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立ちくらみの時に、目の前が真っ暗になる症状を「眼前暗黒感」=「がんぜんあんこくかん」と言います。これは、立ちくらみの正式名称です。

 

一瞬クラッとするものも立ちくらみとも言いますが、目の前が真っ暗になった時は失神の前兆が多いので注意が必要です。こうならないためには一体どうすれば良いのでしょうか?

 

 

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立ちくらみを起こすと目の前が真っ暗に!これは何?

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「立ちくらみ」って一瞬クラッっとすることを言うのかと思っている方は多いのではないでしょうか。目の前が真っ暗になるような状態は別の症状では?と思いますが、実はこの目の前が真っ暗になる症状を「眼前暗黒感」と言い、「立ちくらみ」の正式名称なのです。

 

立ちくらみの大きさは、人によって、または状態によって、かなりの違いがあります。クラっとして数秒ジッとしていれば治ってしまうものから、意識喪失してしまうものまであるのです。目の前が真っ暗になる状態は、失神する前兆として起こることが多いと言われます。

 

目の前が真っ暗になる眼前暗黒感の原因とは?

眼前暗黒感が起こる原因は、「脳の虚血」です。脳に血液が少なくなったことで、低血圧が起こります。そのため、眼前暗黒感が起こる原因を調べるには、なにが、脳の虚血を起こしているのかを調べなくてはなりません。

 

  • 心臓に問題がある場合→心臓から送り出される血液量が少なくなると、必然的に脳への血液循環も悪くなり、血圧が低下します。
  • 起立性低血圧→立ち上がった時に血圧が一気に下降することで、低血圧を起こします。
  • 出血による場合→大量の出血があると、脳への循環血液が減るため、低血圧を起こします。
  • 薬の副作用の場合→高血圧の人が降圧剤を飲んでいる場合、薬が効きすぎて、低血圧を起こすようなことがあります。
  • アナフィラキシーショック→全身に出るアレルギー反応のため、低血圧を起こします。
  • 迷走神経反射→突然の刺激に興奮した交感神経を鎮めるために、副交感神経が血管を拡張するために低血圧を起こします。
  • 椎骨脳底動脈循環不全→首を曲げたり、動かした時に、動脈硬化により脳への血液循環が停止するため、血圧が低下します。

 

心臓に問題がある場合の眼前暗黒感

心臓に問題がある場合は、「徐脈性不整脈」の疑いがあります。通常、健康な人なら1分間に60〜100回の心拍数がありますが、この徐脈性不整脈の場合は1分間に60回未満しかありません。そのため、血液循環量が減り、脳に十分な血液が回らなくなり、虚血を起こします。

 

徐脈性不整脈の原因は、「遺伝性心臓伝導異常」「薬の影響や副作用」「老化現象」「心筋梗塞などによる組織性の変化」があげられます。治療は、主にペースメーカーの埋め込みが必要になります。治療が遅れると心不全を起こし、死にいたる怖い病気です。

 

徐脈性不整脈には、細かく分けると「洞機能不全症候群」「房室ブロック」「徐脈性心房細動」と言う病気があります。いずれも、同じように心拍数の低下による眼前暗黒感の症状が出ます。

 

起立性低血圧による眼前暗黒感

これは、座っている状態から立ち上がったり、お風呂から出ようとした時に起こるクラクラっとしたものです。ほとんどの立ちくらみは数秒で治まり、すぐに日常生活に戻れるものですが、ひどくなると眼前暗黒感を起こし、その後失神することもあります。

 

これは、自律神経の異常が起こすもので、通常の最高血圧値から一気に20mmHg以上の血圧の低下が起こり、発症します。起立性低血圧の原因は、過度のストレスや睡眠不足からくる自律神経の異常です。交感神経が優位に立つことで、副交感神経とのバランスを崩し、自律神経が異常をきたします。

 

ほとんどの場合、睡眠を十分にとる、栄養バランスのとれた食事をとるなどの生活習慣の改善により、回復します。ただし、気持ちが沈む、不安を感じる、などの精神症状が同時にある場合は、自律神経失調症の疑いがありますので、心療内科やカウンセリングの治療が必要になります。

 

出血による場合の眼前暗黒感

出血と言っても、外傷からの大量出血なら、病院で手当てを受けると思いますので心配はいりませんね。この場合の出血とは、消化器官からの内臓出血のことです。気が付かないうちに、慢性的に出血があり、結果として、大量の血液が失われることがあるのです。

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原因として、「胃かいよう」「十二指腸潰瘍」「胃がん」「大腸がん」「大腸ポリープ」「痔」などが考えられます。知らず知らずのうちに、虚血性貧血を起こし、脳に十分な血液が回らなくなるのです。特に、中年以降の男性に多くみられますが、便の色をチェックするなど、日頃の注意で防ぐことができます。

 

薬の副作用による眼前暗黒感

これは、高血圧を患い降圧剤を服用している高齢者に多くみられます。起立性低血圧と同じく自律神経の異常によるものですが、その原因はストレス性ではなく、加齢による衰えです。高齢者は自律神経の衰えから、血圧異常、体温調節不良、発汗不良、など、体を健康に保つことが難しくなってくるのです。

 

そのため、食事のあとに、立ち上がった時に起こる、「食後低血圧」。トイレから立ち上がった時に起こる「排尿低血圧」などが起こります。これらは、食事をきっかけに起立性低血圧が起こったもの、排尿をきっかけに起立性低血圧が起こったものです。

 

食事をとると、消化を助けるために胃の周りに血液が集まり、脳が虚血します。もともと降圧剤を飲んでいるため、少しの刺激でも、血圧が一気に降下してしまうのです。

 

排尿時も同じです。高齢者は、排尿困難も起こっているため、排尿時には、より多くの血液が腹部に集まってしまいます。そのため、立ち上がった時に、低血圧を起こしてしまうのです。高齢者は、この時の眼前暗黒感をきっかけに、寝たきりになることが多く、頭を打つような大ケガや、骨折が怖いのです。

 

アナフィラキシーショックによる眼前暗黒感

アナフィラキシーショックは全身に起こるアレルギー症状で、主に、食べ物、薬物、蜂毒によるものが多くみられます。アレルギー反応の中で最も重篤な状態を引き起こします。子供などは、食べたことがわからず、突然アレルギー反応を起こします。

 

全身に赤く腫れあがるようなじんましんが出る、口の中やまぶたの粘膜が異常を起こし腫れる、呼吸困難、腹痛、眼前暗黒感、失神、失禁などが起こります。一刻も早く、救急車を呼び、病院へ連れて行きましょう。

 

迷走神経反射による眼前暗黒感

この迷走神経反射も自律神経の異常が起こすものですが、起立性低血圧とは少し違います。起立性低血圧は交感神経が優位に立つことが原因ですが、迷走神経反射は副交感神経が作動することで起こります。

 

迷走神経反射を起こすきっかけは、数限りなくあり、アルコール、排尿、腹痛、などもみられますし、採血時に注射を見たり、自分の血液をみて眼前暗黒感を起こし、失神する、「迷走神経反射失神」を起こす人もいます。

 

これは、何かのきっかけで、交感神経が異常に興奮し、血管の収縮、発汗を始めたため、反射的に副交感神経が緩和させるために、血管を拡張させて血圧を下げるのです。そのため、急激な血圧異常が起こり、眼前暗黒感が起こります。

 

迷走神経反射は失神を伴うことが多く、数秒から数分意識を失いますが、すぐに回復するため、転倒などをしなければ問題ありません。

 

椎骨脳底動脈循環不全による眼前暗黒感

椎骨脳底動脈は、首の中にある重要な血管です。首の左右をはしるのが、椎骨動脈と言い、脳の下部で1本となり、脳底動脈となります。これらを合わせて椎骨脳底動脈と言います。

 

高血圧や高脂血症、糖尿病などにより、椎骨動脈で動脈硬化を起こしていると、脳に血液が十分に行き渡らず眼前暗黒感を起こします。また、加齢や老化により、首の骨が変形し、椎骨動脈を圧迫することでも同じ事が起こります。

 

これらは首を回したり、曲げたりして、ある所にくると起こります。治っても、また同じ体勢をとると同じことが起きてしまいます。治療は、血流を良くする運動や、薬も処方されますが、骨の変形などは、手術する場合もあります。

 

まとめ

たかが立ちくらみと思っていたら、大きな病気が隠れているかもしれないのです。甘く見てはいけませんよ。そして、「立ちくらみ」とは、実は目の前が真っ暗になるほどの事を指しているようです。

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眼前暗黒感は、失神の前兆とも言われるため、目の前が暗くなってきたら、まず身を低くする姿勢を取らなければいけません。思い切り倒れて、二次的な大ケガが心配されます。高齢者のいるお宅などでは、十分な注意が必要ですね。眼前暗黒感に襲われたら、原因は何なのか、確認することが大切です。

 

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