立ち上がったらクラっとする立ちくらみ、さらにムカムカと吐き気がこみ上げてきて、冷や汗でびっしょり。これは、「脳貧血」と言われる「起立性低血圧」の症状です。
その原因は自律神経の異常と言われています。そして対処法には涙が効果大なのです。それでは詳しく見ていきましょう!
立ちくらみに吐き気も!これは起立性低血圧?
立ち上がったらクラッと立ちくらみが、「これは貧血だ〜」とか「鉄分取らなきゃ」なんて言っていませんか?この場合の貧血は通称「脳貧血」と言われる「起立性低血圧」で、貧血とはまったく違うものなんですよ。そのため、鉄分を取ったからと言って治るものではありません。
立ちくらみは、いつでもどこでも起こるため、不用意に立ち上がらないようにするしか手立てはありません。また、起立性低血圧は、ひどくなると意識を失うこともあり、頭を打つなどの二次的なケガの心配 もあるのです。
お風呂での起立性低血圧は、足場も滑りやすく、大ケガのもとです。常日頃から、ゆっくりと立ち上が るクセをつけておくのがベストです。
また、頭が振られるような症状に付き物なのが、吐き気です。立ちくらみやめまいの症状があると、吐き気も同時に起こりやすいのです。
船酔いや車酔いと同じような状態です。一瞬クラっとするだけならまだ良いですが、座り込んでも目が回るほどのめまいを起こすと、さらにひ どい吐き気が起こります。実際に嘔吐することは、あまりありませんが、顔面蒼白になり、冷や汗が噴きだしてきます。
満員電車などでストレス状態の中、長時間立っていたり、朝礼などで立っている時にも、起立性低血圧 が起こります。この起立性低血圧は、低血圧の人に起こる症状ではありません。その人の最高血圧値から一気に20mmHg 以上の低下が起こることを起立性低血圧と言います。
そのため、高血圧の人にも起こる可能性はあり、特に高齢者に多く見られます。
高齢者の場合、起立性低血圧と食後低血圧を併発することがあり、食事のあと、立ち上がったとたんに、転倒し、そのまま寝た きりの生活を迎える人も少なくありません。また、骨折などの大ケガの心配もあり、注意が必要です。
血圧を調節しているのは自律神経!ストレスで調整不能に!
人は、立ち上がるたびに、立ちくらみを起こしているわけではありません。それは、自律神経が血圧の急上昇や急降下を調整しているためです。これは、自分の意志とは関係なく行われています。また、自分の意志で変更することもできません。
立ち上がろうとすると、その直前の動きなどから、神経伝達機能を使い、自律神経が察知します。そのため、足元の血管を収縮させ、重力に逆らって、血液を下がらないようにしています。
自律神経が正常に機能しなくなると、この察知が遅れたり、伝達されても、指令が上手く出せなくなっりする不具合が発生するのです。そのため、体の症状として、血圧の下降が起こり、立ちくらみや冷や汗などが起きているのです。
自律神経が正常に機能しなくなる原因は何なのでしょうか。自律神経は交感神経と副交感神経で成り立っていますが、人は日常生活の中で、交感神経ばかりを優位にしてしまう傾向にあるのです。
日常には、ありとあらゆるストレスが存在しています。些細なことから、人生の決断を迫られるような 大きなことまでです。そのストレスに立ち向かうために、働いているのが交感神経です。アドレナリンを分泌させ、気力を湧かせたり、興奮状態を作ったりしているのです。
交感神経の作用で、様々な指令のもと、ストレスに立ち向かって働いた神経や細胞はクタクタに疲れて います。そのため、本来なら副交感神経が休息や睡眠時に、それらを修復し回復させる役割を担っている のです。
ところが、ストレスや不眠で交感神経がピリピリし続けると、副交感神経が出てこれず、修復や回復が 間に合わなくなり、神経や細胞は、クタクタになりながらも、働き続けることになってしまうのです。
そんな状態が続くと、自律神経は弱り、指令がうまくいかなくなったり、伝達機能に不具合が出たりしてくるのです。自律神経を正常に保つためには、交感神経を刺激するストレスの解消と、副交感神経を作用させる事が必要と言えます。
立ちくらみを起こす原因はストレスで弱った自律神経!対処法は涙?
自律神経の機能を弱める原因はストレス。発散や解消するためには、どんなことが効果的なのでしょう。自律神経の病気を調べる時に、「最近、涙を流すようなことがありましたか?」と効かれることがあり ます。
実は、涙を流すことは、眠るのと同じくらいのリラックス効果があるのです。映画やドラマ、小説を読んで感動の涙を流すことは、ストレス解消になっているのです。涙が出ると、 交感神経が優位に立っている状態から、副交感神経へと、スイッチが切り替わります。
副交感神経が優位に立つと言うことは、ストレスに対抗し続けてくたくたに疲れている交感神経を休めることにつながり、それに伴って、興奮や緊張をしていた、細胞や筋肉も休息に入れます。泣いた後に、眠くなることがありますね。
また、お腹が空くことがあります。あれは、副交感神経の作用によるものです。睡眠と食事は副交感神経の支配なので、体と脳がリラックスしていると言う事です。
人生ドラマや動物の一生を特集している物などを観て、涙が溢れてきてしまう事がありますよね。お子さんのいるご家庭だと「パパ泣いてる〜」「ママいつも泣いちゃうね」などと、冷やかされることがあると思います。
感動して流す涙は、共感することで生まれてきます。自分に重ねたり、どれほど辛いか、努力したかなどを想像することで、その人や動物と思いを共感し、涙が出るのです。
この共感すること言うことは、脳の前頭前野の発達によって生まれる感情です。これは、経験を積むことで、発達します。そのため、子供はまだ共感できず、親が泣くことへの興味の方が大きいのです。よく、「歳をとったから涙もろくなって」などと言いますが、これは、「歳をとったから」ではなく、「前 頭前野が発達したから」、と言うのが正解です。
実際に、40歳前後から、「涙もろくなった」と感じる人が多く、これは、「ストレスを抱えている」と言う 人が40歳前後から増加している事と関係しています。 体は、自分に害を及ぼすものを、出来るだけ排除しようとする力が備わっています。そのため、同じ時期に 涙を流すことで、ストレスを解消する手段を身につけているのです。
ところが、この泣くと言う行為は、そこらじゅうで出来ることではないため、少々準備が必要になりますね。 突然泣き出したら、周囲を驚かせてしまいます。 一番良いのは、休日の前夜です。
気になっていた映画や一度観て感動したものを用意して、思いきり泣いてしまいましょう。涙にはリセット効果もあるため、気持ちを入れ替えることもできるのです。
そして、副交感神経の作用で、良い眠りに入る事ができます。ストレスを感じたら涙を流してストレスを解消 するのは、効果大の方法です。反対に、泣くのを我慢するのは、新しいストレスを生みますので、良くありません。
多感な時期の子供に声をかける時なども、「そんなに泣かないで」と言うより、「思い切り泣いて」と言ってあげた方が、ストレスを解消させてあげられます。
まとめ
起立性低血圧を起こしているのは、弱った自律神経です。そして、自律神経を弱らせているのは、ストレスや 睡眠不足なのです。朝起きて、日中はストレスと戦い、夜は十分な睡眠で神経や細胞を休ませる。この生活のベースを作る事が、 自律神経を正常に保つために必要なことです。
そのためには、ストレスを溜め過ぎないようにしなければいけません。ストレスを解消するためには、涙を流すことが効果大です。女性も男性も泣いたあとは、どこかスッキリとした疲労感に包まれ、穏やかな気持ちになれるはずです。
涙を流すことは、ストレス解消と良い睡眠の両方を与えてくれる、画期的な方法です。冷や汗や吐き気を伴う立ちくらみを起こした時は、自分がストレスを抱えていると意識して、解消する時間を作 ってみてはいかがでしょうか。