毎年、冬になると怖いほどの感染力を見せるインフルエンザ。学校では、インフルエンザで欠席している人が多くなると、授業などを行わない、「学級閉鎖」になりますよね。
これは、はっきりした基準はありませんが、全体の3分の1以上が、インフルエンザで欠席した場合に起こるのが一般的です。
一人インフルエンザになり、またひとり、インフルエンザになり・・・。このようなインフルエンザ「感染の連鎖」を、食い止める方法はないのでしょうか。
実は、あなたの家にもあるかもしれない、「あるもの」が、インフルエンザに対抗する、すごい武器になるんですよ!
「あるもの」を使って、インフルエンザの蔓延をストップ!その徹底方法をご紹介します。
目次
インフルエンザ対策では何よりも湿度を大切に!
インフルエンザが、どうして冬にはやるのか。
それは、インフルエンザウイルスの特徴に理由があります。
乾いたところが大好き
インフルエンザのウイルスは、実は一年中空気中に飛んでいます。でも、一年中、インフルエンザが流行している、ということはないですよね。
このウイルスは、乾燥した空気中では生き生き飛び回ります。湿度50%より低い、乾燥したところが好きなのです。インフルエンザウイルスは、とても小さいもの。乾燥しているときは、空気中に邪魔なものがなく、軽く飛んでいけるのです。
あんなに遠くでせきをした人の口から飛び出したインフルエンザウイルスは、いまにもあなたの体にくっつこうとしています・・・!
加湿のすすめ
乾燥したところに集まって、居座ってしまうインフルエンザウイルス。これに対抗するための武器。
それは、加湿器なのです。家の中の乾燥を防ぐために、加湿器をもっている人は、たくさんいるのでないでしょうか。
でも、「加湿がインフルエンザの対策になる、だから加湿器を買った(持っている)」というは少なかったのでは?せっかくお家にある強い武器です。インフルエンザ感染の防止にも、役立ててみませんか。
冬の室内環境のベストは?
結論から言いましょう。室内環境のベストな状態は、これです!
『 湿度 50%程度 ・ 温度 18~20℃ 』
まずは、加湿器でこの湿度を保ちましょう。他に、「あれ、温度も?」と思ったあなた。よく気付いてくれました!
実は、湿度が低くても、温度も低いとウイルスが生存する可能性が高いのです。『温湿度計』を活用して、インフルエンザに強い環境を保ちましょう!
注意!加湿の落とし穴
ここまでの話で、
「インフルエンザが乾燥によわいなら、どんどん加湿しよう!」
「その方が肌にも良さそうだ!」
なんて思ってしまったあなた、ちょっと待ってください!
やりすぎにも、問題があるのです。どんどん過加湿して、湿度が60%以上になってしまった場合、アレルギーの原因になりやすい、カビやダニが元気になってしまうのです。
高湿度でインフルエンザを撃退できても、カビやダニが繁殖してしまったら・・・。ダニなどは、『ハウスダスト』と呼ばれ、皮膚炎や鼻炎などのアレルギー反応の原因とされています。
高すぎる湿度で、インフルエンザのウイルスをやっつけても、他のアレルギーで苦しむことになりまた悩みの種が増えてしまいそうです・・・。
「じゃあ、どうやって湿度を保てばいいの?」
それは、ここからお話ししましょう!
参考:インフルエンザの予防接種に副反応アリ?発熱することも!?
ウイルスが蔓延しないために湿度を保つ方法
ここまで、「どうしてインフルエンザ対策に湿度が重要なのか」を見てきました。
答えは、湿度が高くなると、自由に飛び回ることができなくなるのです!なぜなら、湿度が高いと、空気中に水滴が多くなります。
人間の体内に入って感染させようとしても、自分より大きな水滴に邪魔されて、標的にたどり着くことができないから、です!
「でも、家に加湿器がないの・・・」
そんなあなた!心配しないでください。加湿器を使わなくても、ちゃんと家の中を乾燥から守れる方法。これから紹介しますね。
即効!霧吹きを使う!
「今すぐに家の湿度をあげたい!」
そんな人は、霧吹きを使って、部屋の中に水を吹き付けましょう。
ただ、吹き付けすぎると、部屋の中がぬれすぎて、水たまりができたり、べたべたしたり、すべりやすくなったり、こんなことがあるので、やり過ぎないように気をつけてくださいね。
ぬれたタオルを使う!
お風呂上りに、バスタオルを濡らして使うのはいかがですか。
お湯で濡らして、ポタポタ水滴が落ちてこない程度にしぼって、部屋に干します。この方法も、即効性があります。なぜなら、水よりお湯の方が蒸発性が速いから。
お風呂で使うバスタオルの場合は、水をつけるより、お湯につけてしぼったほうが、加湿がはやそうです。バスタオルの枚数を調整して、湿度50%を目指しましょう。
洗濯物を部屋に干す
洗濯物は濡れた布です。室内に干すことで、加湿の効果がありますよ。
このとき、エアコンの下に洗濯物置くと、部屋中をムラなく加湿できます。
お風呂ごと使う!
「え!?お風呂?!」
「まさか中のお湯を全部部屋・・・?!」
なんて思った方、 まさか、そんなことはしませんので安心してください。
お風呂に入ったら、中のお湯を流してしまわずに残しておき、
- お風呂場のドア
- 浴槽のふた
この2つを開け放しておきます!これだけでも、湯気という湿気が、部屋に流れ込んで加湿の効果が期待できます。
いかがでしょうか。「これなら私でもできる!」と思った方法はありましたか?どの方法も、温湿度計を用意して、ベストの状態を確認しながら試してみましょう!
部屋の換気できれいな空気を!
加湿器がなくても出来る、加湿方法に興味を持ってくださった方。もしかしたら、「もうやってみました!」という人がいるかもしれません。
ただ、「湿度をあげたその空気。きれいでしたか?」。
そう。たとえ加湿したとしても、部屋の中の空気がきたないまま加湿してしまったら・・・、加湿のための蒸気や湿気が、汚れた空気に乗ってあなたのところまで流れてくる。そう思いませんか?
そこで、大切なのが換気です。ひとりの人間は、なんと1時間に6畳分の空気を必要としています。とうことは、これだけの空気が、たった1時間で汚れてしまうのです。
換気だって必要!
ひとりの人が1時間に必要とする空気の量や、それによってどれだけの空気が汚れてしまうのか、おわかりいただけたでしょうか?
それに加えて、冬は暖房から出る一酸化炭素や、二酸化炭素、寒くて重ね着する衣服からでるホコリ、外の乾燥した空気によってが服につく土ボコリ、などなど、本当は「必要ない」ものが、こんなにあふれているのです。
汚れた空気の中で過ごすことで、のどや気管の粘膜は傷み、インフルエンザにかかりやすくなるということがあると思いませんか。
そこで、汚れた空気を加湿しないためには、空気を入れ替えることも必要です。理想は、1~2時間に1回程度です。
正しい換気方法は、 対角にある窓を全開にすること。こうすることで、風は部屋の真ん中を通り抜けることができ、全体の空気を入れかえてキレイにできます。どうせやるなら、ずっと部屋の中にあって汚れてしまった空気よりも、入かえたキレイな空気を加湿しましょう!
参考:インフルエンザの感染経路は空気感染?飛沫感染との違いは?
まとめ
インフルエンザの予防に、どれだけ湿度が重要なのか分かってきましたか?ポイントをおさらいしましょう!
- 湿度は上げればいいというものではない!
- 温度も大切である!
- 加湿器以外にも、湿度をあげられる方法はある!
- 換気を行い、キレイな空気を保つべき!
今日から、チャレンジできそうなものもあると思いませんか?
この記事を読んだ、今日が良い機会です。さあ、温湿度計を用意して、「インフルエンザをブロックできる、強いあなたの部屋」をつくりましょう!
参考:今年もインフルエンザの時期が!気をつけるべき流行時期は?