「転んだきに、うっかり手をついてしまった!」
それで手首を骨折したことがある人はいませんか?実は、手首の骨が折れる、ひびが入る原因は、ほとんどこれなんですよ!
いつ転ぶかなんて、そのときにならないとわからないもの。ということは、明日、あなたの身にも起こるかもしれないですよね。
そこで、もしも手首を骨折してしまったら、どうすれば良い?気をつけなければいけないことはある?
骨折をしてしまったあとでも、する前でも知っておきたいことをお話ししますよ!
目次
手首を骨折!どう対処すれば良い?!
「骨折なんて、スポーツしてる人の怪我でしょ?私には関係ないわ」
「今までいくら転んでも骨折なんかしなかったんだから、骨が強いんだ」
なんて安心している人はいませんか?先ほど少しお話ししたように、転んで手をついただけで、手首を骨折してしまうことがあります。
「掃除中に脚立に立っていたら、バランスを崩して倒れちゃった」
など、主婦の日常生活にだって、手首を骨折する可能性が潜んでいるのです…!もちろん、空手や柔道のような格闘技をしている人は、かかる負担も多いと思いますから、さらに大きな負荷がかかれば折れてしまうこともあるでしょう。
「私だけは大丈夫!」
ということはあり得ない、骨折という怪我。もし骨折してしまったら、どうすれば良いか知らなかったら、不安じゃないですか?これから、骨折したかもしれないときの対応方法をお話ししますよ!
安静にする!
どんな怪我でもそうですが、患部を動かしてしまうのはよくないことです。骨折してしまったときは、安静にするのが第一。そのときのチェックポイントは、この4つ!
- 強い痛みはないか?
- 腫れていないか?
- 手首が変な方向に曲がっていないか?
- 骨が皮膚から突き出して、出血していないか?
手首に強い痛みがあり、腫れている場合は、捻挫や腱鞘炎ではなく、骨折している可能性が高いと言えます。手首が普段ではありえない変な方向に曲っているときは骨折の可能性が極めて高いです。
また、手首の骨が皮膚から突き出してしまっている場合は、開放骨折をしてしまっているんです!このチェックに当てはまった場合は、手首を固定して、病院へ行く必要があります、
固定の方法は、このあと説明しますので、参考にしてくださいね。
症状を判断する!
安静にしつつ、手首の状態をチェックしたうえで、怪我が以下の2つのどちらに当てはまるか、さらにチェックします。
- 単純骨折:骨が折れてぐにゃりとした感じはあるが、骨は突き出ていない。
- 複雑骨折:折れた骨が皮膚の外に突き出ている。開放骨折ともいいます。
固定する!
骨折で最も大事な応急処置は、患部を固定すること。
ただし、骨折の種類によって固定の方法が違うので注意しましょう!
単純骨折の場合
手首をゆっくり注意しながら伸ばして、副木(そえぎ)があれば当てて、動かないように固定します。
副木は、傘や段ボールなど、身近なものでOK。腫れを抑えるために、冷やしておくと良いですね。
開放(複雑)骨折の場合
この場合は、感染症を起こす可能性があるので、固定する前に必ずしっかり消毒しましょう。
手首だけでなく、腕の上下の関節も動かないように固定する必要があります。三角巾アドで腕をつるして、体に患部を固定するようにするのが理想です。強く縛り過ぎないよう、注意は必要ですよ!
ここまでの応急処置をして、病院で治療を受けるのが良いでしょう。ただ、自分で判断できない場合は、無理やり動かしたり、固定したりするのは避けます。
骨折で合併症なんて起こるの?!
合併症と聞くと、みなさんはどんなイメージがありますか?大きな手術のあとに起こるとか、糖尿病の患者が他の病気も患うとか、そのような印象でしょうか。ところが、骨折でも合併症は起こることがあるんです!
また、骨折と聞くと、「骨がポキッと」という感じがしますよね。
しかし、手首の骨折の場合は、単に骨が折れただけではなく、靭帯や腱を巻きこんでしまっていることがあるんです!複雑骨折や、開放骨折(外から見て患部がわかる骨折)の場合、その可能性がより高まります。
骨が折れるだけじゃない!
感染症が起こる骨折、それは、開放骨折のこと。開放骨折の場合、折れた骨が皮膚から突き出しています。
体の内部にある骨が突き出してくるので、その付近の筋肉や神経、血管も破れ、傷ついてしまう可能性があるのはわかりますよね。手首の、破れた部分からウイルスなどが入りこんで、感染症を起こす可能性があるんです。
感染症による炎症が、骨髄まで広がってしまうと、非常に治療が難しくなります。これは骨髄炎と呼ばれます。
今のところは、開放骨折をしても筋肉に炎症がないと言われていますが、治らない傷が残る可能性があります。これを、コンパートメント症候群といいます。
また、折れた骨によって、体の脂肪が傷つき、大量に血管に流れこんだ場合は、脂肪が肺に集まり、呼吸器系の合併症が起こることもあるんです。
呼吸器系の合併症が進行した場合には、全身に思い症状を引き起こす敗血症にもなりかねません!
どれも怖いことでだと思いませんか?
「手首を骨折しただけで、そんなことが起こるなんて」
と思った人は多いでしょう。このような、命に関わる事態を防ぐ方法はないのでしょうか。
骨折による合併症を防ぐ!その対策法とは?!
先ほどお話しした開放骨折と合併症。予防するには、どうしたら良いのでしょうか?
日ごろからできることがありましたよ!
まずは骨折しないこと!
骨折によって起こる合併症は、簡単にいえば骨折しなければ防げます。
まずは骨折しないようにするのが大切ですね。
何事も安全に!
開放骨折は、安全に行動するよう、心がけるだけでも予防ができます!
例えば、車に乗るときは必ずシートベルト着用。また運転はスピードを出しすぎず、安全運転をすること!お酒を飲むときは泥酔しないように気をつけること!スポーツをする前は、しっかり準備運動をすること!
どれも、決して難しくないことだと思いませんか?当たり前にやっていることが、手首骨折と合併症を防ぐことにつながっているんですよ!
適度な運動
骨に適度な刺激を与えることで、骨がより強くなって、骨折の予防になります。知っていましたか?
ウォーキングやジョギング、筋トレ。骨だけではなく、健康にも良さそうですよね。特に、ウォーキングやジョギングで日光を浴びることで、骨の健康に必要なビタミンDを体内でつくり出すこともできますよ!
カルシウム摂取
骨が弱ってしまうと、骨折のリスクが高まると言われています。乳製品でカルシウムを摂取することで、骨を強くすることができますよ!また、ビタミンD、Kや、リン、マグネシウムなどを摂ることも、予防につながるでしょう。
また、骨が完全に折れておらず、ヒビが入っただけ(不完全骨折といいます)の場合は、腱鞘炎や捻挫と勘違いしてしまい、処置が遅れることが多くあります。
その結果、骨折と気づかずに骨が固まってしまうことがあるんですよ!そのようなことを防ぐためにも、強い痛みを感じたり、何かいつもと違うと思ったときは、必ず整形外科を受診すると良いでしょう。
まとめ
手首を骨折した場合、単純骨折と複雑骨折、どちらの症状が出ているのかを判断して、応急処置をするのが大切です。特に、複雑骨折(開放骨折)の場合は、骨が折れただけに症状がとどまらないことが考えられます。
傷口から細菌が入りこみ、骨髄炎や敗血症といった怖い病気を発症することも考えられるので、応急処置では、必ず消毒をしてから固定しましょう。合併症を防ぐために私たちができること。
それはまず、骨折しないこと!
また、骨折しないために安全確認や運動前の準備体操を徹底すること!
骨を強くするために、カルシウムやマグネシウムなどを摂取するよう気を配ること!
それだけで、合併症にかかるリスクは少なくなるものですよ。当たり前のことをしっかり行って、骨折も合併症も、撃退してしまいましょう!