着物を着る際、女性が日本髪をゆう時に使用するつげ櫛(つげくし)ですが、最近ではプラスチック製の櫛よりも静電気が起きにくく、髪をキレイに保つことができるという理由から普段からつげ櫛を使っておられる方も多いですね。

 

しかし、つげ櫛は正しい手入れをしなければ、本来の効果を得ることはできません。

 

今回はつげ櫛の手入れ方法について詳しく解説していきますので、最後まで目を通していってくださいね。

 

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つげ櫛を手入れする為の道具

つげ櫛 手入れ

つげ櫛の手入れには、櫛の歯の間にはさまった皮脂や髪の毛を取り除くハケと、乾燥を防止し、皮脂を溶かす椿油(つばきあぶら)、また、最後に拭き取るための柔らかい布やコットンが必要です。

 

つげ櫛の素材はつげの木なので、乾燥すると長く使うことはできません。

 

乾燥すると水分を失って縮んでしまい、その際に変形して櫛が曲がり、歯が斜めになって使い物にならなくなることもあるので、気をつけてください。

 

そのため、定期的に油分をおぎなってあげる必要があるのですが、数ある油の中でも椿油が適しているのには“ある理由”があるのです。

椿油は皮脂汚れを溶かす

椿油をつげ櫛につけると乾燥を防ぐだけではなく、皮脂汚れを落とすという点で他の油よりも非常に優れています。

 

皮脂汚れを落とすには、皮脂に近い油分をつけるのが最も効果的なのをご存知ですか?

 

つげ櫛は水で洗うことができず、当然洗剤を使うこともできませんので、それ以外の方法で皮脂汚れを落とす必要があるのですが、油分は同じ油により溶けやすいという性質を持っており、これを溶解(ようかい)といいます。

 

このことから見ても、椿油はつげ櫛のメンテナンスに非常に向いている油なのです。

椿油の主成分は「オレイン酸トリグリセリド」。耳慣れない言葉ですが、実は私たちの皮脂に含まれる成分と同じ。

皮脂を構成するトリグリセリドのうちの1つで、肌に自然になじむようなつけ心地です。

また酸化しにくく、乾きにくい油脂なので、保湿・保護剤として優れています。椿油が肌にやさしい理由はこうしたことにあるのです。
引用元/大島椿株式会社

さらに、椿油にはオレイン酸という酸化(空気や光に触れるとで品質が劣化すること)しにくく、蒸発するのが遅い成分が沢山入っているので、櫛を乾燥から守る他、髪にとっても良い油であると言えるでしょう。

 

油が酸化すると、細胞を老化させる活性酸素という物質が発生し、嫌な臭いがしたり、髪の毛や頭皮にダメージを与えるので、酸化しにくいというのはつげ櫛につける上で非常に大きなポイントです。

 

つげ櫛は髪を美しく保つために使うものなので、メンテナンスに使うオイルは保湿能力が高く、肌に優しいというのは大前提となりますが、さらに椿油は人間の皮脂に近いので、頭皮に刺激が少なくてすみ、肌のトラブルが起こりにくいのもプラスとなります。

 

ただ、注意して頂きたいのは、つげ櫛の手入れにも髪や頭皮にとっても、余計な添加物が入っていない椿油100%のものを選ぶということです。

 

老舗ブランドの大島椿株式会社が出している「大島椿(おおしまつばき)」は、椿油100%ですが、中にはパッケージが似ていても中身が全く違うものもあるため、購入の際にはよくパッケージ裏の成分表示を確認してくださいね。(つげ櫛専門店でも手入れ専用の椿油を販売しているところがありますので、購入の際に聞いてみましょう)

 

ただし、いくら椿油100%でも酸化が始まると嫌なニオイが発生するため、保存の際は直射日光を避けて、使用期限内に使い切ってください。

はけを選ぶ際のポイント

つげ櫛の専門店が販売しているものがベストですが、使用済みの歯ブラシでも代用できます。

 

つげ櫛の手入れ用に販売されているものは、櫛を傷つけないように柔らかい素材を使っていますので問題ありませんが、歯ブラシで代用する際には、硬すぎるものはひかえた方がいいでしょう。

 

特に最初は手入れも慣れていないので、すき間の奥(取っ手に近い部分)の皮脂汚れを取ろうと力が入ってしまうことがあり、硬い歯ブラシだと傷をつけてしまう可能性があるので、触ってみてあまり毛が硬くないものの方が安心です。(使い古しのものの方が、毛が立っていない分、傷がつきにくいでしょう)

 

また、使い古しの歯ブラシを使用する場合には良く洗った後、水気が完全になくなるまで乾かしてから使用してください。

 

湿っている状態で使うと、せっかくのつげ櫛が濡れてしまい、乾く時に変形したり品質が落ちるので気をつけましょう。

拭き取る際も柔らかい素材で優しく

長く使うために、拭き取る際も柔らかいタオルかコットンで力を入れずに拭き取りましょう。

 

つげ櫛の手入れの後や使用後に拭き取る素材もできるだけ柔らかいものを使うことで、摩擦による傷や破損を防ぐことができます。

 

もちろんティッシュペーパーでも大丈夫ですが、油がしみて手につくのが嫌な方は、厚手のコットンを使うといいでしょう。

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つげ櫛をピカピカに手入れする方法

つげ櫛 手入れ

道具が揃ったらつげ櫛の手入れをしていきましょう。

 

椿油をつけて皮脂汚れが浮いてくるのを待ち、それからはけで間の汚れを優しく落としていきます。

つげ櫛の手入れ手順

(1)まずは全体に椿油をなじませます。

 

コットンや柔らかいタオルに椿油を多めにつけてから、つげ櫛の歯の間にもしっかりと浸透するようになじませていき、そのまま少しおいておきます。(汚れ具合によって変わりますが、10分から30分が目安です)

 

もし、汚れがひどい場合には、多めに椿油をつけて1日直射日光の当たらないところにおいておきましょう。

 

(2)ある程度時間が経ったら、皮脂などの汚れが浮いてきますので、歯の間を中心に力を入れずにはけや歯ブラシを使って汚れを落としていきます。

 

(3)最後に全体をコットンなどで拭き取って終了です。ここで、次に使用するまで時間をおいて椿油を櫛に染み込ませてください。

 

そうすることで、椿油がつげ櫛にしっかり浸透し、乾燥と酸化を予防することができるので、お手入れが終わった後も少しそのままにしておきましょう。(目安としては3~4時間くらい)

お手入れのコツ

皮脂汚れなどが、下に落ちるのでビニール袋などの上でやると楽にお手入れができます。

 

あと、汚れが多い場合には、櫛を持ってやると手が疲れますので、下にビニール袋をひくとつげ櫛を置いて掃除すると手が楽です。置いてやる場合には、片面をキレイにした後、裏返してもう片面を掃除して下さいね。

 

そして、お手入れに使うのは歯ブラシなど柔らかい素材で、爪楊枝などは櫛を痛めてしまうので極力使うのをひかえて、歯の奥(取っ手に近い部分)に汚れが詰まった場合には、厚紙を間に入れて軽く上下させるようにこすりましょう。

 

また、使い古し歯ブラシを使う場合は、根本に歯磨き粉が残らないようにしっかりと洗ってから、良く乾かして使ってくださいね。

手入れをする頻度

人によって使う頻度や、髪の長さが変わるので一概には言えませんが、月に1回くらいはお手入れをするようにしましょう。

 

毎日手入れをする必要はありませんが、つげ櫛は使っているうちに頭皮から出る皮脂がついて酸化していきますので、月に一回くらいは椿油で皮脂汚れを落としておくことで嫌なニオイが発生するのを防ぐことができます。

 

あとは、見て汚れていたらお手入れしてあげることで、気持ちよくつげ櫛を使うことができるでしょう。

 

また、使用する際に注意が必要なので覚えておいてください。

水や湯で洗いますと光沢がなくなり、歯の狂いやふやける原因となりますのでご注意ください。

濡れ髪にもお使いいただけません。タオルドライを十分にしていただい場合はお使いいただけますが、お勧めは致しません。

つげ櫛は熱に弱いので、ドライヤーで髪を乾かすときに使わないで下さい。

引用元/【櫛兎】つげ櫛専門店

髪は手ぐしでよくドライヤーで乾かしてから、つげ櫛を仕上げに使うようにしましょう。

 

そうすることで、摩擦が減り、静電気がおこりにくくなるのできれいな髪が保てるのです。

つげ櫛の材質(素材)について

つげ櫛 手入れ

中には材質が違い長持ちしないものがあるので、つげ櫛は専門店かしっかりとしたお店で購入することをおすすめします。

 

つげ櫛の材質はつげの木なのですが、国産のつげの木で作られているものと輸入のものを使っているものがあるので気をつけてください。

 

国産のものの方が丈夫で表面も滑らかなので、高価になりますが長く使うのであれば“国産”としっかり明記してあるものを購入した方がいいでしょう。

 

しかし、購入の際に少し分かりにくいのが、輸入のものを使っているつげ櫛の場合でも、その旨が明確に表記されていない場合があるということです。

 

つげ櫛は他のプラスチック製の櫛よりも手入れに手間がかかります。せっかくつげ櫛を使うのであれば国産のものが断然オススメなので、ネットでも店頭でもしっかりと国産のつげの木を使っていると表記されているものを選択すると間違いがありません。

 

また、商品によって全体の大きさ、歯の目の細かさが違うので、自分の髪質なども考慮し選んでください。その際にも、やはり専門店での購入の方が、バリエーションがあっていいでしょう。

まとめ

つげ櫛のお手入れは、椿油と歯ブラシ、コットンなど拭くものがあれば十分ですが、櫛の汚れを浮き上がらせるため時間をかけて行ってください。

 

お手入れする頻度は月に一回程度で、水やドライヤーの熱に弱いので使用する際も、髪を乾かした後の仕上げに使いましょう。

 

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