一見きれいにみえる部屋でも、ハウスダストは必ず潜んでいて、人が歩いたり、布団や衣類を片付ける時に起こるわずかな風に舞って鼻や口から侵入し、ひどい場合は年中鼻水が止まらないなど、人体に深刻なアレルギー症状を引き起こします。
しかし、毎日、ちょっと手間をかけるだけで、ハウスダストは激減させることが可能なのです。
今回は、ハウスダストを減らしアレルギー症状を抑える方法をわかりやすく解説していきますね。
目次
ハウスダストのアレルギー症状を減らすには?
ハウスダストのアレルギー症状を抑えるには、空気をきれいに保つことが必要です。
ハウスダストとは、ホコリに含まれるダニの死骸や人間の垢、そしてカビの芽である小さな胞子などのことを指し、これらが人の鼻や口に入ることでアレルギー症状を起こしてしまうので、まず、ホコリを少なくすることが大切となります。
ハウスダストは、ホコリの中でも特に1mm以下の肉眼では見えにくいもののことを意味しています。
ハウスダストには、衣類などの繊維クズ、ダニの死がい・フン、ペットの毛、花粉、タバコの煙、カビ、細菌などさまざまなものがあります。
ハウスダストは空気中に舞い上がりやすく、体内に入るとアレルギー症状やぜんそく等を引き起こす原因になることがあります。
引用元:ダスキン
ホコリというのは、服の繊維や寝具などに入っている綿などの一部が、摩擦などで切れたり破れたりして細かくなり、髪の毛や皮膚、垢(あか)など絡まってできるので、常に掃除をして床をきれいな状態に保ち、毛布や布団カバーを定期的にクリーニングに出すことでかなり減らすことができるのです。
そして、玄関には粘着クリーナー(コロコロと呼ばれるもの)を常に置いておき、家に入る前には、衣服についた乾いた汚れや、花粉などをクリーナーで取ることで、家の中にホコリの元となるものが入り込むのを大幅に減らすことができますし、さらに、玄関マットはマイクロファイバーなど繊維がくっつきやすいものを選ぶことで、靴下やストッキングの繊維が床に散乱することもなくなります。
靴下やストッキングは、何度も靴と擦れ合うので、すぐに穴が空いてしまいますが、それは、ものすごく細い繊維が組み合わさり作られているためです。
靴を履いたり脱いだりする際に、切れた繊維が毎日床に落ちますから、玄関から中に入り込まない工夫をすることで、ホコリの量を大幅に減少させることができるでしょう。
しかし、どれだけ気をつけていても、ホコリはテレビの裏や食器棚の下、あと、細かい隙間に入り込んでしまい完全に無くすことは不可能です。
ホコリを減らしつつ、吸い込まないように空気中に舞うのを防ぐことが、アレルギー症状を抑える重要なポイントとなります。
ハウスダストが空気中に舞うのを防ぐには
ハウスダスト(ホコリ、カビの胞子)は、非常に軽いので小さな風でも舞ってしまいます。
太陽の光が出ている日中(特に朝)に空気の入れ替えをすると、部屋の中のハウスダストは外に出ていき、さらに、太陽の光には紫外線が含まれており、殺菌効果もあって一石二鳥なのです。
ただし、花粉が舞っている時期には窓をあけるのはひかえて、洗濯物を家の中で部屋干しにした方がいいでしょう。
ここで注意すべき点は、花粉が舞うピークはそれぞれの木によって違うということです。
代表的なスギ花粉・ヒノキ花粉・ブタクサ花粉以外にも、つらい鼻水や鼻づまりなど、花粉症の症状を引き起こす植物はたくさんあります。
スギ(飛散時期は 2-4月)、ヒノキ(飛散時期は3-5月)、ブタクサ(飛散時期は8-10月)以外にも、シラカンバ(4-6月)、イネ(4-8月)、ヨモギ(8-10 月)など、ほぼ年間通して何らかの花粉が日本中で飛んでいます。
引用元:エスエス製薬
ですから、自分の住んでいる地域にどの木が生えているのか、あらかじめ確認しておくことが必要でしょう。
そして、空気清浄機を回す場合は、家の中で人が活発に動く朝や、(学校や職場から家族が帰ってくる)夕方以降から寝る前まで回すことで、床に溜まっているホコリが空中に舞った時に空気清浄機が効率よく吸い込むことができるのでより効果的にハウスダストを減らすことができます。
参考:ハウスダストが原因のアレルギー対策!掃除以外にもある?
ハウスダストのアレルギー症状の原因とは?
アレルギーが起こる原因とは、体内に入る異物を危険だと免疫細胞が認識し、排除しようと働きかけた結果、くしゃみや鼻水といった症状が出ているのです。
ですから、ウイルスや有害な細胞が体内に入って炎症を起こす風邪などとは異なるということを覚えておきましょう。
アレルギー性の鼻炎では、鼻水は粘度の少ない水のようなものが出ることが多いということも大きな特徴となります。
体に悪い物質のみがアレルギーを引き起こすわけではないので、特に警戒が必要となるのです。
免疫機能が弱くなる朝に注意
1番気をつけなければいけないのは朝です。
朝は、人の免疫機能が不安定で、起きている間活発になる交感神経と、寝ている間に活発になる副交感神経が切り替わるタイミングなので、ハウスダストに対する免疫機能が1日の間で1番鈍くなる時間帯となります。
そのため、起きてすぐはくしゃみや鼻水がひどくなることが多く、これがモーニングアタックと呼ばれている症状です。
“モーニングアタック”とは、朝起きたばかりの時間帯に、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりなどの症状が、通常よりも辛くなることを言います。
就寝中に吸い込んだ花粉が目覚めとともに強い症状を引き起こす、または自律神経の切り替えが上手くいかず体が花粉に過敏に反応して、重い症状が出てしまう現象です。
また、 床や寝具に積もった花粉塵などのハウスダストが、起床時に撒きあげられることなども原因と言われています。
引用元:コンタック総合研究
もし、朝起きた後にくしゃみや鼻水が酷いようなら、寝る前にマスクをしておくと、朝にモーニングアタックで苦しまなくて済みます。
体調が悪い時や、忙しくて睡眠時間が短い時にはあらかじめマスクを着用して寝るといいでしょう。
より効果的にハウスダストを除去するポイント
ハウスダストの多くの割合を占めるホコリに焦点を当てると、気をつければいけないポイントがより明確になります。
例えば、カーペットやソファーですが、長い間使っているとどうしても繊維が毛羽立ったり、毛玉ができてきますので、それが足の裏や着ている衣類との摩擦で取れて、ホコリの元となるので、可能であればカーペットやソファーのカバーを定期的にクリーニングに出すか、買い替えることをおすすめします。
特にカーペットは、表面上はきれいでも一度水気のあるものをこぼすと、内側まで浸透してカビやダニが繁殖してしまいますから、気をつけて下さい。
そして、ホコリは静電気によって吸い寄せられて集まるので、電化製品の上や下の隙間を、丁寧に乾いた小さなモップなどでこまめに拭きとりましょう。
テレビの液晶画面も注意が必要ですが、より気をつけて頂きたいのがパソコンのモニターとキーボードです。
モニターと顔の距離は近いので、よりホコリを吸い込みやすく、キーボードの溝に溜まったホコリは逆さにしないと増えていく一方なのと、パソコンの熱で細菌が繁殖しやすいので、1ヶ月に1回はキーボードを逆さにして軽く叩き、溜まったホコリやゴミを取り除くこと、そして、掃除機を隙間用のヘッドに変えて、パソコンのまわりをよく掃除して下さい。
家で長時間パソコンを使っている方は、パソコンのまわりをきれいにするだけで、かなりハウスダストによるアレルギーの症状が改善されるでしょう。
洗い終わった衣服も、生乾きのまま畳んでタンスに収納してしまうと、微量に含まれた水分が原因で、カビやダニが繁殖しやすいので、必ず良く乾いてから収納することにも注意して下さい。
部屋が乾燥していると、ホコリは水分を含まないので軽くなり、より空中に舞いやすくなり、さらに、静電気が発生する原因にもなるので、よく加湿をすることを心掛けましょう。
参考:皮膚科で自分が何のアレルギー持ちか検査しよう!その方法や手順は?
まとめ
ハウスダストを減らすためには、部屋を清潔にし、ホコリの元となる繊維の切れ端を徹底的に除去することが大切です。
また、静電気が発生する場合にホコリは集まりやすいので、電化製品(特にパソコン)のまわりは入念に掃除をすることで、アレルギーの症状が大幅に改善されます。
参考:アレルギーの検査費用や方法は何がある?保険適用できる?