辛いノロウィルスの症状として思いつくものは、激しく繰り返す、下痢・嘔吐。そして、発熱ですよね。下痢と嘔吐だけでも充分過ぎる程辛いのですが、追い打ちを掛けるような発熱に、気が滅入ってしまいます。
しかし、ノロウィルスに伴う発熱には、人間に備わる自然治癒力という素晴らしい機能であったり、または、注意しなくてはならない、体からのSOSのサインだったりするんですよ!
ノロウィルスに伴う発熱の原因をご紹介すると共に、辛い熱が下がるまでの期間、また、その他に現れる症状についてご説明します!また、無事に熱が下がるまで気を付けたいことについても一緒に考えていきましょう!
目次
ノロウィルスが原因の発熱や主症状と経過
ノロウィルスとは、ほとんど前触れなく、急に症状の現れる、急性ウィルス性胃腸炎です。気温が下がり、空気が乾燥している冬季に大流行する特徴があります。
ノロウィルスは、人間の小腸上皮細胞にだけで増殖する性質から、人から人へと、その強い感染力で感染を拡大していきます。
ノロウィルスの感染ルートは、感染者の触れた物を触ることで、その触れた手指から感染してしまう接触感染や、感染者の排出した吐物・糞便から飛び散ったウィルスを吸入することで感染する飛沫感染、また、ノロウィルスを含む汚物を処理する際、不適切な処理でウィルスが残留してしまい、残留したウィルスが空気中に舞い、それらを吸い込むことで感染してしまう、空気感染が挙げられます。
それらを介して感染すると、すぐに症状が出るのでしょうか?経過と症状を探ってみましょう!
ノロウィルスの潜伏期間
ノロウィルスに感染すると、すぐに症状が現れるわけではなく、24時間~48時間の潜伏期間を経て症状を発症します。
潜伏期間は症状はなくとも、ウィルスを保有している状態です。そのため、二次感染のリスクも充分考えられる範囲です。症状が現れないと、なかなか対策をとることはないので、潜伏期間中に無意識に感染を拡大しているという考え方もできますね!
ノロウィルスの症状と経過
ノロウィルスに感染すると、最短24時間ほどで発熱の症状が見られることがあります。稀に発熱を伴わない人もいますが、発熱があっても、37℃~38℃程と、同じ時期に流行るインフルエンザなどに比べると、それ程高熱には至らないのが特徴です。
発熱すると、次第に急激な症状が現れてきます。シクシクと腹痛が起こったかと思うと、吐き気がこみ上げ、一日に何度も激しい嘔吐を繰り返します。
吐き気が落ち着くころ、水のような、形状を留めない下痢を繰り返します。これらの症状が続く、発症から1日~3日目頃が一番感染力が高いとされていますので、対応には充分気を付ける必要があります。
他者のとの接触を控え、ご自宅においても、感染を拡大しないよう、生活用品の共用は避け、汚物の処理や除菌など細心の注意が必要です。
ノロウィルスの回復期
大人でも非常に耐えがたい症状が続きますが、適切な対処をすることで、体力のある成人であれば、数日で症状は治まるとされています。
しかし、症状は治まっても、ウィルスをすべて排出できたとは限りません。病状が回復した後のも、排泄した便の中にはウィルスが存在し、感染する可能性は充分あると言います。
ノロウィルスに感染すると、二次感染・集団感染のリスク軽減のため、出席停止や出勤停止という形をとることがありますが、症状が治まったからと言って、すぐに出勤・出席することなく、症状がなくなってから48時間は他者との接触を控えましょう!
発熱の原因と主症状以外に見られるその他症状
ノロウィルスの主症状には、発熱・嘔吐・下痢があります。とても辛い症状に、気の滅入る思いですが、それら全てには素晴らしい理由があり、また反面では、体からのSOSサインであることもあります。
原因を理解しながら、体からのSOSサインを見逃さないように気をつけましょう!
発熱の理由
ノロウィルスが原因で発熱するメカニズムについてご説明します。
ノロウィルスを発症すると、37℃~38℃程度の発熱を伴うことがあります。これは、侵入してきたウィルスの増殖を、熱によって抑えようとする、自己防衛反応です。
発熱が続く時、気を付けたいことが脱水症状です。発熱に伴って発汗することで、脱水に陥りやすくなります。発熱の理由のもう一つに、その脱水症が関わっていることもあるので、充分気を付けて下さい。通常人間は、体内の水分を利用して体温調節を行っています。
しかし、脱水になると、体温調節に必要な水分がない状態ですので、それでもどうにか体温を保とうと、発熱してしまうのです。ノロウィルスには嘔吐・下痢の症状を伴いますので、大変脱水症に陥りやすくなります。適宜、水分補給を行う必要があります。
嘔吐・下痢を繰り返す理由
ノロウィルスの症状を発症すると、激しい嘔吐下痢を繰り返します。これら症状も、素晴らしい自然治癒の力を秘めているのです!侵入してきたウィルスを、一刻も早く外へ排出しようとする戦いの証が、下痢や嘔吐の症状です。
ですから、あまりに症状が辛いが故に、むやみに下痢止めや整腸剤を服用するのは控えましょう!
ウィルスを排出できれば、症状は落ち着いてきます。再度繰り返しますが、脱水症を引き起こさないよう、こまめに水分補給を行いながら、症状が落ち着くのを待ちましょう。
ノロウィルスで現れるその他症状
ノロウィルスでは、発熱・嘔吐・下痢が主症状として表れます。
症状の出方には個人差がありますが、次のような症状が見られることもありますので、参考までにご紹介します!
- 全身の倦怠感
- 激しく急激な胃痛・腹痛
- 頭痛
- 悪寒
これらの症状が現れることもあるようです。病中、いかなる症状であっても、辛いようであれば早期に病院を受診して下さいね。
ノロウィルスに隠れて、違う病気が隠れている場合も充分考えられます。症状を注意深く観察しておくと良いでしょう。
参考:ノロウイルスの疑いで検査が出るまで出勤停止?検査の費用はいくらかかる?
熱がある場合の注意点
ノロウィルスで発熱を伴う場合、次の注意点に気を付けながら対処していきましょう。
何よりも水分補給の徹底
繰り返し何度も申し上げて参りましたが、何よりも怖いことが脱水症です!脱水症によって病状を悪化させ、回復を遅らせてしまう可能性もあります。長く続く発熱には、脱水が関係している場合もあるので、適宜、充分な水分補給を実施していきましょう!
嘔吐や下痢で、なかなか充分な水分を補えない場合は、病院を受診し、点滴にて脱水症の治療をすることになります。脱水が重症化すると、大変危険ですので、なるべく早い段階での受診をおすすめします。
衣服や布団での温度管理
発熱に伴う感覚的な症状は、暑さであったり、悪寒であったり、その時の体内の状況によって違いがあります。発熱で暑さを伴う場合の体は、熱が上がりきり、余分な熱を発散しようとしています。
体を急に冷やさない程度の薄い衣類に着替えましょう。また、布団を1枚剥いだり、薄い物に変えたりするのも良いでしょう。保冷剤でクーリングすることも有効です。
すぐに熱を下げようと、解熱剤を服用することはオススメではありませんが、どうしても辛い場合は、必ず病院で診察を受けて、医師の判断での処方薬を内服するようにしましょう。
一方、悪寒を伴う発熱の場合、体内では、ウィルスに熱で対抗しようと、足りない熱を筋肉を震わせて補おうとしているところです。厚地の衣類を着たり、布団を多めに掛けるなど工夫して、発熱した熱を維持できるよう、努めましょう。
参考:ノロウィルスは空気感染するの?マスクをすれば大丈夫って本当?
まとめ
ノロウィルスに伴う症状は、どれをとっても非常に辛いものです。
ですが、いずれの症状にも、自らの力で体を治そうとする自然治癒力のメカニズムが関係しています。その時、その症状に合わせて、適切な対応をしていきましょう。
最後に念を押すように繰り返しますが、ノロウィルスの最大で最良の対処法と、体のバランスを整える上で大切なのは水分補給です!1に水分!2に水分!3、4も水分!5に水分!充分な水分補給で、ノロウィルスに対抗しましょう!
参考:ノロウィルスで体調不良の時にでも食べられる食事や飲み物