貧血はクラクラするだけではないんです。目を開けていられないほど眠くなったり、まさかの抜け毛まで起こるんです!
貧血の症状、気をつけたいことなど詳しくまとめてみました。
目次
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貧血症状で眠気が…何でなの?
ひとくちに「貧血」と言っても、その種類はとても多く、原因もさまざまです。血液の生産が間に合わなくなるものから、血液の成分が少なくなるもの、体の一部分に血が通わなくなるもの。数あるなかでも、一般的に「貧血」と言われるのは、鉄分不足からくる「鉄欠乏性貧血」です。
口の中を切った時など、血から鉄の味がしますよね。血液の中には鉄分を元に作られるヘモグロビンが活躍しているのです。ヘモグロビンが体の中に酸素を運んでくれるおかげで、元気に生活できています。
ところが、鉄分がなくなると、ヘモグロビンが減ってしまい、酸素があまり回らなくなってしまいます。ヘモグロビンは「大変だ!酸素を早く届けなきゃ」とばかりに、少なくなった仲間とともに、スピードを上げて体内を回り始めます。
その時、体には心臓がドキドキする動悸や息切れとして表れます。ヘモグロビンは頑張っているのですが、これは悪循環で、苦しくなった体は正常に戻そうとして、さらにたくさんの酸素を使ってしまいます。ヘモグロビンの努力むなしく、体は酸素不足・・・酸欠状態に陥ってしまうのです。
酸欠状態に陥ると、さまざまな臓器は少しの酸素を大切に使おうと、動きが鈍くなります。その中でも一番影響を受けるのは「脳」です。脳は他の臓器と比べものにならないほどの酸素の消費を繰り返しています。脳にとっての酸素は自動車を動かすためのガソリンや電力ほど重要で必要なものなのです。
そんな大切な酸素が不足してくると、脳はとたんに働きが鈍くなり、体に影響が出始めます。眠気、記憶力の低下、頭痛、めまい、無気力、症状は数えきれないほどありますが、簡単に言うと、元気に生活できなくなるってことなんです。特に眠気は、最初に表れます。
貧血の時に吐き気や眠気の症状が。ならないための対処方法とは?
脳は酸欠だと感じると、「活力モード」から「休息モード」にシフトチェンジします。脳がお休みしてしまうので、体は眠くて眠くてしかたがない状態です。貧血の人はこの眠気と戦うのが大変なのです。健康な人にはわからず、まるで怠け者のように思われますが、寝ようとする体を起こしているのは、とても疲れることなのです。
貧血症状で抜け毛が起こるのはどうして?
貧血によって、抜け毛がおこることがあります。髪の毛根には発毛、育毛に必要な毛母細胞というものがあります。この毛母細胞が酸欠になることで、働きが鈍くなり、髪の毛に栄養が行かなくなります。髪の毛はどんどん細くなり、枝毛や切れ毛になり、やがて抜けてしまいます。
女性は出産すると抜け毛が増えると聞いたことがありませんか? 妊娠、出産、授乳と立て続けに鉄分が使われてしまい、鉄分不足の貧血になる人が多いのです。その症状のひとつとして、抜け毛が起こったのです。
貧血を知るならヘモグロビンから!
鉄分不足がおこると減ってしまうヘモグロビン。いったいどんな物質なのでしょう。 ヘモグロビンは「ヘム」という鉄を含む色素と「グロビン」というタンパク質で出来ています。
一番の仕事は、血液の循環とともに、体の組織に酸素を運ぶことです。これだけでも有難いのですが、さらにすごいのが、組織に到着すると酸素を離し、今度はそこで出た、不要な二酸化炭素を運び出す仕事もしているのです。
- 酸素を運ぶヘモグロビンを「オキシヘモグロビン」といいます。鮮血色(動脈血)です。
オキシヘモグロビンの働き
呼吸→肺(ここで酸素を受け取ります)→体中の組織へ配達(ここで酸素を離します)
- 二酸化炭素を運ぶヘモグロビンを「デオオキシヘモグロビン」といい、暗血色(静脈血)です。
デオオキシヘモグロビンの働き
体中の組織(ここで二酸化炭素に持ち替えます)→肺(ここで再び酸素に持ち替えます)
これを、寿命120日間続けます。途中で糖の影響などを受け、死んでしまうと、新たなヘモグロビンが作られます。このとき、必要なのが鉄分です。健康な状態だと、人は肝臓に鉄を適度に貯蓄してあります。
この肝臓貯蓄鉄を「フェリチン」といいます。鉄欠乏性貧血の人は、このフェリチンが空っぽの状態なのです。新たなヘモグロビンが誕生せず、寿命や障害で次々と死んでしまい、減少してしまうのです。
貧血の薬・・・鉄剤?
病院の検査で鉄欠乏性貧血の診断を受けると鉄剤と呼ばれる薬を処方されます。
薬 名 | 主成分 |
「フェロミア」 | クエン酸第一ナトリウム |
「フェロ・グラデュメット」 | 硫酸鉄水和物系 |
「スローフィー」 | 硫酸鉄水和物系 |
「フェルム」 | フマル酸第一鉄 |
このあたりが、処方されることが多いかと思います。
フェロミアは一番多くの方が飲まれている一般的な貧血の薬ですね。お子様にも処方されます。ただ、これらの鉄剤は胃の負担が大きく、吐き気や腹痛を起こす人がとても多いのです。
それが辛くて飲むのをやめてしまう人もいるのです。そんなときは、病院でその事を相談すると、薬を変えたり、注射での治療に変更してもらえます。自分にあった薬をみつけて、早く治したいですね。
「ファイチ」や「マスチゲンS」などの市販薬もあります。ただ、最初は医師の診察を受けて、自分がどんな状態なのか確認してから服用される事をおすすめします。