ある日突然自分の口が臭くなった気がする…。または、誰かにいきなり口臭を注意されるようになったと悩んでいる人、いませんか?
それはもしかしたら、蓄膿症かもしれません。他人にはなかなか分かってもらえない辛い病である蓄膿症。
今回はこんな蓄膿症の原因や対処法を紹介していきます。蓄膿症で苦しむ人は沢山います。一人で悩まずに早めに受診して、悩みを解決しましょう!
目次
蓄膿症の臭いの原因とは?
では、早速蓄膿症になってしまう原因を紹介していきます。
当てはまる人はその原因になっている事を避けるようにし、実際に症状が出ている人はすぐに病院へと受診してください。蓄膿症の原因と言われているのは、以下の事柄です。
- 鼻を頻繁に乱暴にかむ
- アレルギー症状(風邪、花粉症など)
- 虫歯
- 鼻中隔(びちゅうかく)が曲がってしまっている
- 遺伝
一見関係なさそうな虫歯も、実は蓄膿症の大きな原因となっていたのです。
では、次項では詳しく一つずつ何故原因となってしまうか紹介していきます。
鼻を頻繁に乱暴にかむ
鼻を頻繁にかむ事が何故蓄膿症に繋がるのでしょうか。
勢いよく鼻水をかみ過ぎてしまい、副鼻腔と呼ばれる顔の下にある陥没した場所に鼻水が入ってしまい、それが原因で蓄膿症になってしまうのです。
この鼻を頻繁にかむ行為をやめると、今度は鼻水が詰まって辛いでしょうから、片方の鼻を押さえてから優しく鼻をかむ事が大切です。
無理に全てを一気に出そうと勢いをつけるから副鼻腔に鼻水が入ってしまうのです。一度に全て出そうとせずに、優しく小分けにして出しましょう。
アレルギー症状(風邪、花粉の場合)
アレルギー症状が原因の場合も同じで、アレルギーによって引き起こされた鼻水が副鼻腔に溜まってしまい、蓄膿症になってしまいます。
アレルギー症状が起きた場合、普段よりも倍以上の鼻水が出ますから、全て綺麗に拭き取ろうとしても無理がありますね。
そういった場合は、まずアレルギー症状を緩和させる為の薬を耳鼻科で処方して貰い、鼻水の量を少しでも減らす努力をしましょう。鼻のかみ方は上記に紹介した通り、片方ずつ押さえて優しく鼻をかむと良いでしょう。
虫歯
一番気になる虫歯、何故全く関係なさそうに見える虫歯がなぜ蓄膿症の原因になっているのでしょうか?
虫歯の細菌にその秘密は隠されていました。
虫歯になると細菌が歯にまとわりつくのですが、その細菌が歯の根元や歯茎から副鼻腔の中へと入って来てしまうのです。そのせいで膿が溜まってしまい、結果蓄膿症になってしまうのです。
虫歯になってもどうしても歯医者にかかりたくないという人が増えていますが、放置しておくと歯をダメにするだけではなく、何と蓄膿症の原因にもなってしまうのです。恐ろしいですね…。
鼻中隔(びちゅうかく)が曲がってしまっている
聞き慣れない体の部位である鼻中隔とは何なのでしょうか?
鼻中隔とは、鼻の真ん中にある軟骨の事です。その軟骨が何かしら成長過程で曲がってしまったり、事故に遭ってしまいこの軟骨が曲がってしまった場合、非常に蓄膿症になりやすくなってしまうのです。
副鼻腔は細い管で鼻の穴と繋がっている為、その細い管は軟骨が曲がる事で詰まってしまい、鼻水が排出されずに副鼻腔に溜まってしまうのです。その結果、副鼻腔に鼻水が溜まってしまい、蓄膿症になってしまうのです。
遺伝
意外と知られていませんが、鼻の構造や形、粘膜などは遺伝が強いと考えられています。
その為、親が元々鼻の軟骨が曲がっている場合、子どももその軟骨の形を継ぐ事が考えられます。
残念ながらピンポイントで遺伝を防ぐ方法は見つかっていない為、症状が出たらすぐに対処をする事や、子どももなるかもしれないと定期的に耳鼻科を受診して未然に蓄膿症を防ぐ事が大切です。
蓄膿症の対処法は?
事故や元々の鼻の形に加えて、花粉や虫歯でも蓄膿症になる為、誰にでもなる確率がある病気であると言えます。
では、どんな対処法があるのでしょうか?
早速蓄膿症の対処法を見ていきます。以下の項目が挙げられます。
- 花粉症かもしれないと感じたらすぐに耳鼻科を受診する
- 耳鼻科でネブライザー治療を行う
- 排膿治療を受ける
- 症状が酷い時は手術を受ける
以上が蓄膿症に効果があると言われている治療法です。一つ一つどんな治療か見ていきましょう。
耳鼻科でネブライザー治療
ぜんそくの人には聞き覚えのある名前であるネブライザー治療。
鼻の中に管を入れて、そこから抗菌剤やステロイドの含まれた霧状の薬品を鼻の中へと送り込み、副鼻腔へとその薬を送り蓄膿症を治療する方法です。
痛みも少なく、体にも負担がないので、高齢者や小さな子どもでも安心して受けられる治療です。
排膿治療を受ける
これは別名ヤミック療法と言われますが、カテーテルで膿を吸い出して、その後薬を副鼻腔へと噴射する方法です。しかし、この方法では膿が残ってしまう心配があります。
そこで、排膿洗浄という方法もあります。
針を使って全て膿を出し、その上で鼻に無害な液体で鼻洗浄を行う方法です。こちらの方が膿の残りが少ないと推奨されています。
手術を受ける
症状が進行し、どうしても上記の方法では間に合わないという人などは手術を受ける事になります。
一昔前までは歯茎側を切開して頬の骨を削った上で副鼻腔の膿を取り出すという恐ろしい物でした。
現在では日帰り手術が充実し、内視鏡でも膿を全て取り去って日帰りでの手術が可能となっています。
蓄膿症の症状はどんなもの?
では、早めに蓄膿症を発見する為にも、どんな症状が引き起こされるのか確認しておきましょう。
蓄膿症が引き起こされた時、以下の症状が現れると言われています。
- 鼻が突然むくんでくる(※痛みはほとんど伴わない)
- 鼻声になる
- 鼻をいくらかんでもかみきれなくなる
- 鼻から喉へと普段の鼻水よりも臭い匂いをした鼻水が落ちてくる
蓄膿症は副鼻腔に膿が溜まる症状ですから、やはり決め手となる症状は鼻水と臭いでしょう。
普段の鼻水が喉に落ちてくる時は臭いなど感じない事の方が多いでしょう。臭いを感じたら危険な蓄膿症のサインだと考えていてください。
蓄膿症と勘違いしやすい症状
蓄膿症ではなく、ついつい見間違う症状もあります。よく勘違いして、蓄膿症の発見が遅れてしまう症状としては、以下のものがあります。
- 風邪
- 花粉症
- 軽い鼻詰まり
全て蓄膿症の入り口、または初期症状の症状ばかりです。風邪で鼻水の量が増えて、それが副鼻腔へと流れ込めば蓄膿症へと発展しますし、花粉症も同様です。軽い鼻詰まりも、続くと副鼻腔へと排出されない鼻水が溜まってしまって蓄膿症になってしまいます。
上記の症状が1週間も続くようでしたら、すぐに耳鼻科を受診して蓄膿症を疑ってかかりましょう。
まとめ
蓄膿症は大した事ない、風邪の延長だろうなど安易な考えでよく発見が遅れてしまいます。
症状が悪化すると痛みも伴い、臭いに苦しめられる事も多いです。そして、最悪は顔にメスを入れる手術を行わなければならなくなる恐ろしい病です。
蓄膿症かもと感じたらすぐに病院に行く事、そして何故蓄膿症になってしまったのかという確認も必要です。
軟骨の形はもう変わりませんから、遺伝性の方は蓄膿症にならないように定期的なケアを行い、子どもが生まれた時には子どもにも蓄膿症になっていないかと注意を配る事が必要です。