たとえば、足の裏にできたイボ。歩きづらくて、つらいですよね。
自分でイボを取ってしまおうとしても、硬くてなかなかうまくいかないこと、ないですか?そんなイボをきれいに治す方法は、皮膚科にありますよ!
皮膚科で行うのは、主に液体窒素療法(えきたいちっそりょうほう)という治療方法。
「冷却?冷やせば治るの?」
と思いましたか?その答えは、これから一緒にみていきましょう!
目次
イボを治す?液体窒素療法とは
液体窒素療法はおよそマイナス200℃の液体窒素をイボに押し当てて、イボがある部分の皮膚細胞を死なせる、という方法です。綿棒に液体窒素をつけ、それを患部に当てます。
冷やすと言っても、マイナス200℃なんて、日常生活では考えられない冷たさですよね!それほど冷たいものをあてると、イボで硬くなってしまった皮膚の表面が壊死(えし)してしまいます。
そして、その下の新しい細胞で皮膚が新しくよみがえらせることができるんです!イボを除去するだけでなく、新しい皮膚の生成にも効果があるので、日本では最も一般的で、昔から行われています。
液体窒素療法、デメリットはある?
液体窒素療法は、イボを除去すること、新しい皮膚細胞をしっかりつくること、この療法が叶うところがメリットと言えます。
液体窒素療法は保険適用内なので、出費を抑えて治療ができるのもうれしいですね。では、逆にデメリットと言えることはあるのでしょうか?
痛みをともなう
液体窒素療法では、マイナス200℃程度の液体を患部に当てる、というお話しをしましたよね。これだけ温度の低いものに肌が触れると、低温やけどの状態になってしまうんです!
高温のものに触れたときと同じように、温度の低いものに触れたときも、やけどのような症状が出てしまいます。よって、液体窒素を含んだ綿棒が患部に当たると、やけどをして痛みがある場合があるんです。
時間がかかる
イボは、一度の施術で除去するのがとても難しいと言われています。そのため、2~3週間おきに、液体窒素療法を受ける必要があるんです。時間をかけて、皮膚の奥に残ったウイルスを取り除かなければ、再発してしまうかもしれません!
一度治ったと思っても、またイボができる、というのはよくあることなんです。どんなに面倒でも、しっかり通い続けることが、完治につながるんですね。
色素沈着が起こる
必ず、というわけではありませんが、液体窒素をあてることはやけどさせること。やけどによって、イボがあった部分に色がつき、痕が残ってしまうことがあるようです。
顔や首など、露出していることが多い場所にあるイボの場合は、この治療法は好まれないと場合もあります。
いかがでしょうか。液体窒素療法は、時間こそかかるものの、イボを完治させてくれる可能性が高い方法です。保険適用内の方法で治療したい場合は、病院で相談してみると良いですよ。
他にもある?イボの治療方法
ここまで、液体窒素による治療方法をお話ししてきましたが、治療方法がそれだけ、というわけではありません!
液体窒素療法以外の方法と、そのメリットで・デメリットもお話ししましょう!
レーザー療法
最近では、液体窒素療法と同じくよく知られている方法です。この治療法では、炭酸ガスレーザーを使うのが一般的と言われていますよ。
患部を含む、皮膚は水分を多く含んでいるので、そこに炭酸ガスレーザーを照射すると、皮膚の水分と炭酸ガスが反応して、熱が発生します。熱がなくなるとき、消える熱とともに皮膚がはぎ取られ、イボが取り除かれるんです!
この方法なら、液体窒素療法のような痛みや指揮を沈着の心配はほとんどなく、通院も術後数回で済むのがメリットです。
しかし、レーザー療法の場合は、保険適応外であることがほとんどです。早く治ることの引き換えに、治療費は高くなるのは、デメリットと言えるかもしれませんね。
薬物療法
液体窒素やレーザーなどの施術ではなく、薬で治す方法もありました!そのときに活躍するのが、サリチル酸。
サリチル酸には、角質を軟らかくする成分があります。サリチル酸配合の薬を患部に塗り、角質が軟らかくなったところで、イボができた部分の皮膚を一度壊して皮膚を再生させる、という方法です。
サリチル酸は、市販のイボコロリ(横山製薬)や、スピール膏(ニチバン)にも含まれている成分なので、比較的身近な治療法かもしれませんね!塗り薬や絆創膏のように貼るタイプがあるので、「病院に行くのは手間、自分でやってみる!」という人には良い方法でしょう!
ただ、早く治したいからと言って、同じ個所に大量に使用する、複数のイボを同時に治療する、ということをしてしまうと、炎症や肌荒れが起こることがあります。
サリチル酸は、イボに有効というわけではなく、皮膚全体に対して効力があるので、注意が必要なんです。その点は、用量を確認する以外は加減を知らない私たちには、デメリットといえるかもしれません。
液体窒素療法以外の治療方法をお話ししましたが、「この方法にしよう!」と思う方法はあったでしょうか?気になるイボですから、どの方法でも良いので、治療を始めるのがよいですよ!
イボを治すために、やるべきこと
お話ししてきたように、イボを治すにはさまざまな方法があります。
どの方法も、適切に行えば効果があるものですが、治療の前にやっておくべきことがありますよ!
受診は必須!
どの治療方法で治すにしても、まずは一度病院で症状を見てもらいましょう。めずらしいものですが、まれに悪性のイボというものができることがあるんです。
医師という専門家に診てもらえば、いまあなたのイボはどんな状態なのか、悪性なのか、どの方法で治すのが一番良いのか、を判断してもらえ、最適な方法で治療してもらえますよ!
病院にかかっていれば、治った後のフォローアップも万全ですよね。
悪性のイボとは
基底細胞がん
顔面にできるがんで、日本人の場合は黒色のものがほとんどです。
転移はほとんどみられませんが、放っておくと拡大して潰瘍(かいよう)ができてしまうこともあります。
悪性黒色腫
これは、ほくろのガンと言われているものです。
日本人では足の裏に起こることが多いと言われますが、ほかの部位に起こらないというわけではありません。
有棘(ゆうきょく)細胞がん
有棘細胞は、増殖する力のない表皮の細胞です。
この細胞に似たがん細胞が原因で起こる病気で、転移することが多いとされています。
たかがイボ、されどイボ。ただのイボ、できものだと思っていたものが、実はがんだった、という事態は避けなければいけません。
どんな病気でもそうですが、専門家に診てもらって、しかるべき治療をしなければ、取り返しのつかないことになりかねないんです!「これは、イボかな?」と思ったら、まず皮膚科を受診しましょうね。
まとめ
イボを治すには、液体窒素、レーザー、薬物など、さまざまな方法がありますが、中でも液体窒素療法は、歴史のある治療法です。治療には時間がかかりますが、多くのイボを治してきた、信頼のある方法と言えるでしょう。
最近ではレーザー療法も増え、時間がかからずぐに治ると台頭しています。薬物を使う方法は、ドラッグストアで購入できるものを使用できるので、比較的簡単ではあります。
市販の薬での治療もありますが、何よりもまずは皮膚科を受診して、医師に判断を仰ぐと良いでしょう。イボの状況や病状を的確に判断できる、専門医の診察を受けることが、一番の治療かもしれません。
その上で、レーザーなどの施術や薬での治療を始めるのがおすすめです。
あなたのイボを治すのに適しているのは、どの方法でしょうか。さっそく、医師の診察を受けましょう!
参考:ウイルス性からくるイボの原因とイボを除去する方法まとめ