午後になってくるとなんだが臭いだす、でもどこから臭っているんだろう…。
もしかして、私の、鼻水?意外に多いこの症状、実は蓄膿症が原因かもしれません。放っておくと更に悪化して、別の病気につながることも。
自覚症状があるうちに、しっかりと治療しましょう!ここでは鼻水が臭い原因を徹底解説いたします!
目次
鼻水が臭い原因を徹底解明!
本来透明な鼻水はあまり自分で臭いが気になることってありませんよね。
鼻水にも花粉症などのときに流れ出るような水鼻や色のついた粘っこい鼻水など、様々です。特に臭いが気になるとき、緑鼻や黄鼻になってしまっている場合がほとんどです。
ではなぜ鼻水がこのような色になってしまうのか、わかりやすく説明していきますね。
緑鼻や黄鼻の原因は?
正常な状態での鼻粘膜を覆う鼻汁は、透明でほどよい粘り気があり鼻より外にたれてくることはありません。
鼻汁は鼻腔内で一日約1リットルつくられ、このほとんどが鼻から吸い込む空気に対し湿気を与えるためのものです。それにより空気中に含まれる様々な外敵からの一次侵入を防いでいるとも言えます。
ではなぜ鼻水がダラダラと垂れてきたり、色の付いた粘性のあるものになるのでしょうか。その理由は外敵と戦っている(もしくは戦った)証拠なのです!主に細菌感染の場合体の免疫機能の一つであるリンパ球の中の好中球が、細菌をやっつけるために働きます。
この好中球の死骸が色の付いた鼻水となって現れるのです。まとめると【鼻水の色が緑や黄色の場合、細菌感染を起こしてしまっている】ということになります。
細菌感染した鼻水は何故臭い?蓄膿症の原因にも?
細菌感染を起こした時にみられる鼻水のことを、膿性鼻漏といいます。単純に、雑菌が繁殖した雑巾や靴下が堪え難い臭いを発するように、鼻水も細菌感染を起こしてしまえば臭いを放つことになります。
さらに、鼻の周りにはいくつもの空洞があり、ここに膿性鼻漏が貯まってしまうことによりさらなる細菌増殖へつながります。この状態を副鼻腔炎(蓄膿症)と呼びます。
蓄膿症の症状 臭い鼻水は初期症状?
蓄膿症(副鼻腔炎)には急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎とがありますが、どちらも細菌感染した鼻水が鼻の周りの空洞に貯まることにより生じます。
それぞれの蓄膿症について説明します。
急性副鼻腔炎
一般的に症状が1ヶ月ほどで消失するものを、急性副鼻腔炎といいます。
原因菌としては、インフルエンザ菌・肺炎球菌・黄色ぶどう球菌などが考えられます。急性副鼻腔炎の引き金となるのは、風邪やインフルエンザウイルスによる感染などで、元々アレルギー性鼻炎を患っているような鼻粘膜の弱い方が起こしやすいと言われています。症状としては、
- 鼻水(緑色や黄色など細菌感染が疑われるもの)
- 目の下やおでこなどの副鼻腔の痛み
- 頭痛
- 発熱
- 鼻水の臭い、口臭
などが挙げられます。急性副鼻腔炎の特徴は、左右のどちらかの鼻に症状を覚えることが多く、また稀に中耳炎を併発することもあります。
鼻水の臭いや口臭は、自分でも異変として気付きやすいため、これをきっかけに病院に行かれる方も多いです。急性症状のうちにしっかりと治療しておくことが大切です。
慢性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎の状態が3ヶ月以上続くものを慢性副鼻腔炎といいます。特に特徴的な症状としては、副鼻腔に長期間細菌性の鼻水が貯まってしまうことにより生じるものです。急性副鼻腔炎と比較してみると、
- 長期的な鼻水(黄色や緑で粘性の強いもの)
- 長期的な副鼻腔の痛み
- 嗅覚が鈍る、常に鼻から臭いにおいがする
- 口臭やドライマウス
- いびき
などが挙げられます。もちろん共通する症状がほとんどですが、それがさらに慢性化することで酷くなるのは言うまでもありません。
特に臭いについては、副鼻腔に貯まる時間が長いほど臭いレベルも酷くなると言われています。そうすると自分だけでなく、他人からしても膿を持ったような臭いが口臭として感じられるので、エチケットとしても考えものですよね。
蓄膿症の治療法 病院での治療薬
急性と慢性でその治療法は異なります。慢性化している場合は膿を排出することはもちろん、これ以上膿を作り出さない体作りが必要となります。
すなわち生活習慣から見直すことが慢性副鼻腔炎改善の近道なのです。それぞれの治療法について詳しく説明します。
急性副鼻腔炎の治療方法
まずは急性副鼻腔炎の治療の前に、そもそもの鼻炎症状の改善が必要です。これ以上鼻水を無駄に生成しないように、アレルギー疾患が原因である場合は抗アレルギー薬の投与などが考えられます。
そして細菌感染に対するアプローチとして、抗生剤が投与される場合も。また、膿を外にだすために排膿作用のあるものが処方されることもあります。主な治療薬として、
- 抗アレルギー薬(アレジオン、アレグラなど)
- 抗生物質(ペニシリン系、セフェム系、ニューキノロン系など)
- 去痰・排膿薬(ムコダイン)
などがあります。急性症状の場合早めの処置によって慢性化しないでとどまらせることができるため、少しでも鼻水に関しての違和感や異臭などを感じたら、専門医を受診するようにしましょう。
慢性副鼻腔炎の治療方法
慢性副鼻腔炎の治療も、急性副鼻腔炎の治療の延長線上にあります。
ただし、使用される抗生剤などに違いが生じてきますが、基本的に西洋医学でのアプローチは同じものです。慢性化している場合はもはや、体質改善をしないと根本治癒にならないため、漢方などを用いた東洋医学が有効的である場合が多いのです。
ここでは慢性副鼻腔炎の治療で使われる主な漢方薬を紹介します。
辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)
排膿を促す生薬を主に構成された9種の生薬が配合される漢方薬。
特に主薬の辛夷には鼻の通りをよくする作用があります。体力は中程度以上の方に向いていて、熱感を伴う症状に使われます。
荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)
17種類の生薬で構成され、特に膿を排出する能力が高いため膿性のニキビなどにもよく使われる漢方です。
体質改善にも効果があり、血流を良くしてくれる作用があります。
葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)
鼻づまりの他、頭痛や肩こりを改善する働きもあります。
体を温め血流をうながす葛根や、鼻粘膜を収縮させる成分をもつ麻黄などを含む7種の生薬による漢方薬です。
漢方薬はその人の体質により適しているものを選びますので、ドラッグストアなどで自己判断で選ぶよりも専門の漢方医に見てもらった方が、より効果が高いです。さらに即効性のある薬ではないため、何よりも症状と向き合いながら続けて服用する必要があります。
その他効果的な食材など
自然の食品の中にも、膿を出す排膿作用を示すものがあります。有名なのが「なた豆」です。お茶として売り出されていることが多いですが、歯磨き粉などにも含まれ歯肉炎予防になると言われています。
お薬ではないため効果のほどは不明なところが多いですが、いつものお茶をなた豆茶に変える程度でも、体質が変わってくるかもしれません。
まとめ
ただの蓄膿症と軽くみて放っておくと、副鼻腔に膿がはびこり長期的な頭痛や他の最近症を招く原因になりかねません。
また、鼻水臭や口臭となって周囲にも迷惑をかける場合もあります。気になる症状があれば早め早めのケアをおすすめします。