞状奇胎(ほうじょうきたい)
赤ちゃんのベッドになる、胎盤をつくる絨毛の一部が、ブドウのようにつぶつぶになって繁殖してしまう、異常妊娠が胞状奇胎です。胞状奇胎では、胎児がちゃんと成長することができません。
掻把(そうは)手術という、流産をした場合と同じ手術をしなければ、細菌が子宮の中で繁殖してしまう可能性があるんです。
子宮外妊娠
受精した卵が、何らかの理由で卵巣や卵管、筋肉など、子宮以外の箇所に着床してしまうことです。
気づかないまま、胎児が成長していくと、着床したところが破裂してしまい、大出血を起こすことがあるんですよ!そうなったら、胎児どころかお母さんであるあなたの命にもかかわりますよね。
いかがでしょうか。自分で妊娠を判断して、婦人科を受診しないでいると、体にメスを入れて体内の一部を切除しなければならなくなる、また組織が破裂して命を落とす危険性だってあるんです!
婦人科受診の重要性が、よくわかりますよね!
まとめ
妊娠検査薬は、使う時期がカギを握っています!妊娠による出血を生理の出血と勘違いすることも考えられますし、生理予定日から1日遅れただけで検査すると、陽性が出る場合もあるんです。
思い切って妊娠検査薬を使う場合は、生理予定日から1週間以上生理が来ない場合、または性交渉から3週間以上経っている場合に使わなければ正しい結果がでないと言えます。時期を見て、検査するようにしましょうね!
また、検査で陽性が出たとしても、妊娠していると確定させるのは婦人科の医師。自分だけで判断しないことも大切ですよ!
判断を誤れば、体にメスを入れなければならないほど、重大な事態になってしまうので、自分自身の体を守るためにも、受診するのが大きな意味を持つのです!