昔からCMで御馴染みのボラギノール、痔になったら取り敢えずボラギノールを選択する程痔の治療にはスタンダードになっています。
しかし、痔にも様々な種類があり、イボ痔には効果を発揮してくれるのでしょうか?
今回はイボ痔にスポットを当てて、本当にボラギノールで治療する事でイボ痔が治るのか、副作用はないのかと色んな角度から見ていき、詳しくまとめてみました。
目次
ボラギノールでイボ痔は治るのか
ボラギノールでイボ痔は治る?
では、ボラギノールで実際にイボ痔は治るのでしょうか?答えはNO!ボラギノールはあくまで、イボ痔の痛みや出血を緩和してくれるだけの存在です。
なので、イボ痔の根治には効果がなく、実際にイボ痔を治すとなると肛門科など病院にかかる必要があります。
イボ痔は自分だけで治すには手に余る病です、ボラギノールで症状を緩和しながらタイミングを見て病院に駆け込みましょう。
ボラギノールの効果とは?
では次にボラギノールの効果を見ていきましょう。ボラギノールの効果としては、
- 出血防止
- 腫れをおさめる
- 痒みを止めてくれる
以上の効果を発揮してくれます。これは、ボラギノールに配合されているステロイドが痔に作用し、炎症を鎮めてくれるからです。また、ステロイドの配合されていないボラギノールMには、生薬であるグリチルレチン酸が配合されています。
このグリチルレチン酸は、ステロイドには多少劣るものの炎症を抑えてくれます。皮膚が弱くてステロイドが使えない人、そして妊婦の人はこちらを選ぶと余計な皮膚トラブルを抱える事なく痔を治癒させる事が出来ます。
ボラギノールの副作用とは?
長年痔の人々を救ってきた痔の神様であるボラギノールですが、実は副作用の報告も出ています。副作用の報告は以下の通りです。(※この副作用はステロイド配合の方で報告されています)
- ボラギノールに含まれるステロイドで化膿や細菌感染が悪化してしまう
- 免疫力の低下
- 皮膚の萎縮
- 皮膚のかぶれ
- ステロイドが入ったボラギノールを長期間の使用で皮膚が薄くなる
以上です。ボラギノールに含まれるステロイドは強力で、炎症を一気に治してしまう力があります。また、ステロイドが配合されていないボラギノールMの方でも、
- むくみ
- 高血圧(※内服薬の場合のみ報告あり)
が報告されています。しかし、妊婦の方はステロイド入りのボラギノールよりも、配合されていないボラギノールMの方が、副作用も少なく子どもへの影響もないのでお勧めです。
イボ痔の仕組みと種類
イボ痔の種類
イボ痔と一口に言っても実は種類があったのをご存知ですか?イボ痔には、出来る場所によって二種類に分類されます。
- 内痔核
- 外痔核
この二種類です。大体イボ痔に罹ってしまった人の8割は内痔核であると言われています。日本は3人に1人の割合で痔を発症しますが、驚くべき事にその内約6割がイボ痔を発症しているというのです!
内痔核は文字通り肛門の中に力んだ時や便秘が原因で直腸肛門部の血管の流れが悪くなって毛細血管の集まっている静脈叢が鬱血する事での痔が出来てしまうのです。
直腸粘膜側には神経が通っていませんから、便が通る際などに出血する事はあっても痛みは殆ど感じません。対して外痔核は肛門外側の皮膚に出来るので、痛みを非常に感じやすく、急性の炎症を起こして血栓が出来る事で激痛を伴う場合もあるのです。
なかなか女性は言い出しにくい事もあって、正確な男女比は調べられていませんが、女性は便秘が原因で肛門が裂傷してしまう事がある為に、イボ痔に関しては男女の差はそんなにないのではないかと言われています。
イボ痔の原因は?
では、イボ痔は何故起きてしまうのでしょうか。イボ痔の主な原因は男女で違いますが、
- 生活習慣の乱れ
- 不摂生
- 飲酒
- 便秘
が挙げられます。女性は元から便秘体質の人が男性よりも多く、そして快便だった人でも妊娠してから便秘になりやすいので、イボ痔の割合が高いのです。
こんな時は危険!
イボ痔は出血する事も症状の特徴なのですが、気を付けなければいけないのは出血の種類です。実は痔から来た出血ではなく、大病の前兆である危険もあるのです。
- 便器に霧状に吹き付けるような赤い出血
- トイレットペーパーに付着する赤い出血
- 便に赤い血が混じっている
- 便器を真っ赤に染める程の赤い血
以上がイボ痔から来る出血と考えられています。しかし、それ以外に、
- 便に粘着するような黒っぽい血
- トイレットペーパーに黒っぽい血
この場合、肛門ではなく腸の方から出血していると考えられています。腸から黒い出血をしている時に疑われるのが大腸がんです。
よく痔と勘違いして検査を受けずに、悪化してから初めて大腸がんが発見される事があります。
出血の色が赤色ではなかった場合、大袈裟とは思わずにすぐに病院で検査を受けるようにしておきましょう。
ボラギノールの種類と仕組み
ボラギノールとは?
では、次にイボ痔の治療で役立てられるボラギノールですが、一体どんな成分なのでしょうか。ボラギノールには現在二種類のタイプがあります。
- ボラギノールA
- ボラギノールM
この二種類には以下の違いが見られます。
- ボラギノールAは内部に注入する、外部に塗る、座薬の三つのタイプがあり、ステロイドを含んでいる
- ボラギノールMは内部に塗る軟膏タイプと座薬の二つのみ。ステロイドは含んでいない
つまり、内痔核には注入が出来るタイプ、そして座薬が効果を発揮してくれます。対して外側に出来た外痔核には塗り薬が効果を発揮してくれるので、出来た場所によって臨機応変に薬を分けておきましょう。
なんで副作用が起きるの?
では、何故ボラギノールを使うと副作用が起きてしまうのでしょうか?それはボラギノールに含まれているステロイドが原因でした。
ステロイドは強力に炎症を抑えてくれるので、痔には非常に有効に効いてくれますが、関係ない皮膚にまで影響を与えてしまう場合があるのです。
また、ステロイドが配合されていないのにボラギノールMの副作用が起きる理由として挙げられるのは、配合されているグリチルレチン酸が原因でした。
グリチルレチン酸は炎症を緩和してくれる効果があるのですが、飲み薬になるとむくみや高血圧の副作用が報告されています。一応副作用は頭に入れておきましょうね。塗り薬で副作用の目立った報告はありませんから、妊娠していても安心して使って大丈夫でしょう。
ボラギノールは皺取りにも効果がある?
ボラギノールの驚くべき利用法として、皺取りも女性の間では人気になっています。
しかし、そんな事して大丈夫なのでしょうか?答えは大丈夫!適切に利用すれば、皮膚の血行を良くして肌のハリを取り戻してくれるのです。ただし、使うには条件があります。
- 毎日塗るとステロイドが作用してしまい、皮膚に炎症が起きる可能性があるので隔日で使用する
- 特に皮膚が弱い部分(目元)は塗ると炎症を起こす可能性が高い為に塗らないようにする
もしも誤った使用法を繰り返してしまうと、最終的に皮膚がダメージを減らそうとメラニンを過剰に分泌し、肌が黒ずんでしまう可能性があります。
皺を取る為にボラギノールを使用する時は隔日使用する事を守って使用しましょう。あくまでボラギノールは痔の薬です。本来ならば顔の皮膚に塗る事は想定されていません。皺取りは専用の化粧品や皮膚科に行くようにしてくださいね。
まとめ
ボラギノールは痔になった人にとっては救世主のようなありがたい存在です。
しかし、絶対にイボ痔を治してくれるという訳ではなく、場合によってはステロイドの引き起こす炎症反応でイボ痔を悪化させてしまう危険性もあるのです。
どんなお薬にも必ず副作用があります。ボラギノールを使って合わないと判断したら、すぐに別のお薬に変えて治療を行いましょう。痔を恥ずかしい事と思わずに、なるべく通院治療と併用して行うようにしてくださいね。
イボ痔でも症状が重いと1~2週間の入院を勧められる事がありますが、仕事の都合などで入院できない人の方が多いでしょう。通院治療で大丈夫です。ボラギノールと通院でなるべく早くイボ痔を治してくださいね。